旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【10】

瀬戸大橋線の海上環境で床下機器が腐食し故障が増えた213系は、利用減少やJR四国の車両使用料負担も重なり、2003年にマリンライナー運用を後継車へ譲った。クロ212形は全車が離脱し、残った編成は岡山地区のローカル用に転用。サハ213形には普通鋼製の先頭部…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【9】

クロ212形は485系などのパノラマグリーン車を踏襲し、大型曲面ガラスとハイデッキ構造を採用した観光仕様の先頭車として1988年に登場した。複雑な曲面デザインのため普通鋼製となり自重は33tに達した。財務上の理由から既存編成を崩さず新編成を組む形で増備…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【8】

1987年に登場した213系は岡山電車区に配置され、宇野線で備讃ライナーとして先行運用された。回生ブレーキ車に不慣れな運転士の習熟も兼ねていた。1988年の瀬戸大橋線開業で本来の役割を担うはずだったが、JR西日本は観光性を重視し、快速マリンライナーに全…

今週の1枚 クモハ115-310〔八トタ〕

筆者が勤務した電気区派出は中央本線の八王子や南橋本などを担当し、特に八王子では貨物施設が多く日々多様な業務に携わった。勾配が続く高尾以西では115系が活躍し、山電として親しまれたが2015年に姿を消滅。2026年のダイヤ改正で立川・八王子発着も廃止さ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【7】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 211系は東海道本線だけではなく、横須賀・総武快速線にも投入することを想定していて、特に品川ー錦糸町間の地下区間では高い走行性能を確保する必要があったものの、113系と同じMT比ほどは必要とせず、そ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【6】

213系は瀬戸大橋線向けに1M方式を採用し、CS59主制御器とHS65励磁装置による界磁添加励磁制御を搭載した。電動車1両で必要な電装品を全て搭載するため、主抵抗器容量が小さくなり、高電圧仕様のMT64主電動機を採用。補機類も集約され、国鉄初のSIVを装備した…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【5】

213系は国鉄が省エネ化を迫られる中、信頼性と効率性を両立するために界磁添加励磁制御を採用した。従来の抵抗制御は構造が簡単で信頼性は高いが電力効率が低く、オイルショック以降は限界が顕在化。高価な電機子チョッパ制御や複巻電動機を使う界磁チョッパ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【4】

213系は211系と同じ2950mm幅のステンレス車体を採用し、側扉2か所・2連窓4組の配置で室内空間を拡大した。車体幅が50mm広がったことで通路幅は117系の620mmから670mmへ拡大し、居住性が向上した。これは国鉄が東急車輛の技術開示を経てオールステンレス車を…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【3】

213系は1987年に登場した国鉄最後の新系列電車で、瀬戸大橋線(宇野線・本四備讃線・予讃線直通)向けに設計された。従来の近郊形3ドア車と異なり、観光需要を重視して2ドア・転換クロスシートを採用し、瀬戸内海の眺望を確保。前面は211系譲りの額縁スタイ…

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【2】

本四架橋の建設は、瀬戸内海の島々を巡る激しい誘致合戦と、技術的限界との闘いから始まった。宇高連絡船の航路に代わる道を求め、紫雲丸事故から11年を経て児島・坂出ルートが選定されるが、着工はオイルショックで再び遠のく。幾度もの調査と交渉を積み重…

今週の1枚 EF65 2065〔新〕

EF65形PFの2065号機は1977年に新製され、新鶴見に一貫して配置された生え抜きの直流電機。試験塗装機指定や更新工事、改番など時代に合わせた変化を重ねつつ、首都圏から東海道・山陽、予讃線まで貨物輸送を支えた。2023年に45年の使命を終え廃車となった。

国鉄の置き土産 瀬戸内を渡るためにつくられた国鉄最後の新系列・213系【1】

2025年の猛暑の反動か、今冬は厳しい寒さと大雪に見舞われ、鉄道の運行にも影響が出ている。かつて本州と三島は鉄道連絡船で結ばれていたが、関門トンネルの開通以降、青函・宇高・宮島の3航路が国鉄により運航された。洞爺丸事故や紫雲丸事故といった海難が…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【6】

《前回からのつづき》 もっとも、415系は主に関門トンネル区間を注したとした運用が多かったので、かつてのような中距離を走る列車に充てられることも少なくなっていました。そうした運用は転換クロスシートを備えた後継である811系や813系などが担っていた…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【5】

《前回からのつづき》 下関で折り返しの一時を過ごす415系Fm110編成。行先幕はJR九州独特の文字が小さめのものであるとともに、「普通」や「快速」といった列車種別ではなく、行先そのものを表示している。山陽本線のほとんどはJR西日本が継承したが、下関ー…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 国鉄は旅客輸送を機関車牽引の客車列車から、関門トンネルのために付替えが不要な電車へ置き換えることを計画していました。交直流両用の電車であれば、関門トンネルを介して双方を行き来する列車は、わざ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 関門トンネルは開業当初から直流1500V電化されていました。当時、山陽本線は西明石までしか電化されておらず、蒸機が主役として列車を牽いていました。 しかし、約3.6kmもの長さがあり、下り線で20パーミ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 本州の最西端である下関と九州の玄関口となる門司を隔てる関門海峡は、西は日本海に通じる響灘を、東は瀬戸内海、さらには太平洋へと至ることのできる周防灘の間にあり、海上交通にとっては日本海側と太平…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 つい最近、常磐線で運用されてきていたJR東日本のE501系がJR九州へ譲渡されたという報道がありました。E501系はその名が示す通り交直流両用の通勤形電車で、国鉄時代にはなかったカテゴリーの電…

鉄路探訪記:湘南モノレール江の島線【5】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 片瀬山駅を観察し終えて、再び駅のホームに立った。といっても改札口があるわけでもなく、自動改札機すらない。数段の階段を上るとそこにホームがあるという構造は、地方私鉄の小さな駅を彷彿させるものだ…

鉄路探訪記:湘南モノレール江の島線【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 湘南深沢駅の周辺を散策して、駅前のコンビニエンスストアでアイスを購入し、熱くなった体を少しだけ冷やしてから、再び江ノ島に向かって行くことにした。大船方からやってきたのは、湘南モノレールの新鋭…