交通インフラシステム
〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info このような費用が補助金には組み入れられてないのであれば、経営が非常に厳しいJR北海道としては早期に駅を廃止し、コストを軽減させる必要性が生まれてくるのも当然でした。 一方、代替となるスクールバス…
〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info そんなJR北海道に「とどめを刺す」ように、それまでは各地に散らばっていた人々は、都市圏へ集中するようになり、沿線の過疎化は進んでいったのでした。そのため、鉄道の利用者は減る一方になり、利用が見込…
いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 膨大な赤字に苦しんだ末、1987年に国鉄が分割民営化されて誕生した会社は、旅客会社6社と貨物会社1社。それに加えて基幹通信網を運営する通信会社と、乗車券類発券システムや貨物輸送システムを…
いつの間に身の回りに溢れるコンピューター制御の物 世の中本当に便利になりました。 その多くは何らかの形でコンピューターを搭載し、きめ細やかな制御がされています。そして、私たちの生活をより豊かにしてくれたり、地球環境に配慮した効率性を生み出し…
事故を起こした真犯人とされるMCAS ボーイング737MAXの墜落事故の原因が、MCASと呼ばれるシステムの不具合であり、さらにそのシステムのソフトウェアによるものだと仮定した場合、非常に危惧するべきものであると考えられます。そして、この手の不具合は、実…
最新鋭機が短期間で立て続けに墜落事故という異常な事態 一度事故が起きると、多くの人がそれまでの平穏な日常を壊され、そして想像を超える不幸に見舞われます。 それが航空機のような大量輸送機関での事故であれば、一度に多くの人の命が失われてしまいま…
6.不足する乗務員をカバーするための自動運転技術 近い将来予想される運転士不足は、少子高齢化に伴う労働生産人口の減少と、国鉄時代からの運転士の大量退職という二つの現象に起因していることはお分かりいただけたと思います。 そもそも、JR東日本とし…
5.なぜ、山手線で自動運転を進めようとしているのか いよいよ本題に入ってきました。 前にもお話ししたように、自動運転を導入することで、運転士を乗務させる必要がなくなってきます。よしんば乗務させたとしても、彼らに車掌業務を担わせることで、車掌の…
「未来の世界では、自動車は人が運転するのでなく、すべての運転操作は自動化されます。人間は何もすることなく、快適で楽に移動ができるようになるでしょう」 1.はじめに 一昔、いえそれよりももっと昔、私が幼少の頃に読んだ「未来の世界」を描いた本には…
5.鉄道の「公共交通機関」としての位置づけと鉄道事業者の負担 このように、鉄道は公共の交通機関と位置づけられてはいるものの、その維持や管理はもちろん、災害による復旧についても鉄道事業者自身によって行われることが原則となっています。 一方、道…
3.莫大な復旧費用と長期化する復旧期間 鉄道線路が自然災害で大きな被害を被り、長期にわたり列車の運転を休止を余儀なくされるケースがたびたび見られるようになりました。 長期にわたって列車の運転を休止に追い込まれる原因はいくつかありますが、共通…
平成30年7月豪雨から早くも1か月が経ちました。 この災害でお亡くなりになられた方に、改めてご冥福をお祈りいたします。また、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りいたします。 さて、この豪雨で日本の大動脈でも…
この稿の前回までは blog.railroad-traveler.info 2.鉄道の公共性と自力維持の原則 鉄道はいろいろなところを走っています。 鉄道路線は大きく分けて次の3つに分類できるでしょう。 ①大都市圏内を走る通勤通学輸送を支える路線 ②大都市と地方都市を結ぶ都…
1.鉄道を構成する施設は古いものが多い これら自然災害による鉄道施設の被害の原因の一つとして考えられるのは、一言でいうのであれば「施設が非常に古い、あるいは抜本的な更新がなされていない」ということです。 これはどういうことなのでしょうか。 鉄…
自然の猛威の前に、人間の力は無力であることを思い知らせることは多々あります。もちろん、こうした災害が起きないことが一番なのですが、地球という「生き物」に住んでいる限り逃れることはできません。 いつ起きるか予測がつかない自信はその代表例でしょ…
はじめに 運転再開の見込みは? どのような影響があるのか JR貨物が迂回運転を計画 しかし・・・ (1)迂回運転を計画している路線の問題 (2)車両の問題 (3)乗務員の問題 早期の運転を目指して 終わりに はじめに 2018年6が28日から7月8日頃にかけて起き…
終わりに…「安全神話」などは存在しない ここまで長々と「のぞみ34号」台車折損事故について、筆者の経験などをもとに考察し、提言を書いてきました。 最後に新幹線の安全輸送を語る上で述べておきたいことは、「安全神話」などは存在しないということです。…
(4)事故調査結果を将来の安全につなげる【後編】 しかしながら日本では、JTSBの調査資料を刑事訴追の証拠としたり、時には調査官を承認として法廷に呼び出した事例があります。 1997年に起きた日本航空MD-11型機駿河湾上空乱高下事故では、機長の過失責任…
(4)事故調査結果を将来の安全につなげる 今回の重大インシデントの発生を受けて、国の運輸安全委員会が事故調査に乗り出しているのは、既に報道などで多くの方がご存知のことだと思います。 運輸安全委員会(JTSB)は国土交通省の外局で、航空機や鉄道、船…
(3)根幹を支える職員を自社の責任で育成する このように安全輸送を守るためには、現場に携わる職員の存在が必要不可欠であり、こうした職員には実践で培った経験と技術が重要であることは、これまでにも何度も述べてきました。 しかし、近年、多くの鉄道…
(2)現場を熟知したプロを活かす 現場で十分な経験を積み、知識と技術などを習得したプロフェッショナルは、間違いなく安全輸送になくてはならない存在であることは確かです。こうした職員が現場で若手を育てることはもちろん重要な仕事であるといえます。…
今回の重大インシデントでは、輸送指令の判断ミスも原因の一つと考えられています。しかし、指令業務に携わる職員の低年齢化も、現場に携わる中堅・ベテラン職員から懸念する声も聞きました。 前回までは blog.railroad-traveler.info 国鉄からJRへ移行した…
3.人事システムの見直し この項立ては、コラムを書き始めた当初は書くかどうか非常に迷ったところです。というのも、人事というものは経営的な観点も必要なことで、筆者(私)自身は職がどんなに変わっても現場で働き続けることに拘っているので、こうした…
2.列車無線システムの見直し 前回までは・・・ 列車の運転中に事故など異常事態が起きた時に、現場の乗務員などと輸送指令が連絡を取り合う手段として、現代の鉄道のほとんどで列車無線が整備されています。 もともとは常磐線で起きた三河島事故を契機に整備…
91.社員の教育体系の根本的な見直し【2】 今回の重大インシデントではコミュケーション不足を指摘しました。その指摘の中で、コミュニケーション能力を開発する訓練に航空業界で用いられるCRM(Crew Resource Management)プログラムを取り入れることが考…
最後に、今回のように一歩間違えれば台車枠折損による脱線事故、最悪は脱線転覆事故を起こす可能性があった重大インシデントを二度と起こさないための対策について提言したいと思います。 現在、重大インシデントについては国の運輸安全委員会が事故調査中で…
2.否めない技術の「劣化」【2】 次に車両の検査についても考察していきます。 鉄道車両は一定の周期または期間ごとに所定の検査をすることが義務づけられています。中でも自動車の車検に相当する「全般検査」は車両を部品単位にまで分解し検査をする、文…
2月10日15時過ぎに、JR東海道本線・川崎-品川間を走行中の普通列車の窓ガラスが割れたという事故(事件)が発生したというニュースがありました。 www.asahi.com 普通列車といえども、高速で走行する列車の窓ガラスが割れるというのは、一つ間違えば大きな…
結論から申し上げよう。 21世紀に入り20年近くが経とうという時代にあって、夜行列車の需要はあるかといえば、その結論は「ある」と言うことができる。ただし、そこには一定の条件がついてくる。 それは、国鉄時代から連綿と続けられてきた形態の夜行列車で…
身を切るような寒さが続きます。2018年が明けて、日本列島は猛烈な寒波が襲来。関東から東海の太平洋側を除いて、軒並み大雪に見舞われているようで、テレビのニュースや情報番組でも大雪と寒波の話題が取り上げられています。 そんな中、新潟の信越本線では…