旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【13】

ED42形は、1933年から28両が1948年まで第二次世界大戦を通じて製造されました。戦前製の車両は溶接組み立てを多用したことで、車体は凹凸の少ない近代的な外観でした。前面や側面の窓は、角にRがつけられるなど美観にも配慮したつくりで、当時の車両製造技術…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【12】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ラック式区間では、EC40形などと同じ第三軌条方式による電流供給のため、片側2か所ずつの集電靴が設置されていました。この第三軌条方式による電化は、国鉄ではこの碓氷峠区間だけだったので、いわば横軽…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【11】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ◆国産アプト式電機の真打ち ED42形 国鉄初の電機であるEC40形や、初の国産電機のED40形、さらにサンプル機として輸入したED41形をあわせて28両体制で国鉄最大の難所である碓氷峠区間の輸送を支えてきまし…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【10】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 先輩機であるEC40形が小型でモダンなデザインの車体であったのに対し、国産のED40形は車体製造の技術が関係したのか、平面を基本に角張った構造の無骨な印象をあたえる車体でした。再び輸入機となったED41…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【9】

◆「サンプル」と聞こえがよいが・・・再度のアプト式輸入機 ED41形 blog.railroad-traveler.info 1911年に製造がはじめられ、1912年から運用に就いた国鉄初の電機である10000形(EC40形)と、1919年に製造された初の国産電機である10020形(ED40形)は、合わせ…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【8】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 碓氷峠区間に残った蒸機を淘汰した後は、10020形は10000形とともにここを通過する列車に連結され、下り列車では後ろから押し上げ、上り列車では急坂を下る際の強力なブレーキ役として活躍を続けました。ま…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【7】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 車体は国鉄形電機としては珍しく、おそらく唯一の運転台を横川方1か所だけに設けられた箱型車体でした。これは、10000形が登場時には横川方だけでなく軽井沢方にも運転台が設置されていましたが、実際の運…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【6】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ◆初の国産電機 10020形(ED40形)アプト式直流電機機関車 10000形が碓氷峠区間に投入されたことにより、信越本線の輸送力は確実に向上しました。そして、蒸機運転につきまとっていた煤煙のために、乗務員…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【5】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info しかしながら、前述のように故障が頻発することは悩みの種になっていたと言われています。10000形が開発されたのは1912年で、ヨーロッパでも蒸機が主力で電機はまだ試作の域で、加えて10000形を製造したエ…

Column:貨物列車で空気ばね(エアサス)が一般的にならない理由【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 10000系貨車は、1987年の分割民営化までに多くの車両が運用を失い、廃車解体されてしまい姿を消していきました。とはいえ、一部は新会社に継承されて活躍を続けるものもありました。 JR東日本とJR西日本に…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ◆国鉄で初めての電機 10000形(EC40形)直流アプト式電気機関車 信越本線の隘路で、国鉄の鉄道路線で最大の難所とも言われた碓氷峠区間の輸送力の増強と乗務員の労働環境の改善をするため、電化することが…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 碓氷峠の特徴は、群馬県側から長野県側に向かって僅か10kmで500mもの標高差があることです。横川駅の標高は387.7m、軽井沢駅の標高は941.0mと駅間距離が僅か11.2kmの間に553.3mにのぼる高低差があること…

峠に挑んだ電機たち《第1章 国鉄最大の急勾配の難所・碓氷峠》【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 碓氷峠は古来からの交通の要衝でした。この碓氷峠と、神奈川県の箱根にある足柄峠を境に、これより東は「坂東」と呼ばれていました。後に関東と呼ばれるようになりますが、国の中心が奈良や京都などだった…

Column:貨物列車で空気ばね(エアサス)が一般的にならない理由【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info EF65形500番代F形やEF66形には、10000系高速貨車を牽くための元空気だめ引き通し管や電磁自動空気ブレーキの引き通し線を装備しました。九州島内で運用されたED73形やED76形、東北地方で運用されたED75形…