今週のお題「読書の秋」
11月も半ばを過ぎてすっかり涼しく・・・いえ、寒くなってきました。
これだけ気温も下がると、読書をするのにも集中しやすくていいものです。
読書といえば、もう30年近く昔のこと。高校時代に夢中になって読み込んだ小説がありました。
初めのうちは西村京太郎さんのトラベルミステリーに夢中になっていましたが、それがいつしかジャンルも変わって海外の大河小説へと変わっていきます。
そんな中で出会ったのがこちらの本。
通学で利用していた駅の前にある本屋さんで何となく手にしたのですが、中身がもの凄く濃くて、最初の1、2ページを読んで引き込まれたのでした。
いまや絶版となってしまったこの本。
物語は第二次大戦直後のアメリカで、陸軍の航空部門だった航空軍(U.S.Army Air Forc)が独立して空軍となったことから始まります。そして、ここを舞台にして5人の男たちとその家族を中心にした群像劇でもありました。
そして、この本はとにかく長く、上巻だけではなく中巻と下巻もありました。
もちろん、お小遣いを注ぎ込んで一気に三冊を購入。
その日の晩から夢中になって読み出し、通学途中の電車の中はもちろん読んでいました。
そして、学校に着くといったんは読むのと止めますが、授業中、どうしても続きが気になり出しました。
でも、授業中ですので読むわけにはいきません。
それでも、気になって気になってどうしようもなくなってしまいました。
そして本の誘惑は私をある行動へと導きます。
興味・関心のない授業の時間、とうとう私は教科書の上にこの小説を乗せて、教科書を見ているふりをしながら、授業中に小説を読むというとんでもないことをしたのでした。
いま考えるととんでもないことです。いえ、それを通り越して恥ずかしいやら、みっともないやら・・・それがいまは授業をする立場の仕事をしているのですから、まったくもって苦笑いしか出ません。
でも、それだけ夢中にさせられたんです。
いい本に出会うと、何度でも読みたくなります。時間も忘れるほど読み込んでしまいます。
この時の私にとって、この小説はそんな出会いだったのかも知れません。
以来、これ以上に夢中にさせてくれる本はなかなか出会いませんでした。
もしかすると、本との出会いも、男女の出会いと同じように巡り合わせなのかも知れません。
ちなみにこの本、いまもなお私の書棚にあります。中は焼けてしまい、紙の色も変わってしまいましたが、ずっと手元に置いてある本の一つです。