旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【5】

213系は国鉄が省エネ化を迫られる中、信頼性と効率性を両立するために界磁添加励磁制御を採用した。従来の抵抗制御は構造が簡単で信頼性は高いが電力効率が低く、オイルショック以降は限界が顕在化。高価な電機子チョッパ制御や複巻電動機を使う界磁チョッパ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【4】

213系は211系と同じ2950mm幅のステンレス車体を採用し、側扉2か所・2連窓4組の配置で室内空間を拡大した。車体幅が50mm広がったことで通路幅は117系の620mmから670mmへ拡大し、居住性が向上した。これは国鉄が東急車輛の技術開示を経てオールステンレス車を…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【3】

213系は1987年に登場した国鉄最後の新系列電車で、瀬戸大橋線(宇野線・本四備讃線・予讃線直通)向けに設計された。従来の近郊形3ドア車と異なり、観光需要を重視して2ドア・転換クロスシートを採用し、瀬戸内海の眺望を確保。前面は211系譲りの額縁スタイ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【2】

本四架橋の建設は、瀬戸内海の島々を巡る激しい誘致合戦と、技術的限界との闘いから始まった。宇高連絡船の航路に代わる道を求め、紫雲丸事故から11年を経て児島・坂出ルートが選定されるが、着工はオイルショックで再び遠のく。幾度もの調査と交渉を積み重…

今週の1枚 EF65 2065〔新〕

EF65形PFの2065号機は1977年に新製され、新鶴見に一貫して配置された生え抜きの直流電機。試験塗装機指定や更新工事、改番など時代に合わせた変化を重ねつつ、首都圏から東海道・山陽、予讃線まで貨物輸送を支えた。2023年に45年の使命を終え廃車となった。

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【1】

2025年の猛暑の反動か、今冬は厳しい寒さと大雪に見舞われ、鉄道の運行にも影響が出ている。かつて本州と三島は鉄道連絡船で結ばれていたが、関門トンネルの開通以降、青函・宇高・宮島の3航路が国鉄により運航された。洞爺丸事故や紫雲丸事故といった海難が…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【6】

《前回からのつづき》 もっとも、415系は主に関門トンネル区間を注したとした運用が多かったので、かつてのような中距離を走る列車に充てられることも少なくなっていました。そうした運用は転換クロスシートを備えた後継である811系や813系などが担っていた…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【5】

《前回からのつづき》 下関で折り返しの一時を過ごす415系Fm110編成。行先幕はJR九州独特の文字が小さめのものであるとともに、「普通」や「快速」といった列車種別ではなく、行先そのものを表示している。山陽本線のほとんどはJR西日本が継承したが、下関ー…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 国鉄は旅客輸送を機関車牽引の客車列車から、関門トンネルのために付替えが不要な電車へ置き換えることを計画していました。交直流両用の電車であれば、関門トンネルを介して双方を行き来する列車は、わざ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 関門トンネルは開業当初から直流1500V電化されていました。当時、山陽本線は西明石までしか電化されておらず、蒸機が主役として列車を牽いていました。 しかし、約3.6kmもの長さがあり、下り線で20パーミ…