旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

この1枚から 知らずに撮ったとはいえ・・・阪急3100系

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 いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 「知らぬが仏」とは昔からよくいったものですが、知らず知らずのうちに貴重な車両を撮影していたことを知ると、ちょっと得した気分になるものです。

 筆者(私)の場合、関西の私鉄には縁遠いものなので、残念ながらあまり詳しい方ではありません。まあ、それでも阪急電鉄阪神電鉄のごくごく限られた路線や車両に興味をもったこともありますが、若い頃はよほどでなければ見向きもしませんでした。

 齢を重ねていくうちに、趣味の幅を広げようと関西の私鉄にも興味を向けるようになり、いまから8年ほど前に訪れた阪急今津線での旅は興味深いものでした。

 そんな中で宝塚駅で何となく撮影した写真がこちらです。

 

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 宝塚駅で折り返して、西宮北口への発車を待つシーン。一見すると、あの独特の艶をもつ阪急マルーンの車体に、お馴染みの全面なので何の変哲もありません。が、全面の貫通路に大きく書かれた車両の番号は「3105」。

 最近になって阪急電車の話題も記事に書こうと、時間を見つけて調べていると、なんとまあ、既に引退していった古豪3100系でした。

 1964年に製造が始められた宝塚線用の複電圧車でした。かつては架線電圧が600Vでしたが、年々増加する輸送量に対応し速達性を増すためには、架線電圧を上げる必要があったのです。

 詳しいことはいずれ書く別稿に譲りますが、阪急でも古豪でもあった3100系は、50年以上も活躍して2018年に最後の編成が廃車になり、形式消滅しました。

 車両は古くても、その時代に合わせた改造や更新を受けて、常に色褪せないサービスを提供するのはなかなか難儀なこと。関東の私鉄と違って、関西の私鉄は製造から廃車までの期間が長いのが特徴の一つだと感じていますが、それはそれで各社の事情がそうせざる得なかった面もあるのでしょう。

 そんな大切に扱われてきた3100系に、若い女性の車掌が乗務するという後継もまた、時代の変化を感じさせてくれます。かつて、鉄道は男性の仕事と思われていました。それは、女性の労働に関する法的制約によるもので、如何ともし難いものがあったのでした。

 今日ではそのような障壁もなくなり、こうして男性にはできないソフトなイメージとサービスを提供しつつ、運転保安要員としての重要な役割を担っている姿に感心してしまいます。

 そのように感じるのは、かくいう筆者は平成に入社したとしても、結局は国鉄から看板を架け替えた程度の、昭和の時代をプンプンとさせていた時代の感覚なのかも知れません。

 

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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#阪急電鉄 #傑作車 #消えた車両 #阪急3100系 #今津線