旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【18】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【前編】 「まぁるい緑の山手線~真ん中とおるはは中央線~♪」という歌は、関東にお住まいの方なら一度は聞いたことがあると思います。家電量販店のヨドバシカメラのCMソングですが、この歌…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・過酷な猛暑の鉄路【前編】

過酷な猛暑の鉄路【前編】 これを書いている2018年の夏は、これまでに経験したことのない記録的な猛暑の日が続いている。 連日の気温は35℃以上はあたりまえで、30℃を下回った日なんか片手で足りるくらいだ。埼玉県の熊谷で、過去最高の41.1℃を記録した日なん…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【4】

3.莫大な復旧費用と長期化する復旧期間 鉄道線路が自然災害で大きな被害を被り、長期にわたり列車の運転を休止を余儀なくされるケースがたびたび見られるようになりました。 長期にわたって列車の運転を休止に追い込まれる原因はいくつかありますが、共通…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【17】

激しさを増す混雑 103系電車史上最長の15両編成へ 首都圏の混雑はとどまることを知らず、通勤ラッシュの混雑は年々激しさを増す一方でした。 国鉄も「五方面作戦」を展開して、混雑の緩和を目指して輸送力の増強に取り組み、東海道線と横須賀線の分離運転や…

豪雨災害で物流の寸断が続く山陽本線、貨物列車の迂回運転実施へ

平成30年7月豪雨から早くも1か月が経ちました。 この災害でお亡くなりになられた方に、改めてご冥福をお祈りいたします。また、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。 さて、この豪雨で日本の大動脈でも…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【3】

この稿の前回までは blog.railroad-traveler.info 2.鉄道の公共性と自力維持の原則 鉄道はいろいろなところを走っています。 鉄道路線は大きく分けて次の3つに分類できるでしょう。 ①大都市圏内を走る通勤通学輸送を支える路線 ②大都市と地方都市を結ぶ都…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【16】

東京湾岸を走り抜けたスカイブルーの電車 埼京線と同じように、国鉄の終わり頃に開業したもう一つの通勤路線がありました。 今日では東京駅から千葉県を結ぶバイパス路線としての役割を担う京葉線がそれです。 京葉線はもともとは貨物線として計画・建設され…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【2】

1.鉄道を構成する施設は古いものが多い これら自然災害による鉄道施設の被害の原因の一つとして考えられるのは、一言でいうのであれば「施設が非常に古い、あるいは抜本的な更新がなされていない」ということです。 これはどういうことなのでしょうか。 鉄…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・電話が通じない!信号機器が動かない! その正体とは【前編】

電話が通じない!信号機器が動かない! その正体とは【前編】 電気区の仕事というのは、日常の検査だけではなく修繕もとにかく多かった。 特に貨物駅にある施設の多くは老朽化が進んでいて、管理をする側にとっては苦労も多い。その理由は、国鉄時代、貨物は…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【15】

山手線を追われた車両たちの行く末 数多くの103系電車がつくられ、首都圏や京阪神の通勤路線を中心に通勤通学でたくさんのお客さんを乗せて走り続けましたが、国鉄の分割民営化が目前に迫った頃には、後継となる最新鋭の通勤型電車の登場によって、山手線や…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【1】

自然の猛威の前に、人間の力は無力であることを思い知らせることは多々あります。もちろん、こうした災害が起きないことが一番なのですが、地球という「生き物」に住んでいる限り逃れることはできません。 いつ起きるか予測がつかない自信はその代表例でしょ…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・関西のうぐいす色

「うぐいす色」の電車といえば、関東育ちの私にとって山手線のこと。 いや、山手線だけではなく横浜線もそうだったし、埼京線や川越線、八高線もうぐいす色だった。 ちょっと変わったところでは、国鉄時代のコンテナもこの「うぐいす色」だ。

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・何でもやります! まさに電気屋さん【後編】

何でもやります! まさに電気屋さん【後編】 電話がかかってきて、蛍光灯の在庫がなくなったと連絡を受けると、それを届けるのも電気区の仕事だった。 そんなことまでしていたの?と驚かれる方も多いと思う。 実際、私も驚いた。 ある日先輩から「ナベちゃん…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【14】

交流王国・九州に103系電車現る 首都圏や京阪神では新しい車両の登場で置き換えが進んでいる頃、新たな103系電車たちがつくられることになりました。 国鉄も終わりが近づきつつある1982年に、直流の通勤形電車とは無縁とも思えた九州で走ることになりました…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・国鉄色のEF64

ついこの間までごく日常的に見られたこの色も、いつしか「更新色」と呼ばれる色に占められていました。 その更新色から再び国鉄直流機標準色を身に纏い、遠く愛知からお出ましのEF64 1023に運良く出会い、ついつい若い頃のことを思い出します。 続々登場する…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・何でもやります! まさに電気屋さん【前編】

◆何でもやります! まさに電気屋さん 信号設備のように鉄道マンならではなの仕事もあるが、一見するとこれも鉄道マンの仕事なの?と思えるようなことも仕事のうちだった。 ある日、庁舎の電灯がつかなくなってしまった。 最初は球切れかな?と思い、新しい蛍…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【13】

民営化後も続く都落ち 103系電車はスピードを落とす時に走るために取り付けてあるモーターをブレーキにします。モーターをブレーキにする?と思われる方も多いのではないでしょうか。 ブレーキというと車輪をブレーキパッドで挟み込んで速度を落とすところを…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて(12)

歴史は繰り返す・・・後継の新型車両に追われて 1970年代の終わり頃から叫ばれてきた国鉄の経営再建は、分割民営化という形で行われることが現実味を帯びてきた1980年代のはじめから半ば、103系電車が最初の仕事場にした主要路線に新たな通勤形電車が登場しまし…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【10】

さらに多くのお客さんを運ぶために 一方、首都圏の混雑路線でもある山手線と京浜東北線などは、1970年代後半までに10両編成を組んでの運転でした。高度経済成長期が終わったとはいえ、ラッシュ時間帯の混雑は激しさは変わることがなく、列車の運転本数を増や…

豪雨災害で運転見合わせの貨物列車、山陰本線で迂回運転を計画 ~その課題と解決策を考える~

はじめに 運転再開の見込みは? どのような影響があるのか JR貨物が迂回運転を計画 しかし・・・ (1)迂回運転を計画している路線の問題 (2)車両の問題 (3)乗務員の問題 早期の運転を目指して 終わりに はじめに 2018年6が28日から7月8日頃にかけて起き…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【9】

増え続ける冷房車、追われる非冷房車 冷房装置も標準装備となり、様々な改良を加えられた103系電車はその後も量産が続きました。 同じ頃、首都圏や京阪神の周辺部の通勤路線では、大先輩でもある旧型電車の72系電車がまだまだ現役でした。現役といっても、最…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【8】

ロングセラーであるが故のマイナーチェンジ 1965年の登場以来、数多くの車両が製造がされ続け、首都圏や関西圏の通勤路線をはじめ、地下鉄への直通運転にまで進出し、名実ともに国鉄の標準通勤形電車としての地位を確立した103系電車は、1973年以降の製造か…

駅へ行こう! 鹿児島本線/長崎本線・鳥栖駅(佐賀県)【後編】

門司港駅から続く鹿児島本線から、長崎へと伸びる長崎本線が分岐する鳥栖駅は、九州の駅の中でも最古の駅の一つだそうです。 それだけ駅の建物も風格があって、ホームの屋根を支える構造物もかなりの古さでした。 そのことを示す小さな札が、屋根の梁にあた…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【7】

国鉄電車、地下鉄へ 1972年までに1500両以上もつくられ、大都市圏の混雑の激しい通勤路線で長大な編成を組んで、多くのお客さんを乗せて走る103系電車。一部では周辺部のスピードアップや、支線では最短の3両編成を組むといった、仕事場となる路線のニーズに…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【6】

冷房装備でサービス改善を推進【後編】 さすがに冷房装置を載せた分だけお値段も高くなっているのに、まったく役に立たないというわけにもいきません。とはいえ、すべて新車で編成を組むことができれば問題も解決しますが、何しろ1500両以上も冷房なしでつく…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【5】

冷房装備でサービス改善を推進【前編】 暑い夏になると今日ではエアコンをつけることが当たり前になっています。もちろん、筆者の家にも各部屋にエアコンがついています。その数、なんと5台もありますから、電気代もバカになりません(笑) 一昔前、筆者がま…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【4】

都心部から郊外へ進出する通勤形電車 103系電車はこのように、増える一方の通勤・通学のお客さんを、できるだけ多く、そして早く、効率よく運ぶためにつくられ、混雑の激しい路線へ次々に投入されていきました。もちろん、103系電車はその設備と性能を発揮し…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【3】

旧来の電車とは様々な面で一線を画した、国鉄の新性能電車の第一弾として登場した101系電車。実際に就役して走り出してみると、いろいろな問題点も出てきました。 その問題点をクリアにしながら、可能な限りランニングコストを抑え、そして国鉄の標準通勤形…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【2】

「通勤形電車」とは ここで、少しだけ通勤形電車のルーツに触れておきましょう。 通勤形電車の元祖というと、戦時中に開発された63系電車に遡ることができます。戦前につくられた電車にも、同じような設備をもったものがありましたが、それらは通勤形という…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【1】

はじめに ついこの間まで「当たり前の景色」だったのが、気がついたらすっかり変わってしまっていた、なんてことは多いと思います。特に、日常生活に追われていると、周りのことなど気にする余裕もなくせばなおさらです。 私の身近にある電車もそうでした。 …