旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2020-01-01から1年間の記事一覧

この1枚から 最後の力を振り絞って走り続けた485系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 クリーム色地に窓周りに引かれた赤い帯。ボンネットとまでは行かないものの、他の車両とは運転台も高い一にあるので、その独特な形状をもった485系は、国鉄時代から大都市と幹線沿線の主要都市…

この1枚から E257系・中央線を走った最後の夏

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうざいます。 長年走り続けてきた鉄道車両は、いつしかその役目を後継である車両に譲って退いていきます。その多くは経年による老朽化であったり、車両自体がその路線の需要にマッチしなくなったりなど、理由は…

この1枚から 男体山の吹き下ろしにも負けずに走り続けた107系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 10月初めに更新して以来、3週間ほど時間が空いてしまいました。 本業が学期末の繁忙期に加えて、ブログとは別に依頼された原稿を執筆することになり、そちらの方に注力しておりました(これにつ…

この1枚から 青色に白帯を巻いた客車

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 筆者がまだ小学校に入学した頃、たまに家族で川崎駅にある駅ビル(現在は「アトレ」になっています)の食堂で夕食を食べに行ったことがありました。あまり裕福ではなかったので、こうした外食は…

この1枚から 静寂の空間・B個室寝台の廊下

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 寝台特急で旅をする。これほど日常の喧騒から離れて、ゆったりとした非日常の時間を満喫できることはなかったと思います。特に個室寝台の部屋に入ってしまえば、そこは誰にも邪魔をされない自分…

この1枚から 「静脈物流」の始祖、「ごみ」だけを運ぶ貨物列車

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道貨物は実にいろいろな物を運んでいます。大きな物であれば、発電所や変電所で使う超大型の変圧器がその代表例でしょう。シキ車と呼ばれる大物車に載せられ、臨時列車として仕立てられて製造…

この1枚から 1984年の品川駅10番線ホーム

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 品川駅といえば、かつては東海道本線の拠点となる駅のひとつでした。今もその位置づけは変わらないと思いますが、東京上野ラインの開業によって常磐線のターミナル駅という一面も併せもつように…

この1枚から 「スカ色」の113系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今日の鉄道車両のほとんどは、ステンレスやアルミニウム合金を素材に多用するようになりました。これらの金属のメリットは、なんといっても錆に強く軽量であることです。軽量であるということは…

この1枚から 「みずほ」という寝台特急がありました【後編】

《前回のつづきより》blog.railroad-traveler.info 1970年代に入ると、「みずほ」は最新鋭の14系へと替えられました。14系は20系と比べるとB寝台の幅も広く居住性は向上しましたが、A寝台はそれまでの個室を備えた車両ではなくなり、プルマン式と呼ばれる開…

この1枚から 「みずほ」という寝台特急がありました【前編】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 日本の鉄道から「ブルートレイン」というカテゴリーの列車が消えて、早くも5年が経ちました。最後まで走り続けたのは上野-札幌間の「北斗星」で、北海道新幹線の開業と引き換えに廃止されてい…

この1枚から 酷寒の大地で鉄道輸送を支えた立役者

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 北海道の冬は本州以南と比べものにならないほど過酷な環境であることは、このブログでも何度かお話しさせて頂いております。北海道の中心都市である札幌でも、冬になれば雪に覆われ、しかも街中…

この1枚から 20年未満という短命で終わった500番代

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 山手線と言えば、東京でももっとも知られている鉄道路線ではないでしょうか。某家電量販店の歌にも出てくるくらいで、「まぁるい緑の山手線~♬」というフレーズは恐らく多くの人が聴いたことが…

この1枚から 「特急銀座」と呼ばれた1984年頃の上野駅

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 上野駅といえば、かつては東北地方や北陸地方へと向かう特急列車や急行列車が頻繁に発着するターミナル駅でした。中でも上野ー青森間を結んだ特急「はつかり」は、昼行で11往復も運転されており…

この1枚から 殿(しんがり)を受け持った貨車たち

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 筆者が幼い頃、貨物列車には多種多様な貨車が連結されていたことは、既に何度もお話させていただいています。その多様な貨車の中でも、車掌車や緩急車はどうしても惹かれる存在で、それに乗って…

この1枚から かつて、国鉄に「準急」があった

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 列車に乗って遠くへ出かけようとするとき、どのような列車を選びますか。恐らく、多く場合は新幹線だと思われます。いえ、今となっては、長距離を鉄道で移動するとなると新幹線を選ぶことが多い…

この1枚から 車番の下の「二重線」は直通車の証

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 かつて国鉄の貨物輸送の主役が車扱貨物が中心だった頃、実に多種多様な貨車が行き来していました。多くは有蓋車で、筆者が幼い頃に見に行った新鶴見操車場の仕訳線群には、とび色に塗られたワム…

この1枚から 乗り慣れた車内も過去のもの

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 ロングシートに4ドアの車内。通勤形と呼ばれる電車は、基本的にはこの形態をしているのはご存知の通りです。それはどれだけ技術が発達し、走行に関わる電装品や内装の材質などが変わっても、堅…

この1枚から 朱地のナンバーは九州出身の証

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 ちょっと前までは当たり前のように見かけたものが、気付かないうちに姿を消してしまい、既に過去帳入りしていたなんてことがあります。 鉄道車両、特に「国鉄形」と呼ばれる国鉄から継承したも…

この1枚から 先頭車に変えてみたら

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 南武線という路線をご存知でしょうか。ご存知の方なら、「ああ、あの・・・」と思われると思います。神奈川県東部に位置する川崎市をほぼ縦断し、多摩川を越えて立川まで至る通勤路線です。 この南…

この1枚から わずか幅70cmの快適空間

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます 今となっては遠い昔のことになってしまいましたが、国鉄時代は全国の主要幹線には夜行列車が数多く運転されていました。その中でも「ブルートレイン」と呼ばれる寝台特急は人気もあり、多くの長距…

この1枚から 中央総武緩行線・209系500番代の最後の夏

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 8月も終わりに(この記事を執筆した時点で)近づいていますが、連日の猛暑にはさすがに辟易しています。筆者の仕事柄、鉄分の補給は休日に限られているので、夏季休業はストレス解消も兼ねて鉄…

郵便局員が駅員を兼務!? 

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今回はニュースなどでも取り上げられた、JR内房線江見駅の業務委託に関連する話題をお届けします。 先日、夕食をとりながらテレビのニュースを観ていると、JR内房線江見駅に郵便局が開業し、同…

この1枚から 夕刻、雪の中を走り去る

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今年の8月も終わりが近づきつつありますが、関東は連日猛暑で吹く風は「暖かい」ではなく「熱風」そのものです。ですが、天気予報を観ていると、関東よりも西の地域の方が日中の最高気温は高く…

この1枚から クリーム色に塗られたホキ2200

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます 最近の鉄道車両は、ほとんどが耐候性や耐腐食性に優れ、しかも車両重量が軽量になる金属素材を使うようになりました。その最たるものがステンレスで、いまやメーカーで新製される鉄道車両で、昔な…

この1枚から 盛夏の京都駅にて

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今年の夏も、目が回るような酷暑です。仕事柄、ほぼ毎日のように朝は天気情報を確かめるのですが、晴れる日であればオレンジ色の背景に太陽のイラストのアイコンが表示されるところを、赤い背景…

この1枚から 古(いにしえ)の特急列車の座席

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道を使って旅に出ると、普段は乗ることができない車両に乗り、車内を観察することが楽しみの一つでした。特に都会に生まれ育った筆者にとって、ロングシートではない車両を宛がった列車に乗る…

この1枚から 池上線を走る「緑の電車」をねらう

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今年は新型コロナの影響で、夏休みは例年よりも半分以上短く、しかも外出はできるだけ避けなければならないので、お仕事しながらむすめの相手をし、その合間を縫って近所にカメラを持って出かけ…

海峡下の電機の系譜【Ⅷ】 新世代のマンモス機・EH500(6)

9.新世代のマンモス機 9-8 関門トンネルへの進出、万能機の証 首都圏ー北海道間の主力として年々増備が続けられたEH500は、ある程度の数が出揃ってきたことで初期のような酷使による故障も減り、運用も安定してくるようになりました。 一方で、同じ海底…

海峡下の電機の系譜【Ⅷ】 新世代のマンモス機・EH500(5)

9.新世代のマンモス機 9-5 青函直通運用に就いたEH500 本格的な量産に移行したEH500は、当初の計画通り仙台総合鉄道部に配置されて、さっそくED75重連とED79重連が担っていた貨物列車の仕業に就きました。ただし、当初は所要数が少ないこともあって、黒…

この1枚から 東横線に「伊豆のなつ」が走った夏

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 ようやく長い梅雨が明けて、本格的な暑さの夏がやって来ました。 夏になれば開放感でいっぱいになり、ついついお出かけもしたくなる気分になりますが、今年はやはり「コロナ」の影響で見合わせ…