旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

交通インフラシステム

夜行列車の考察 ~最終章・21世紀の現代で夜行列車の需要はあるのか~

結論から申し上げよう。 21世紀に入り20年近くが経とうという時代にあって、夜行列車の需要はあるかといえば、その結論は「ある」と言うことができる。ただし、そこには一定の条件がついてくる。 それは、国鉄時代から連綿と続けられてきた形態の夜行列車で…

信越線・大雪で車内に430人閉じ込めたまま15時間立ち往生 その背景について考える 

身を切るような寒さが続きます。2018年が明けて、日本列島は猛烈な寒波が襲来。関東から東海の太平洋側を除いて、軒並み大雪に見舞われているようで、テレビのニュースや情報番組でも大雪と寒波の話題が取り上げられています。 そんな中、新潟の信越本線では…

夜行列車の考察 ~商品価値を重視した対北海道列車~ その2

「北斗星」よりさらに充実した商品価値を求めた「トワイライトエクスプレス」 その「北斗星」の成功からおよそ1年後。JR西日本は大阪-札幌間に新たな夜行列車の運行を始めた。「トワイライトエクスプレス」がそれである。いわゆる日本海縦貫線を走破し、青…

夜行列車の考察 ~商品価値を重視した対北海道列車~ その1

青函トンネル開通が夜行列車の大きな転機に 「商品としての価値」を失った対九州方面の夜行列車。 1970年代に設計・製造された老朽化が進行し、サービス水準も陳腐化していく車両で、高い運賃とあまりにも長い所要時間で、他の交通機関から利用者を奪われつ…

夜行列車の考察 ~なぜ、JRは積極策に出なかったのか~

一般に、利用者離れが始まると、利用者を取り戻そうと様々な「改善」を行うのがサービス業をだけではなく、鉄道会社などの運輸業でもすることだろう。会社は利潤を生み出すことで成り立っているから、収益が減ればそれに対して増収につながる方策をとるのが…

夜行列車の考察 ~“商品”としての価値~

二等寝台車は通勤電車の座席と同じ幅のベッド 夜行高速バスが隆盛の今日、長距離を夜間に移動をするという需要はあることが、前回の「京浜吉備ドリーム号」のレポートでもわかったと思う。 そこで、一つの疑問が生まれてくる。それは、なぜ夜行列車は衰退し…

新幹線のさらなる高速化とその必要性は?

先日、JR東日本から次期新幹線試験車両「ALFA-X」と名付けられたE956形の製作と、その試験内容などが発表された。 trafficnews.jp toyokeizai.net 技術は常に進化を続けている。鉄道もその点では同じだ。現在、東北新幹線で運転されているE5系やE6系は、2005…

夜行列車の考察 ~夜行高速バスの旅を体験~

百聞は一見にしかず、百見は一労作にしかず 私が通っていた(正確には通信課程なので、受講していた)大学の正面入口に、こんんな言葉を掘った石碑がある。百聞するより一目見た方が分かる。百回見るよりも一度経験する方がもっと理解できる。 そういうこと…

夜行列車の考察 ~長距離夜行の需要はなくなったのか~

本当に需要はなくなったのか 1980年代までそれなりに旺盛な需要があった夜行列車も、1990年代に入ると利用者は激減していく。ついには、「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」といった豪華な設備を誇る列車を除いて、ほぼ毎日のように空席が目立つように…

夜行列車の考察 ~国民の脚として走り抜けた列車の肖像~

戦前の夜行列車 夜行列車の登場は、意外にも早く第二次世界大戦前には既に運転されていた。 もちろん、東京から各地へ向かう長距離列車である。当時は蒸気機関車が列車の先頭に立っていたことと、建築技術が今ほど発達していなかったことなどもあり、速度も…

夜行列車の考察 ~素晴らしき時間と旅路のあと~

豪華クルーズトレイン真っ盛り 6月17日より、JR西日本が豪華クルーズトレイン「トワイライトエクスプレス瑞風」の運転が開始されると、ニュースや新聞紙上を賑わせている。 あの濃緑色の車体は、まさしくあの豪華寝台特急であった「トワイライトエクス…