♪おいしいシウマイ~♪
というテレビコマーシャルで知っている人も多いと思う、このシウマイ弁当。
実は、「駅弁」だということを知っている人は、意外に少ないのかも知れません。私も仕事の関係で、年に1回以上はこのシウマイ弁当を食べる機会がありますが、その度にこの話題になると多くの同僚がビックリしています。まあ、それだけテレビコマーシャルの印象が大きいという大きいということなのかもしれません。
このシウマイ弁当。やはり横浜の代表的な駅弁であることは確かです。
横浜といえば何を思い浮かべるでしょうか。やはり、横浜港をはじめとした文明開化の港町という印象をもつ方も多いのではないでしょうか。きらびやかで超高層が建ち並ぶなみなとみらい地区や、異国情緒たっぷりの横浜港周辺はまさに横浜の観光スポットです。その中に、やはり外せないのが横浜中華街。華僑の人たちが店を構え、腕を振るう本格中華は格別です。
その中華街がある横浜だからこそ、中華料理でもあるシウマイがお弁当の中に入るのも頷けます。
シウマイ弁当を販売するのは皆さんもご存知の崎陽軒。この崎陽軒は、1908(明治41)年に当時の横浜駅(現在の桜木町駅)の駅構内の売店として営業を始めたのが始まりです。ところが、この当時はお弁当を販売していなかったようです。
シウマイ弁当の誕生は意外にも新しく、第二次世界大戦が終わった直後の1954(昭和29)年とのこと。当時の社長が、横浜駅の名物を作ろうと中華街で販売していたシウマイに目をつけたことから始まったそうです。そして、駅などで販売するために「冷めても美味しいシウマイ」をつくろうと、点心の専門家である華僑の料理人を招聘して試行錯誤の末に完成したのが、現在の崎陽軒のシウマイのルーツだとか。確かに、冷めいても美味しいです。
さて、このシウマイ弁当。駅などで購入するとご覧のパッケージ。手に取って食された方も多いでしょう。目立つ黄色い包み紙に、中華街を連想させる龍の絵が特徴的です。
中身は幕の内弁当の折り詰め。おかずに主役のシウマイが入っています。
ご飯は俵形のご飯にごま塩がかけてあり、梅干しものせてあります。駅弁という形態で販売されるため、基本的には「冷めている」状態で食べるので、少し硬くなるのは避けられません。そこで、食べやすいようにと俵形にしてあるようです。
ごま塩はご飯の味を邪魔しない程度の量で、塩気は控えめです。ご飯はもちもち感たっぷりで、腹持ちがいいようになっています。
やはりメインのおかずは「シウマイ」ですね。シウマイは5個入っています。シウマイにつける醤油と練り辛子も入っています。さすがに冷めても美味しく食べられるように改良されているので、シウマイの味がしっかりと出ています。
そして、シウマイだけではなく、筍の煮付け、唐揚げ、鯖の照り焼きなども。特に鯖の照り焼きは甘さを抑えていて、醤油の味が前面に出てきています。少し塩辛いと感じたときには、筍の煮物に箸を伸ばすとちょうどよく感じるかもしれません。この豊富なおかずは、お弁当を飽きることなく食べられます。
漬物はありませんが、昆布の佃煮と紅生姜が添え物としてついています。このお弁当の箸休めとしてはピッタリです。
駅弁としてはかなりメジャーな「シウマイ弁当」。冷めていても美味しく食べられるというコンセプトで開発しただけあって、温めなくても美味しく食べることができます。そして、なにより腹持ちもいいのが有り難いです。
シウマイ弁当は横浜駅の駅弁ですが、横浜駅以外でも神奈川県下の主要駅はもちろん、神奈川県や東京都、千葉県、埼玉県、静岡県のデパートや駅ビルなどに崎陽軒の売り場があるので比較的手軽に購入できます。変わったところでは、東名高速道路の足柄サービスエリア(上下線ともに)でも買うことができます。