旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

この1枚から 朱地のナンバーは九州出身の証

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 いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 ちょっと前までは当たり前のように見かけたものが、気付かないうちに姿を消してしまい、既に過去帳入りしていたなんてことがあります。

 鉄道車両、特に「国鉄形」と呼ばれる国鉄から継承したものは特にそうで、2000年代までは比較的よく見かけていましたが、2010年代に入ると急速にその数を減らし始めました。さらに2020年代に入るとそれは顕著になり、車齢40年以上ともなれば早期に置き換えたいのは鉄道事業者としては当然でしょう。

 とはいえ、JR東日本のように財政基盤が潤沢で、金にモノをいわせんばかりに短期間で大量の車両を新型車に置き換えるというのは稀なこと。多くは財政的な事情から全てをいっぺんに置き換えることが叶わないので、状態の芳しくない車両から置き換えていく方法をとるのが一般的でした。

 こうした事情もあって、2010年代にはまだ数多くの国鉄形が存在していたのですが、JR貨物の機関車は特にそうした傾向が強かったので、新鶴見に行けば国鉄形の機関車もたくさん見ることができました。

 JR貨物の機関車の中でも、DE10は筆者にとって特に好きな機関車です。というよりは、思い入れがある機関車といってもいいでしょう。鉄道マンになって、生まれて初めて「動いている機関車」に乗ったのがDE10で、福岡貨物ターミナル駅で入換仕業に就く機関車に添乗し、貨車の入換を学んだ事を思い出します。

 中でも印象に残っているのは「突放」で、数両のコキ車をDE10が推進運転で勢いよく加速をすると、機関士はノッチオフとブレーキ操作による急制動を同時に行い、コキ車は機関車から放たれて惰性で走っていきます。その時、DE10のボンネット内に収められた巨大なDML61ZBエンジンは、急激なノッチオフで「ドヒョヒョヒョーッ」という独特の音を轟かせていたのです。

 JR貨物は数多くのDE10を継承しましたが、その多くは貨物駅での入換用と非電化区間での小規模な貨物列車の運転用でした。ほぼ同形の機関車に、重入換用として開発されたDE11があり、貨物駅での入換用であればこちらの方が適していると思われますが、DE11はどちらかというと少数形式で、まとまった数を継承する必要があったことや、複数形式を保有することはコストもかかるため、JR貨物にはDE10が継承されたと考えられます。

 

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DE10 1553【新】 2011年5月4日 新鶴見機関区

 

 ところで、DE10のような国鉄ディーゼル機関車は、全検出場直後のピカピカの姿もいいですが、ルーバーや排気煙突が汚れている方がディーゼル機らしいと感じるのは筆者だけでしょうか。

 いかにも走り込んでいますといったその姿に、過酷な仕事をこなしている貨物機らしさが漂っています。もっとも、しっかり洗車さえしてもらえていれば、このように「薄汚れた」姿にはなりませんが、例え洗っていたとしても入換仕業は加速と制動が激しく繰り返されるので、飛び散った制輪子の粉を浴び続けるので、赤茶けた汚れだけは如何ともし難いものがあるでしょう。

 写真に写るDE10 1553号機も、そうした貨物機らしい薄汚れた姿でした。国鉄色を身に纏っていたたので、なおさらその汚れが強調されているかのようにも感じます。が、これはこれで国鉄ディーゼル機らしく好きな姿でした。

 ボンネットに備えられた前灯の間にあるナンバー部分は、通常なら白帯となるところを、1553号機は白帯を省略して朱4号になっています。この部分の塗装で、DE10が九州からやって来たことがわかります。

 国鉄末期、塗装工程の合理化の一環として、小倉工場で全検を受けたディーゼル機は、写真の1553号機のように白帯を省略したのでした。民営化後もこの塗装は引き継がれ、晩年までこの姿を維持していた1553号機は、その出自をしっかりと伝えていたように感じられ、九州を振り出しに鉄道マンとしての人生を歩んだ(といっても、すでに退職していますが)筆者にとっては、どこか「同郷の友」といった感情をもったものです。

 1553号機は1972年に日本車輌で落成し、早岐機関区に新製配置されました。その後、香椎機関区に異動し、1986年には貨物会社への継承を前提として品川機関区へ配置転換。1987年には品川配置で貨物会社に継承されました。品川機関区の廃止移転に伴い川崎機関区に配置換えとなり、新鶴見機関区川崎派出へと変えた後も配置はそのままでした。大きな異動は九州から関東へやって来たときぐらいで、大きな異動が少ない機関車でした。

 この写真を撮影したのは2011年5月のこと。015年に1553号機が廃車になったことを知ったときは、1972年製とちょうど筆者と同じ歳だったので、己の歳を感じざるを得ませんでした。

 

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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#DE10 #JR貨物 #国鉄形 #ディーゼル機関車