《前回からのつづき》
旅客列車も客車から電車への転換が進められたことなどによって、運用そのものが大幅に減っていたこと、加えて寝台特急列車は汎用性の高いEF65形や、特急貨物列車用に開発された高出力のEF66形がその牽くことで瀬野八での補機を不要としたことから、EF61形200番台とあわせても所要数が十分に足りるとされたからでした。
こうして、たった3両という小所帯でしたが、直流電機としては異例の朱色に塗装されたEF67形は、広島区配置で瀬野八の補機運用に充てられました。そして、1987年の国鉄分割民営化では、配置区はそのままでJR貨物に継承され、引き続き瀬野八を通過する貨物列車の後押しを続けることになりました。
その一方で、同じく後押しの任を続けてきたEF61形200番台の老朽化が問題になり始めました。種車は1960年代初めに製造され、車齢は既に30年に差しかかろうとしていました。EF59形の半世紀には遠く及びませんが、度重なる改造によって車両自体の痛みが進行していたものと考えられます。また、1200トン級の列車には充てられないという制約が、運用を煩雑にするなどデメリットの方が顕在化していたのです。

国鉄の分割民営化によって設立されたJR貨物は、瀬野八越え用の補機としてEF61形200番台とEF67形を継承した。このうちEF61形200番台は既に老朽化も始まっていたことや、1000トン列車を単機で運用する限定運用になっていたため、輸送力の増強を必用とする場面では使い勝手が悪かったこともあり、これを代替する車両が求められていた。しかし、EF67形の種車となったEF60形は既に動態保存機を除いてすべて廃車になっていたため、新たな種車を探さなければならなかった。そこで、白羽の矢が立ったのがEF60形に近いEF65形0番台だった。車体形状もほぼ同じで、歯車比は若干高速寄に設定されているものの、貨物用にも使える汎用機であるので、瀬野八の補機として使うには十分な性能だと考えられたようだ。また、0番台は後継車が登場すれば徐々に廃車になっていく対象であり、経営基盤が脆弱なJR貨物は可能な限り改造コストを抑える必要があるため、手持ちの古いEF65形0番台から3両を選んで広島車で改造することになった。(出典:写真AC)
そこで、民営化によって設立されたJR貨物は、瀬野八用に新たな補機の開発を計画することになります。とはいっても、まったく新しい補機専用機を開発するのはコスト的に見合わないと考えていました。既にこの時期は、1600トン級列車の運行実現に向けて、脅威のハイパワーを誇るEF200形の開発が進められていて、将来、これが実用化されたときには、瀬野八の補機そのものを廃止することも視野に入れていたので、EF67形の増備機として、再び改造によって製作することにしました。
0番台はEF60形からの改造によって製作されたので、当然同じことが考えられましたが、すでにEF60形は国鉄時代に保存用を除いてすべて廃車となって姿を消していました。そこで、同じような性能をもつEF65形0番台を種車として、制御装置を電機子チョッパ制御に換装し、下り回送列車で瀬野八を降りるときにつかう回生ブレーキを装備するなど、0番台と同様の改造を施すことにしました。

EF65形0番台から改造によって製作されたEF67形100番台は、0番台と同様に朱色11号の地色に、前面の飾り帯は黄色のフィルムを貼付して着色、おおよその形状は大きく変わらなかった。ただ、0番台まで実施していた西条駅構内における走行中の解放は、機関車に特殊な装備を必用とするだけでなく、貨車の側にも空気管付密着自連を装着する必要があるため、貨車の汎用的な運用を難しくしていた。そのため、走行中の解放は一部の限定された列車に留め、後はすべて西条駅に運転停車し、通常の連結解放作業をすることにしたため、100番台の2エンド側には通常の自動連結器のままとされ、車体も手を加えられることはなく種車時代の形状をそのまま存置した。一方で、後補機として押し上げるのが役割だったため、連結器には大型の緩衝器が設置された。制御装置は電機子チョッパ制御であったが、101・102号機がサイリスタ素子を使っていたが、これが製造中止になってしまったため、103-105号機はGTO素子を使ったチョッパ制御装置になるなど変化もしている。(©Taisyo at Japanese Wikipedia, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)
1990年から改造されたEF67形100番台は、改造種車としてEF65形0番台の中でも、もっとも最後期に製造された131号機以降の5両が選ばれました。この5両は1970年に製造された車両で、改造時点で車齢はようやく20年に達していたものでした。 そのため、他の0番台と比べれば状態はよい方であり、今後の使用にも耐えられると判断されたと考えられます。加えて、JR貨物はEF65形を更新工事を施して延命を図る方針であったため、同じこれらの工事を施すのであればEF67形に改造しても同じようなものであると考えたと言えるでしょう。
《次回へつづく》
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