旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【6】最終章

2017年は2号機と17~19号機を除いて廃車となり、ついに2018年にはすべての定期的な仕事から外されてしまいました。製造からたった25年足らずで、現役でいるのはたったの4両。しかも定期的な仕事をもたず、吹田機関区で留置されたままの毎日なってしまいまし…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その18「機関区での整備…台車検査と臨時検査」【中編】

◆機関区での整備…台車検査と臨時検査 【中編】 前回までは門司機関区で研修中に、もう一台の機関車が台車検査で入場してきた。 今度は電気機関車のEF81形だ。やはりDD51形の時と同じように台車は車体から離されて、油脂や消耗品などは交換、車輪や台枠はしっ…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【後編】

それから10年後の2007年になると、小田急電鉄80周年と初代ロマンスカーである3000形登場から50周年を記念して、再び登場時の塗装に塗り替えられました。 前回までは ところがロマンスカーを取り巻く環境は2000年代に入って一変します。バブル経済崩壊と長引…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【5】

実力を発揮できるまでもてる性能を抑え、ただひたすら軽い列車を牽き続けてきたEF200形は16年目にして日の目を見ることができました。 しかし、それは長く続くことはありませんでした。 2008年には、パワーを抑えた後輩であるEF210形と共通の運用、つまりEF2…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その18「機関区での整備…台車検査と臨時検査」【前編】

◆機関区での整備…台車検査と臨時検査【前編】 前回までは 自動車に法定12か月点検と車検があるように、鉄道車両にも法定点検がある。車検に相当する全般検査は小倉車両所のところでもお話ししたように、文字通りオーバーホールになる大がかりな検査なので、…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【中編】

前回までは ところが、この7000形は日本の鉄道史上、稀に見るできごとに出会うことになりました。あろうことか、ライバルである国鉄から高速試験のために貸し出してほしいというのです。 私鉄の、それも特急用の車両が国鉄線上を走り、国鉄の手による試験運…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【4】

前回までは さて、こうして就役した21両のハイパワー機、EF200形。 多くの期待を一身に背負いながら、東海道・山陽本線の高速貨物列車牽引の運用に就きました。ですが、開発当初の目的であった1600トン列車の高速運転は実現できず、当面は在来のEF66形でもこ…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【後編】

前回までは ◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【後編】 東小倉駅を通過し、列車は小倉駅へと入っていった。小倉駅では鹿児島本線と日豊本線が分かれていく。列車はたくさんの線路と分岐器がある構内を、相変わらずのんびりとした速さで通過し…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【前編】

いつかは乗ってみたい、そう思った列車もなかなか機会に恵まれずに、気がついたらもう引退直前になっていた、ということは多々あります。まあ、思っていてもなかなか行動に移すことができる時間がとれなかったというのも、理由の一つかも知れません。 小田急…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(10)

2.列車無線システムの見直し 前回までは・・・ 列車の運転中に事故など異常事態が起きた時に、現場の乗務員などと輸送指令が連絡を取り合う手段として、現代の鉄道のほとんどで列車無線が整備されています。 もともとは常磐線で起きた三河島事故を契機に整備…