旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【中編】

◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【中編】 福岡貨物ターミナル駅で乗ったDE10形とは違い、DD51形は本線用の機関車で、運転台のある中央のキャブも比較的大きめだった。そして、DE10形では運転台に入るために一度エンジンが納めら…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(9)

91.社員の教育体系の根本的な見直し【2】 今回の重大インシデントではコミュケーション不足を指摘しました。その指摘の中で、コミュニケーション能力を開発する訓練に航空業界で用いられるCRM(Crew Resource Management)プログラムを取り入れることが考…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【2】

国鉄時代設計のリピートオーダー機で当座をしのぐ間、本命ともいえる機関車の開発を続けることになります。 その目標性能は1600トンの重量を牽いて高速で走ることができる性能と、25‰の坂で1100トンの列車を0km/hから引き出すことができるパワーをもつことで…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【前編】

◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【前編】 2回目の添乗実習はディーゼル機関車に乗務することになった。関東で生まれ育った私にとって、真っ赤な交流電機機関車だけでも珍しかったのに、ディーゼル機関車とはこれまたビックリだった。 日田…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(8)

最後に、今回のように一歩間違えれば台車枠折損による脱線事故、最悪は脱線転覆事故を起こす可能性があった重大インシデントを二度と起こさないための対策について提言したいと思います。 現在、重大インシデントについては国の運輸安全委員会が事故調査中で…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【1】

「将来、ドライバーになったらこれを運転することになる」 私が鉄道マンになった頃、その機関車を目の前にして先輩たちからそういわれました。 真新しい車体は眩しいくらいに輝いていて、それまでの国鉄形とは異なり直線的でスマートなデザイン、そして鮮や…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その15「門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル」【後編】

◆門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル【後編】 この間、たった1分程度。九州から本州へ渡る列車にとって、とても重要な運転操作ではあるが、意外にもあっけのないものに少々拍子抜けした感があった。 そのデッドセクションを通過して機関車の電流を切り…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(7)

2.否めない技術の劣化(3) 次に輸送指令の技術について述べたいと思います。 前項で、「のぞみ34号」が重大インシデントを起こした当時の輸送指令の対応については述べたとおりです。 輸送指令がある指令所には、列車の在線状況を表示する表示盤、そして…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その15「門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル」【中編】

◆門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル【中編】 門司機関区構内の機待線と呼ばれる留置線は、機関区から本線または門司駅や門司操車場(操車場機能は既に停止していたが、東小倉駅などへの信号場としての機能は残されていた。部内では「門操」と呼んでいた…

消えゆく「国鉄形」 老いてもなお「冬の生活」を支え続ける【後編】

1987年の分割民営化で、全車がJR貨物に車籍が継承され、国鉄時代と変わらぬ石油製品を運び続けていきます。ところが、1989年から再び製造が再開されました。旧式化した在来のタンク車の置換用として製造されたグループは、さらに改良がおこなわれて積載荷…