旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

気動車

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【終章】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ■21世紀に入ってもなお現役のDMH17 国鉄、私鉄問わず広く採用されたDMH17ですが、最後に新製されたのは小湊鐵道のキハ200でした。1977年に製造されたキハ213・214がそれで、国内向け気動車としてDMH17搭載…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【8】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ■最後のキハ58系 房総へ渡ったキハ28 2634(つづき) 国鉄・JR時代はあまり注目されることのない地味な存在でしたが、全国に数多くいた僚機が次々に姿を消し、キハ58系として数少ない存在担った頃から注目…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【7】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ■最後のキハ58系 房総へ渡ったキハ28 2634(つづき) キハ28 2346は、1964年に帝国車両でキハ28 346として落成、4月15日付で米子機関区に新製配置されたものの、5月24日付で新潟機関区へ配転になり、さら…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【6】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ■最後のキハ58系 房総へ渡ったキハ28 2634(つづき) 健康被害を及ぼすアスベストを多用したキハ58系は、車両の検修に携わる職員だけでなく、乗務員や乗客にも健康に悪影響を及ぼすとされ、可能な限り新系…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【5】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ■最後のキハ58系 房総へ渡ったキハ28 2634 DMH17系エンジンを搭載した気動車は、キハ10系に始まりキハ20系、準急形として製造されたキハ55系、さらに急行形であるキハ58系とその派生型、さらには特急形の…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■急行形気動車の決定版キハ58系 キハ58系もまた、DMH17を採用しました。というよりは、ほかに使えるエンジンがありませんでした。しかし、キハ58系は急行用として運用することが前提であるため、キハ55系…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■国鉄の悲願 初の実用ディーゼルエンジンDMH17 DMH17の実用化は、国鉄にとって悲願ともいっても差し支えないと考えられます。年々老朽化していく蒸機の置き換えと、動力近代化による無鉛化の推進は、国鉄…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■ガソリンカーの悲劇から生み出されたDMH17 ガソリンエンジンであるGMH17を搭載したキハ42000は、1935年から62両が製作されました。車体は空気抵抗の軽減と、当時の流行を取り入れた流線型の前面をもちま…

さらばキハ28 DMH17系エンジンの終焉【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2023年に入って早くも1月が終わりに近づきつつあります。時が経つのは本当に早いものですが、齢を重ねるとその時間の経ち方は、若い頃に比べて本当に早く感じてしまうものです。それは、きっと…

この1枚から 延命工事で面目一新したキハ47【2】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ところが、山陽新幹線は東海道新幹線と直通で運転されていますが、その環境は全く異なるものといっていいでしょう。岡山や広島、小倉、博多と大都市を結んではいますが、大阪対山陽・九州と大阪対東京では…

この1枚から 延命工事で面目一新したキハ47【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 前回に続いて今回もキハ40系のお話です。 国鉄から各旅客会社が継承した気動車の中で、最も数が多かったのがキハ40系でした。1977年から1982年にかけて888両という大量に製造された一般形気動車…

この1枚から キハ40系史上、最強クラスのエンジンで化けたキハ40 400番代【3】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 札沼線もまた、そのような路線の一つでした。いえ、正確には札沼線は札幌都市圏を走る札幌ー石狩当別間はそれなりの需要があります。しかし、末端区間と呼ばれる石狩当別ー新十津川間は極端に利用者が少な…

この1枚から キハ40系史上、最強クラスのエンジンで化けたキハ40 400番代【2】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 一方、全国各地に配置されたキハ40系の中で、最も北にある北海道に配置された車両たちは、本州のそれとは少しばかり異なりました。冬季は本州とは比べものにならないくらい厳しい寒さで、しかも積雪量も多…

この1枚から キハ40系史上、最強クラスのエンジンで化けたキハ40 400番代【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 もとはあまりにも平凡であるなどの理由で注目されなかったのが、ちょっと手を加えただけで非凡なものへと生まれ変わり、多くの注目を浴びるようになったという例があります。 国鉄が生み出した…

この1枚から 房総半島が気動車王国であったことを物語った久留里線のキハ30【終章】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 民営化後は大きな変化もなく、木更津支区のキハ30は久留里線を走り続けました。とはいえ、久留里線の沿線には宅地開発された地域がそれほどなく、特に久留里駅から上総亀山へかけては山間部を走るため、特…

この1枚から 房総半島が気動車王国であったことを物語った久留里線のキハ30【2】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 房総半島の、とりわけ内房線の電化が比較的遅かった理由の一つとして、君津市の鹿野山にある国土地理院鹿野山測地観測所の存在があったと考えられます。鹿野山の測地観測所では、地磁気の観測を行っていま…

この1枚から 房総半島が気動車王国であったことを物語った久留里線のキハ30【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 首都圏のJR線は、今でこそそのほとんどが電化されたり、あるいは蓄電池車に置き換えられたりしましたが、国鉄が分割民営化された1987年には非電化のままだった路線がいくつかありました。 例え…

この1枚から "平成生まれ"の焼きタラコ

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 かつて財政事情が火の車だった国鉄は、様々な経費節減策を行っていました。その一つに、車両の塗装を簡略化するというもので、特に気動車は朱色とクリーム色の二色塗りから、朱色一色の「首都圏…

この1枚から 酷寒の大地で鉄道輸送を支えた立役者

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 北海道の冬は本州以南と比べものにならないほど過酷な環境であることは、このブログでも何度かお話しさせて頂いております。北海道の中心都市である札幌でも、冬になれば雪に覆われ、しかも街中…

この1枚から かつて、国鉄に「準急」があった

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 列車に乗って遠くへ出かけようとするとき、どのような列車を選びますか。恐らく、多く場合は新幹線だと思われます。いえ、今となっては、長距離を鉄道で移動するとなると新幹線を選ぶことが多い…

この1枚から 夕刻、雪の中を走り去る

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今年の8月も終わりが近づきつつありますが、関東は連日猛暑で吹く風は「暖かい」ではなく「熱風」そのものです。ですが、天気予報を観ていると、関東よりも西の地域の方が日中の最高気温は高く…

この1枚から 古(いにしえ)の特急列車の座席

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道を使って旅に出ると、普段は乗ることができない車両に乗り、車内を観察することが楽しみの一つでした。特に都会に生まれ育った筆者にとって、ロングシートではない車両を宛がった列車に乗る…

この1枚から 国鉄の置き土産~キハ31~

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 1987年の国鉄分割民営化は、鉄道開通以来100年以上の歴史の中で、日本の鉄道システムの大転換期といえました。それまでよく言えば伝統的、悪く言えば硬直化していた鉄道は、地域輸送をあまり重…

この1枚から 白煙をたなびかせながら房総の山へと去りゆく気動車

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 ローカル線と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。 海沿いの小さな漁港の傍らを走る列車や、広大な田畑の中を疾走する列車など、思い浮かべる光景や列車は人それぞれだと思います。 都会に生まれ…

この1枚から コロナ移動自粛解除・緑深まる夷隅に映える黄色い気動車

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が解除されてから、間もなく1か月が経とうとしています。この間も、ニュースでは東京都で感染者が増えたとか、世界中ではさらに増加してい…