旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【24】

西のスカイブルー・京阪神緩行線【前編】 前回までは blog.railroad-traveler.info 阪和線に次いで関西圏に103系電車が送り込まれたのは、京都~大阪~神戸~西明石を走る普通列車・京阪神緩行線でした。あまり聞き慣れない路線名かもしれません。 一般には…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・財布にはドル札、片手に英語の辞書【2】

財布にはドル札、片手に英語の辞書【2】 こうして、英語も満足にできない成績でなんとか入社した私が、仕事もまだまだ半人前以下なのにもかかわらず、在日アメリカ軍の専用線路を任されることなってしまった。 渡された図面や資料は、どれもが国鉄時代に誰…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【23】

大阪湾に沿って紀州路へとつないだスカイブルーの103系【後編】 阪和線の103系電車は、1987年の国鉄の分割民営化までは大きな変化もなく、大阪と和歌山の間を行き来する仕事を続けました。 ところが、JR西日本に替わった翌年の1988年には、205系電車がやって…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・財布にはドル札、片手に英語の辞書【1】

財布にはドル札、片手に英語の辞書【1】 鉄道貨物を利用されるお客さま、つまり荷主さんは本当に驚くほど多くの業種の会社などに利用していただいている。とはいえ、私が鉄道マンになった頃は、モータリゼーションの進展や国鉄時代の相次ぐストやら運賃値上…

走り抜ける「昭和の鉄道」 古き良きものを伝え続ける

生まれてからというもの、都会暮らししか経験のない私にとって、気動車とは本当に縁が薄い存在です。 だからというわけではないでしょうが、気動車の独特の雰囲気についつい惹かれるものがあります。走り出すときの力を振り絞るようなエンジンの音、停車中で…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【22】

大阪湾に沿って紀州路へとつないだスカイブルーの103系【前編】 国鉄の標準通勤形電車となった103系電車は、既にお話ししてきたように衰えることを忘れたモンスターのように混雑の激しさを増し続ける首都圏の通勤路線で活躍していたのと同時に、西の大都市で…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・猛威を振るう台風、その後に残ったものは【4】

台風というのはほんとうに容赦がない。 またある別の日、横須賀線の逗子駅から連絡があった。逗子駅といえば、三浦半島にある駅で、夏になれば海岸に遊びに行く人たちで賑わう駅だ。そんな駅に貨物列車?と思われる方も多いと思う。 そりゃあそうだ。逗子駅…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【21】

首都圏の国鉄形の牙城・南武線と鶴見線を走ったカナリアイエロー【後編】 1987年に国鉄が民営化され、JR東日本に引き継がれた南武線と鶴見線は、それまで冷遇されていたのが大きく改善に向かい始めます。 いつまでも都心部で使い古された中古車で、それも冷…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【20】

首都圏の国鉄形の牙城・南武線と鶴見線を走ったカナリアイエロー【前編】 首都圏を走った黄色の103系電車で、もう一つ語らなければならないのが南武線と鶴見線でしょう。 南武線は神奈川県の川崎駅から東京都の立川駅を南北に結ぶ通勤路線ですが、もともとは…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・過酷な猛暑の鉄路【後編】

過酷な猛暑の鉄路【後編】 こうして一時間ほどでレールの交換が終わると、レールの幅、つまりゲージが規定の1067mmになっているか、専用の計測器・・・といっても、細かい精密機器ではなくすぐに幅が規定以内に収まっているかがわかる比較的簡易なもの・・・をつか…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【19】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【後編】 こうして、201系電車と205系電車で、残った101系電車を淘汰することにしたのです。 101系電車が去った後は、黄色に塗られた103系電車と201系電車と黄色い帯を締めたステンレス車の2…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・過酷な猛暑の鉄路【中編】

過酷な猛暑の鉄路【中編】 夏になれば気温も上がってしまう。当然、気温も上がるのだが、1994年は全国的な猛暑で、とにかく線路はほかよりも暑くて仕方がなかった。 あまりにも気温が上がりすぎると、鉄の性質でレールが伸びてしまうこともあるから、施設の…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【18】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【前編】 「まぁるい緑の山手線~真ん中とおるはは中央線~♪」という歌は、関東にお住まいの方なら一度は聞いたことがあると思います。家電量販店のヨドバシカメラのCMソングですが、この歌…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・過酷な猛暑の鉄路【前編】

過酷な猛暑の鉄路【前編】 これを書いている2018年の夏は、これまでに経験したことのない記録的な猛暑の日が続いている。 連日の気温は35℃以上はあたりまえで、30℃を下回った日なんか片手で足りるくらいだ。埼玉県の熊谷で、過去最高の41.1℃を記録した日なん…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【4】

3.莫大な復旧費用と長期化する復旧期間 鉄道線路が自然災害で大きな被害を被り、長期にわたり列車の運転を休止を余儀なくされるケースがたびたび見られるようになりました。 長期にわたって列車の運転を休止に追い込まれる原因はいくつかありますが、共通…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【17】

激しさを増す混雑 103系電車史上最長の15両編成へ 首都圏の混雑はとどまることを知らず、通勤ラッシュの混雑は年々激しさを増す一方でした。 国鉄も「五方面作戦」を展開して、混雑の緩和を目指して輸送力の増強に取り組み、東海道線と横須賀線の分離運転や…

豪雨災害で物流の寸断が続く山陽本線、貨物列車の迂回運転実施へ

平成30年7月豪雨から早くも1か月が経ちました。 この災害でお亡くなりになられた方に、改めてご冥福をお祈りいたします。また、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。 さて、この豪雨で日本の大動脈でも…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【3】

この稿の前回までは blog.railroad-traveler.info 2.鉄道の公共性と自力維持の原則 鉄道はいろいろなところを走っています。 鉄道路線は大きく分けて次の3つに分類できるでしょう。 ①大都市圏内を走る通勤通学輸送を支える路線 ②大都市と地方都市を結ぶ都…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【16】

東京湾岸を走り抜けたスカイブルーの電車 埼京線と同じように、国鉄の終わり頃に開業したもう一つの通勤路線がありました。 今日では東京駅から千葉県を結ぶバイパス路線としての役割を担う京葉線がそれです。 京葉線はもともとは貨物線として計画・建設され…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【2】

1.鉄道を構成する施設は古いものが多い これら自然災害による鉄道施設の被害の原因の一つとして考えられるのは、一言でいうのであれば「施設が非常に古い、あるいは抜本的な更新がなされていない」ということです。 これはどういうことなのでしょうか。 鉄…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・電話が通じない!信号機器が動かない! その正体とは【前編】

電話が通じない!信号機器が動かない! その正体とは【前編】 電気区の仕事というのは、日常の検査だけではなく修繕もとにかく多かった。 特に貨物駅にある施設の多くは老朽化が進んでいて、管理をする側にとっては苦労も多い。その理由は、国鉄時代、貨物は…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【15】

山手線を追われた車両たちの行く末 数多くの103系電車がつくられ、首都圏や京阪神の通勤路線を中心に通勤通学でたくさんのお客さんを乗せて走り続けましたが、国鉄の分割民営化が目前に迫った頃には、後継となる最新鋭の通勤型電車の登場によって、山手線や…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【1】

自然の猛威の前に、人間の力は無力であることを思い知らせることは多々あります。もちろん、こうした災害が起きないことが一番なのですが、地球という「生き物」に住んでいる限り逃れることはできません。 いつ起きるか予測がつかない自信はその代表例でしょ…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・関西のうぐいす色

「うぐいす色」の電車といえば、関東育ちの私にとって山手線のこと。 いや、山手線だけではなく横浜線もそうだったし、埼京線や川越線、八高線もうぐいす色だった。 ちょっと変わったところでは、国鉄時代のコンテナもこの「うぐいす色」だ。

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・何でもやります! まさに電気屋さん【後編】

何でもやります! まさに電気屋さん【後編】 電話がかかってきて、蛍光灯の在庫がなくなったと連絡を受けると、それを届けるのも電気区の仕事だった。 そんなことまでしていたの?と驚かれる方も多いと思う。 実際、私も驚いた。 ある日先輩から「ナベちゃん…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【14】

交流王国・九州に103系電車現る 首都圏や京阪神では新しい車両の登場で置き換えが進んでいる頃、新たな103系電車たちがつくられることになりました。 国鉄も終わりが近づきつつある1982年に、直流の通勤形電車とは無縁とも思えた九州で走ることになりました…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・国鉄色のEF64

ついこの間までごく日常的に見られたこの色も、いつしか「更新色」と呼ばれる色に占められていました。 その更新色から再び国鉄直流機標準色を身に纏い、遠く愛知からお出ましのEF64 1023に運良く出会い、ついつい若い頃のことを思い出します。 続々登場する…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・何でもやります! まさに電気屋さん【前編】

◆何でもやります! まさに電気屋さん 信号設備のように鉄道マンならではなの仕事もあるが、一見するとこれも鉄道マンの仕事なの?と思えるようなことも仕事のうちだった。 ある日、庁舎の電灯がつかなくなってしまった。 最初は球切れかな?と思い、新しい蛍…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【13】

民営化後も続く都落ち 103系電車はスピードを落とす時に走るために取り付けてあるモーターをブレーキにします。モーターをブレーキにする?と思われる方も多いのではないでしょうか。 ブレーキというと車輪をブレーキパッドで挟み込んで速度を落とすところを…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて(12)

歴史は繰り返す・・・後継の新型車両に追われて 1970年代の終わり頃から叫ばれてきた国鉄の経営再建は、分割民営化という形で行われることが現実味を帯びてきた1980年代のはじめから半ば、103系電車が最初の仕事場にした主要路線に新たな通勤形電車が登場しまし…