旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR東日本

1月第4週のふりかえり

皆さまこんばんは。いつも拙筆のブログ「旅メモ」をお読みいただき、ありがとうございます。 1月も後半に入り、寒さの厳しい日が続くようになりました。この冬は暖冬かも?なんて思ってもいましたが、そんな期待は見事に裏切られて冷える日が多くなりました…

JR東日本が山手線の自動運転化を進める訳とは【2】

5.なぜ、山手線で自動運転を進めようとしているのか いよいよ本題に入ってきました。 前にもお話ししたように、自動運転を導入することで、運転士を乗務させる必要がなくなってきます。よしんば乗務させたとしても、彼らに車掌業務を担わせることで、車掌の…

1月第3週のふりかえり

こんばんは。いつも拙筆のブログ「旅メモ」をお読みいただき、ありがとうございます。 1月だというのに、私の住んでいる地域では日中の最高気温が10℃を超える日が続いて、真冬の寒さからは遠のいています。まあ、過ごしやすいのはありがたいのですが、こう…

距離は短くても走る経路は遠回り 甲種車両輸送列車・相鉄12000系電車の場合

すっかり年の瀬になってしまいました。 2018年も残すところあと僅か。毎年のことですが、1年は本当にあっという間に終わってしまい、「こんなに早かったかな?」と思います。そして新しい年が明けるごとに「歳も取ってしまう」という現実に、思わず溜め息を…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【30】

21世紀近くになって得た新たな仕事場【1】 いよいよ、103系電車のお話も終わりが近づいてきました。 大都市圏の通勤輸送に対応し、経済性を優先させた性能で設計された103系電車は、当初のの予定通り多くの通勤路線で活躍しました。その基本設計は21世紀に…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【27】

浪速の中心を回り続けたオレンジバーミリオン【2】 101系電車よりも後につくられたとはいえ、103系電車とて1960年代の設計なので老朽化はもちろん、接客設備の陳腐化も否めませんでした。対抗する私鉄は続々と新車をつくっては走らせるので、性能も接客設備…

走り抜ける「昭和の鉄道」 ラッシュ時の切り札と伝統を守って・京急800形(Ⅰ)

「ハマの赤いあんちくしょう」と呼ばれる京急電車。その線路の幅、すなわち軌間(ゲージ)1435mmという広さであることに由来する安定感を武器に、住宅街すれすれの線路でもスピードを出して走り抜けます。 かつては国鉄時代から今日はJR東日本と速さ、快適さ…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【23】

大阪湾に沿って紀州路へとつないだスカイブルーの103系【後編】 阪和線の103系電車は、1987年の国鉄の分割民営化までは大きな変化もなく、大阪と和歌山の間を行き来する仕事を続けました。 ところが、JR西日本に替わった翌年の1988年には、205系電車がやって…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・猛威を振るう台風、その後に残ったものは【4】

台風というのはほんとうに容赦がない。 またある別の日、横須賀線の逗子駅から連絡があった。逗子駅といえば、三浦半島にある駅で、夏になれば海岸に遊びに行く人たちで賑わう駅だ。そんな駅に貨物列車?と思われる方も多いと思う。 そりゃあそうだ。逗子駅…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【21】

首都圏の国鉄形の牙城・南武線と鶴見線を走ったカナリアイエロー【後編】 1987年に国鉄が民営化され、JR東日本に引き継がれた南武線と鶴見線は、それまで冷遇されていたのが大きく改善に向かい始めます。 いつまでも都心部で使い古された中古車で、それも冷…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【19】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【後編】 こうして、201系電車と205系電車で、残った101系電車を淘汰することにしたのです。 101系電車が去った後は、黄色に塗られた103系電車と201系電車と黄色い帯を締めたステンレス車の2…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【18】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【前編】 「まぁるい緑の山手線~真ん中とおるはは中央線~♪」という歌は、関東にお住まいの方なら一度は聞いたことがあると思います。家電量販店のヨドバシカメラのCMソングですが、この歌…

自然災害による鉄道への影響 被害はなぜ大きく、復旧に時間がかかるのか【4】

3.莫大な復旧費用と長期化する復旧期間 鉄道線路が自然災害で大きな被害を被り、長期にわたり列車の運転を休止を余儀なくされるケースがたびたび見られるようになりました。 長期にわたって列車の運転を休止に追い込まれる原因はいくつかありますが、共通…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【17】

激しさを増す混雑 103系電車史上最長の15両編成へ 首都圏の混雑はとどまることを知らず、通勤ラッシュの混雑は年々激しさを増す一方でした。 国鉄も「五方面作戦」を展開して、混雑の緩和を目指して輸送力の増強に取り組み、東海道線と横須賀線の分離運転や…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【16】

東京湾岸を走り抜けたスカイブルーの電車 埼京線と同じように、国鉄の終わり頃に開業したもう一つの通勤路線がありました。 今日では東京駅から千葉県を結ぶバイパス路線としての役割を担う京葉線がそれです。 京葉線はもともとは貨物線として計画・建設され…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【15】

山手線を追われた車両たちの行く末 数多くの103系電車がつくられ、首都圏や京阪神の通勤路線を中心に通勤通学でたくさんのお客さんを乗せて走り続けましたが、国鉄の分割民営化が目前に迫った頃には、後継となる最新鋭の通勤型電車の登場によって、山手線や…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【13】

民営化後も続く都落ち 103系電車はスピードを落とす時に走るために取り付けてあるモーターをブレーキにします。モーターをブレーキにする?と思われる方も多いのではないでしょうか。 ブレーキというと車輪をブレーキパッドで挟み込んで速度を落とすところを…

豪雨災害で運転見合わせの貨物列車、山陰本線で迂回運転を計画 ~その課題と解決策を考える~

はじめに 運転再開の見込みは? どのような影響があるのか JR貨物が迂回運転を計画 しかし・・・ (1)迂回運転を計画している路線の問題 (2)車両の問題 (3)乗務員の問題 早期の運転を目指して 終わりに はじめに 2018年6が28日から7月8日頃にかけて起き…

消えゆく「国鉄形」 目立つことなく縁の下を支えた「山男」たち【後編】

分割民営化で79両中68両が貨物会社へ、残りは旅客会社へ引き継がれました。 やはり、貨物列車がその仕事の中心で、国鉄時代と変わらずコンテナ貨物列車や、首都圏から信州への石油輸送列車を牽き続けます。こうした仕事は、後継のEH200形電機機関車が登場す…

消えゆく「国鉄形」 首都圏から去って行く湘南色

3月17日のダイヤ改正で去りゆく車両たちの中でも、この電車を知る人は多いのではないでしょうか。 ほんの少し前まで、東海道本線でも見かけた濃緑色と橙色のツートンカラーの電車。湘南色と呼ばれる塗装で、多くの人には「かぼちゃ電車」という名前で呼ばれ…

使い方によってはお得に旅ができる! JRのフリーきっぷ

今日はとても暖かい日でした。いよいよ三寒四温に入ったようで、日に日に暖かい日が増えてきますね。 こんな過ごしやすい陽気の休日は、ちょっとふらりとお出かけ~なんてのもいいかもしれません。行き先を決めずに、駅から列車に乗って、それから行き先を考…

シリーズ「駅弁の旅」 東海道本線大船駅・鯵の押し寿司

またまたやってまいりましたこのコーナー「駅弁の旅」。 我ながらよくも続いているな~と感心します(;´Д`) さて、今回ご紹介するのは東海道本線大船駅の「鯵の押し寿司」です。 鯵の押し寿司は関東から九州にかけての郷土料理で、今回ご紹介する大船駅を拠…

またも電車の窓が割れる事故 その背景について考える

2月10日15時過ぎに、JR東海道本線・川崎-品川間を走行中の普通列車の窓ガラスが割れたという事故(事件)が発生したというニュースがありました。 www.asahi.com 普通列車といえども、高速で走行する列車の窓ガラスが割れるというのは、一つ間違えば大きな…

信越線・大雪で車内に430人閉じ込めたまま15時間立ち往生 その背景について考える 

身を切るような寒さが続きます。2018年が明けて、日本列島は猛烈な寒波が襲来。関東から東海の太平洋側を除いて、軒並み大雪に見舞われているようで、テレビのニュースや情報番組でも大雪と寒波の話題が取り上げられています。 そんな中、新潟の信越本線では…

夜行列車の考察 ~商品価値を重視した対北海道列車~ その1

青函トンネル開通が夜行列車の大きな転機に 「商品としての価値」を失った対九州方面の夜行列車。 1970年代に設計・製造された老朽化が進行し、サービス水準も陳腐化していく車両で、高い運賃とあまりにも長い所要時間で、他の交通機関から利用者を奪われつ…

夜行列車の考察 ~なぜ、JRは積極策に出なかったのか~

一般に、利用者離れが始まると、利用者を取り戻そうと様々な「改善」を行うのがサービス業をだけではなく、鉄道会社などの運輸業でもすることだろう。会社は利潤を生み出すことで成り立っているから、収益が減ればそれに対して増収につながる方策をとるのが…

新幹線のさらなる高速化とその必要性は?

先日、JR東日本から次期新幹線試験車両「ALFA-X」と名付けられたE956形の製作と、その試験内容などが発表された。 trafficnews.jp toyokeizai.net 技術は常に進化を続けている。鉄道もその点では同じだ。現在、東北新幹線で運転されているE5系やE6系は、2005…