《前回からのつづき》
2025年現在、国鉄が新会社の負担にならないようにと遺していった、新性能1M方式電車である123系は、山口県を走る宇部・小野田線に集中配置されて、今なお現役で走り続けています。
装いもJR西日本の検修の合理化施策に沿って、濃黄色の瀬戸内統一色と呼ばれる塗装を施されて、同じく国鉄が遺していった地方ローカル線向けの通勤形電車である105系とともに、今もなお地域の貴重な足止しての役割を担い続けています。
一趣味者としては、この国鉄形電車をいつまでも残して走り続けてほしいと願いますが、それも難しいというのが現実というものです。
改造から既に30年以上が経ち、種車となったクモニ143形として新製されてから、既に40年以上が経っています。当然、老朽化も進んでいることは言うまでもなく、古いシステムである抵抗制御式でのため、補修用の予備部品の確保もままならなくなる日は直前まで来ているといえます。
それでもなお、現役で活躍をし続けている理由は、紛れもなく1両編成単位での運用を可能にした数少ない電車であるため、後継となる車両が開発され量産化に漕ぎ着ければ、”老兵”でもある123系は間違いなく今の仕事を明け渡し、走り慣れた鉄路から去っていくのは間違いないでしょう。

郵便荷物車や荷物車を改造することで製作された123系は、厳しい財政事情の中で国鉄がローカル線の近代化を進めるために、できうる限りの努力をしたことの一つであるといえる。JR東日本とJR東海に継承された車両は既に置き換えられて姿を消したが、JR西日本に継承されたクモハ123-2~6の5両は、2025年現在も宇部線・小野田線で活躍を続けている。種車の製造から既に40年以上、もうまもなく50年が経とうとしているが、後継車への置換えの話はまだない。しかし古参車であることには変わりなく、加えてVVVFインバータ制御が標準となった今日では、抵抗制御の車両は非常に少なく、貴重であるといえる。しかし、この旧式化した車両を維持管理する検修の現場では、部品の確保など様々な苦労があることは想像に難くない。そうした意味で、後継車両が登場するのは時間の問題だが、かつて、日本に鉄道による郵便・荷物輸送があり、これに使われる車両は特異な構造であったことを伝える貴重な存在だといえるだろう。(出典:写真AC)
現実として、宇部線・小野田線の輸送量に見合った車両はこれまでほとんどありませんでしたが、同じ西日本にある一畑電車が1両編成で運用できる7000系電車を導入しています。JR西日本の多くの電車に採用されている0.5M方式を採用し、制御方式もVVVFインバータ制御を搭載し、車体も軽量ステンレス鋼を使うなど、保守の合理化をはじめ運用コストの軽減に配慮されています。
こうしたローカル線での運用に最適化された車両の開発は、123系の後継になっても不思議ではありません。加えてJR西日本の車両設計思想が導入されていることは、逆に言えばこのような車両そのものを導入して、古参となった123系を置き換えることも可能だといえるでしょう。
国鉄の分割民営化が確実となりながらも、既に莫大な債務を抱えた厳しすぎる財政事情の中、地方ローカル線に残存していた旧形国電を置き換えるべく、郵便荷物車や牽引車といった新製時の使い道そのものが廃止なって仕事が失われた中で、これらを種車として1両編成の単位で運用することができる新性能1M電車は様々な方法で重宝されました。
そうした厳しい経営環境の中で、極力改造にかかるコストを抑えつつ、旅客車として生まれ変わることでローカル線を第二活躍の場にしたことは、これらの「余剰車」という烙印を押された車両たちにとってある意味では幸運だったことでしょう。そして、地域の鉄道輸送を支え続けたことは、大きな功績であったといえるのです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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