旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【10】

さらに多くのお客さんを運ぶために 一方、首都圏の混雑路線でもある山手線と京浜東北線などは、1970年代後半までに10両編成を組んでの運転でした。高度経済成長期が終わったとはいえ、ラッシュ時間帯の混雑は激しさは変わることがなく、列車の運転本数を増や…

豪雨災害で運転見合わせの貨物列車、山陰本線で迂回運転を計画 ~その課題と解決策を考える~

はじめに 運転再開の見込みは? どのような影響があるのか JR貨物が迂回運転を計画 しかし・・・ (1)迂回運転を計画している路線の問題 (2)車両の問題 (3)乗務員の問題 早期の運転を目指して 終わりに はじめに 2018年6が28日から7月8日頃にかけて起き…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【9】

増え続ける冷房車、追われる非冷房車 冷房装置も標準装備となり、様々な改良を加えられた103系電車はその後も量産が続きました。 同じ頃、首都圏や京阪神の周辺部の通勤路線では、大先輩でもある旧型電車の72系電車がまだまだ現役でした。現役といっても、最…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【8】

ロングセラーであるが故のマイナーチェンジ 1965年の登場以来、数多くの車両が製造がされ続け、首都圏や関西圏の通勤路線をはじめ、地下鉄への直通運転にまで進出し、名実ともに国鉄の標準通勤形電車としての地位を確立した103系電車は、1973年以降の製造か…

駅へ行こう! 鹿児島本線/長崎本線・鳥栖駅(佐賀県)【後編】

門司港駅から続く鹿児島本線から、長崎へと伸びる長崎本線が分岐する鳥栖駅は、九州の駅の中でも最古の駅の一つだそうです。 それだけ駅の建物も風格があって、ホームの屋根を支える構造物もかなりの古さでした。 そのことを示す小さな札が、屋根の梁にあた…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【7】

国鉄電車、地下鉄へ 1972年までに1500両以上もつくられ、大都市圏の混雑の激しい通勤路線で長大な編成を組んで、多くのお客さんを乗せて走る103系電車。一部では周辺部のスピードアップや、支線では最短の3両編成を組むといった、仕事場となる路線のニーズに…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【6】

冷房装備でサービス改善を推進【後編】 さすがに冷房装置を載せた分だけお値段も高くなっているのに、まったく役に立たないというわけにもいきません。とはいえ、すべて新車で編成を組むことができれば問題も解決しますが、何しろ1500両以上も冷房なしでつく…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【5】

冷房装備でサービス改善を推進【前編】 暑い夏になると今日ではエアコンをつけることが当たり前になっています。もちろん、筆者の家にも各部屋にエアコンがついています。その数、なんと5台もありますから、電気代もバカになりません(笑) 一昔前、筆者がま…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【4】

都心部から郊外へ進出する通勤形電車 103系電車はこのように、増える一方の通勤・通学のお客さんを、できるだけ多く、そして早く、効率よく運ぶためにつくられ、混雑の激しい路線へ次々に投入されていきました。もちろん、103系電車はその設備と性能を発揮し…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【3】

旧来の電車とは様々な面で一線を画した、国鉄の新性能電車の第一弾として登場した101系電車。実際に就役して走り出してみると、いろいろな問題点も出てきました。 その問題点をクリアにしながら、可能な限りランニングコストを抑え、そして国鉄の標準通勤形…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【2】

「通勤形電車」とは ここで、少しだけ通勤形電車のルーツに触れておきましょう。 通勤形電車の元祖というと、戦時中に開発された63系電車に遡ることができます。戦前につくられた電車にも、同じような設備をもったものがありましたが、それらは通勤形という…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【1】

はじめに ついこの間まで「当たり前の景色」だったのが、気がついたらすっかり変わってしまっていた、なんてことは多いと思います。特に、日常生活に追われていると、周りのことなど気にする余裕もなくせばなおさらです。 私の身近にある電車もそうでした。 …

駅へ行こう! 東海道本線・摂津富田駅(大阪府)【前編】

みなさんは駅へ行ったことがありますか? そんなの当たり前じゃないか?行ったことないなんて人、いるわけないだろう!なんて言われそうですが、確かに、おっしゃる通り駅に行ったことがない人なんて、探す方が大変かも知れません。いえ、それは十分承知して…

東海道新幹線「のぞみ265号」殺傷事件 二度と同じことを起こさないための安全対策を考える

1.はじめに 2.新幹線の利便性 3.航空機と新幹線、保安体制の違い 4.新幹線の保安検査の可能性の検討 5.終わりに 1.はじめに 再び新幹線の車内で悲劇が繰り返されてしまいました。 2018年6月9日、新横浜-小田原間を走行中の東海道新幹線・のぞみ号の車…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【7】最終章

しかし、さすがに若い頃は高速で長距離を走ってきた無理もたたり、後年は短距離が中心になったとはいっても老朽化が進行してきたことや、北陸新幹線の金沢開業によって金沢-直江津間が第三セクターへ移行したこともあり、ついに2015年に413系電車と組んでい…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車 走る「便器」

タイトルを見て、あのトイレにある便器が走るのか?と思われた方も多いでしょう。 いえ、便器自体が走るのではありません(;´д`) そんな便器があったら是非とも見てみたいですが、落ち着いて用は足せないでしょう 便器はコンテナに乗って走っているのです(笑…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【6】

こんな華やかな時代を謳歌した急行列車も、1985年までに廃止が相次いだために、451・471系電車をはじめとする交直流両用の急行形電車も本来の仕事を失いました。仕事は失ったといっても、製造から古くても24年しか経っていないので、そのままお払い箱になっ…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(17)最終章

終わりに…「安全神話」などは存在しない ここまで長々と「のぞみ34号」台車折損事故について、筆者の経験などをもとに考察し、提言を書いてきました。 最後に新幹線の安全輸送を語る上で述べておきたいことは、「安全神話」などは存在しないということです。…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【5】

451・471系電車を始祖とする交直流両用の急行形電車は、1961年に登場以来、24年でその役目を失ったことになります。他方、特急用として登場した481系電車を始祖とする交直流両用の特急形電車は、時代が変わっても特急列車として走り続けるその役割は変わらず…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車③ あの「うまい!」を届けるコンテナ

暑い夏が近づいてきました。最近の夏の暑さは一昔、いえ二昔前にとは比べものにならないくらいの暑さで、日中の最高気温が30℃を超えるなんて日は当たり前、ともすると35℃を超えるなんてことも珍しくなくなりました。いったい、どこまで暑くなるんでしょうか…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(16)

(4)事故調査結果を将来の安全につなげる【後編】 しかしながら日本では、JTSBの調査資料を刑事訴追の証拠としたり、時には調査官を承認として法廷に呼び出した事例があります。 1997年に起きた日本航空MD-11型機駿河湾上空乱高下事故では、機長の過失責任…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【4】

1980年代に入ると東北の急行列車は次々に特急への格上げとともに廃止や削減が続いていきました。そして1982年に東北新幹線が大宮-盛岡間で開業をすると、特急列車のみならず急行列車を含めた長距離列車は大幅に減らされていきました。 前回までは blog.rail…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車② 旅する「野菜」

五月半ばに、歌手の西城秀樹さんが亡くなりました。まだ63歳という若さだったので、この訃報に接した時は本当にビックリしました。心からご冥福をお祈り申し上げます。 さて、西城秀樹さんといえば、やはりカレーのテレビCMでしょう。あの「秀紀、感激ッ!」…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(15)

(4)事故調査結果を将来の安全につなげる 今回の重大インシデントの発生を受けて、国の運輸安全委員会が事故調査に乗り出しているのは、既に報道などで多くの方がご存知のことだと思います。 運輸安全委員会(JTSB)は国土交通省の外局で、航空機や鉄道、船…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【3】

1968年のダイヤ改正、いわゆる「ヨン・サン・トオ」と呼ばれる白紙ダイヤ改正では、数多くあった急行列車の愛称が整理されるとともに、それまで走っていた準急列車が急行列車へ統合されていきます。急行列車自体は増発にも見えますが、一方で一部の急行列車…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車① 軽自動車はコンテナに乗ってやって来た!

駅のホームで列車を待っていると、電光案内板に「通過列車」とか表示されていること、たまにあると思います。寒い日や暑い日には、できれば早く快適な車内に入りたいと思っている時に、この「通過列車」なんかあると勘弁してくれと思うこともあるかもしれま…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(14)

(3)根幹を支える職員を自社の責任で育成する このように安全輸送を守るためには、現場に携わる職員の存在が必要不可欠であり、こうした職員には実践で培った経験と技術が重要であることは、これまでにも何度も述べてきました。 しかし、近年、多くの鉄道…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【2】

こうして、急行列車のサービス改善を果たした153系電車が活躍する一方、他の地方線区は旧来の客車列車のままでした。東京・名古屋・大阪といった大都市圏を結ぶ列車が最新鋭の車両で運転されているのを、地方が黙って見逃すわけがありません。当然、地方都市…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(13)

(2)現場を熟知したプロを活かす 現場で十分な経験を積み、知識と技術などを習得したプロフェッショナルは、間違いなく安全輸送になくてはならない存在であることは確かです。こうした職員が現場で若手を育てることはもちろん重要な仕事であるといえます。…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【1】

人は生まれながらにして背負った運命というものがあるのかと思うことがあります。とにかく苦労の連続を強いられる人もいれば、裕福な家に生まれて先代の後継者に、本人の意思も関係なく決められていて自由のない人などなど。 それは鉄道車両も同じことで、開…