旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR北海道

海峡下の電機の系譜【Ⅴ】 北の要衝・津軽海峡を貫く青函トンネル(4)

6.青函トンネル前史 6-5 青函トンネルの建設 一隻の犠牲者としては、国内で今なお最大である1155名の犠牲者を出した、洞爺丸事故は国鉄だけではなく、日本中を震撼させるとともに、あのタイタニック号に次ぐ惨事に世界中も衝撃を受けました。 天候で運航…

この1枚から 雪中での連結作業・電化直前の石狩当別駅

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2020年4月23日に、まるで新型コロナウイルスに追われるようにして、当初の予定を繰り上げて一部区間(北海道医療大学-新十津川)廃線になった札沼線。あまりにもあっけなく繰り上げ廃線になり…

さらば札沼線末端区間【7】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

百合が原-あいの里教育大 百合が原駅から再び直線となって、列車は北へと向かっていく。線路の両側には一戸建ての住宅が整然と建ち並んでいるが、右側には住宅の奥に雪が積もって一面真っ白な土地が広がっている。冬季は当然、農作業はできないか雪が積もる…

さらば札沼線末端区間【6】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新琴似-百合が原(2) 一度改札口にいってみあると、なるほど改札の外にはいすが並べられていて、列車の到着を寒い思いをすることなく待つことができる。しかも、自動改札機の真上には、到着する列車の行き先と発車時刻を知らせる液晶モニターがあり、さら…

この1枚から 三つの時代を走り続ける旧型客車・国鉄オハフ33

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 近年、静態保存されていた蒸気機関車を再整備して、動態保存という形で復活する例が多くなりました。つい最近では、京都・梅小路にある京都鉄道博物館に収蔵されていたD51・200号機が復元整備さ…

さらば札沼線末端区間【5】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新琴似-百合が原(1) 列車から降りると、あいの里公園行き下り列車のキハ201系気動車は、エンジンを響かせ屋根の排気筒から微かに黒い煙を噴き上げながら、新琴似駅のホームをあとにしていく。筆者はそれを見送ってからホームを見ると、いままでにない光…

さらば札沼線末端区間【4】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

桑園-新琴似(2) 下手稲通りと呼ばれる県道をオーバーパスすると、列車は八軒駅に到着する。 八軒駅は相対式2面2線で、およそ地方交通線の非電化区間の駅とは思えない、都会的な造りの駅だ。しかも、桑園駅は函館本線と並走しているので高架駅であるこ…

さらば札沼線末端区間【3】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

桑園-新琴似(1) 札幌駅を発車すると、函館本線と同じ高架線上を走っていくことになる。複々線になっているように見えるが、実際には函館本線が複線で、札沼線は単線になっている。函館本線の上り本線と下り本線の間に長い引き上げ線が設けられているので…

さらば札沼線末端区間【2】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

その1 札幌-桑園(2) 札沼線の起点は、路線名称からも分かるとおり札幌駅である。札幌駅に降り立つのは、実にこれで4度目だ。前回は2008年の冬と夏で、その前は2005年と2004年だった。秋から冬に北海道を訪れることが多く、どういうわけか夏などの季節…

さらば札沼線末端区間【1】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新型コロナウイルスの感染拡大は、日に日に収束とは真逆の方向へとひた走り続けています。4月16日の夜には、緊急事態宣言が全都道府県に広がりました。新たな感染者の増加と、犠牲者をこれ以上出さないための重要な措置です。 それは北海道でも同様でした…

消えゆく「国鉄形」 極寒・北の大地を駆け抜けたディーゼル特急

2018年のダイヤ改正まで残すところ2日になりました。 ダイヤ改正の度に、列車の増発や運転時間の見直しなど、利用者のニーズに合わせたダイヤになるようにするとともに、できるだけ効率のよい運用ができるように、各社のダイヤ担当者は苦心しているようです。…

夜行列車の考察 ~商品価値を重視した対北海道列車~ その1

青函トンネル開通が夜行列車の大きな転機に 「商品としての価値」を失った対九州方面の夜行列車。 1970年代に設計・製造された老朽化が進行し、サービス水準も陳腐化していく車両で、高い運賃とあまりにも長い所要時間で、他の交通機関から利用者を奪われつ…