旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 国鉄は、自らが所有する荷物車や郵便荷物車は、新性能電車の登場で余剰化した72系を改造することで賄いました。旧性能電車であれば、もともとが1Mシステムであるので、用途に合った車体に載せ替え設備を整…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 旧形国電時代のように、電動車1両単位でも運用できる新性能電車、いわゆる1M電車は、国鉄時代は長らくつくられることはありませんでした。 その理由として、1M電車を運用する線区が限られていたことです。…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 新性能化されるより前の浜川崎支線では、17級旧形国電のクモハ11形+クハ16形の2両編成が充てられていました。旧形国電は電動車1両で運用ができるので、Mc+Tcの1M1T、MT比は1:1だったため、ある意味では…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【1】

国鉄形の電車というと、どのような車両を思い浮かべるでしょうか。 最近まで活躍していた特急形の381系や185系もあれば、今なお走り続けている近郊形の113系や115系も挙げる方もいることでしょう。いずれも国鉄が設計した車両らしく、電装品をはじめ車体に至…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【14】

EF71形は奥羽本線の交流電化とともに登場し、「あけぼの」や「つばさ」の補機・本務機として活躍。JR東日本に継承後も重連運用で峠越えを支えましたが、改軌工事や列車削減により運用を失い、1993年に形式消滅。豪雪地帯・板谷峠を越えた交流電機として、25…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【13】

EF71形は1968年に福島機関区に配置され、当初はED78形の補機として運用されましたが、1970年以降は本務機としても活躍。寝台特急「あけぼの」や気動車特急「つばさ」の補機も担当し、特にキハ181系の冷却・変速機トラブルにより再び補機として連結され、板谷…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【12】

EF71形は板谷峠対応の補機として1968年に登場した国鉄交流電機最大のF級機です。回生ブレーキや過速度検知装置、電機子短絡スイッチなどを装備し、耐寒耐雪仕様も充実。主電動機6基で2,700kWの高出力を誇りましたが、自重増加や空転、サイリスタ不良などの課…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【11】

EF71形は、板谷峠対応の補機として1968年に登場した国鉄交流電機最大のF級機です。サイリスタ位相制御と回生ブレーキを搭載し、主電動機を6基装備することで2,700kWの高出力を実現。屋根上機器の室内収容や豪雪地帯対応の設計も特徴で、交流版EF63形ともいえ…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【10】

ED78形は1968年から製造され、板谷峠や仙山線で活躍した国鉄交流電機です。寝台特急「あけぼの」対応の増備やJR継承後の仙台転属を経て、1990年代には定期運用を縮小。1998年にほぼ全車が廃車となり、残る2両も2000年に落ち葉清掃列車の任務を終えて引退。30…

回想録 ディーゼル機を使った貨物駅での入換作業【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info (2)入換の「真打ち」ディーゼル機の出番 到着した貨物列車から電気機関車が切り離され、引き上げ線へと引き上げていくと、今度は入換用に待機していたディーゼル機の出番です。当時の横浜羽沢駅には、…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【9】

ED78形は、ED94形の試験成果を基に1968年に量産化された板谷峠対応の交流電機です。サイリスタ制御や回生ブレーキ、過速度検知装置、電機子短絡スイッチなどを装備し、安全性と制動力を強化。奥羽本線や仙山線で運用され、1970年には2次車も増備されましたが…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【8】

ED94形は、板谷峠の急勾配に対応するため、ED77形をベースに回生ブレーキを搭載した国鉄初の試作交流電機です。サイリスタ連続位相制御により、交流から直流への変換と電圧制御を両立し、回生制動を可能にしました。試験の結果、誘導障害が発生したため、量…

峠に挑んだ電機たち 第2章 奥羽山脈越えの隘路、33.0パーミルの板谷峠【7】

奥羽本線の交流電化に伴い、EF64形に代わる本務機としてED78形が登場しました。ED75形を基に開発されたED93形(後のED77形)は、軸重調整機能やサイリスタ位相制御を搭載し、仙山線で試験運用されましたが、板谷峠の急勾配に必要な抑速機能がなく、峠越えに…