旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

国鉄形車両

今週の1枚 クハ205‐88〔横ナハ〕

205系は国鉄初のオールステンレス通勤電車として登場し、省エネ性能を評価されJR東日本で再生産された。南武線にも101系置換え用として新製配置され、クハ205-88を含むナハ4編成は地域輸送を担ったが、2009年の感電事故で一時離脱。山手線のユニット組み込み…

今週の1枚 クモハ115-310〔八トタ〕

筆者が勤務した電気区派出は中央本線の八王子や南橋本などを担当し、特に八王子では貨物施設が多く日々多様な業務に携わった。勾配が続く高尾以西では115系が活躍し、山電として親しまれたが2015年に姿を消滅。2026年のダイヤ改正で立川・八王子発着も廃止さ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【6】

《前回からのつづき》 もっとも、415系は主に関門トンネル区間を注したとした運用が多かったので、かつてのような中距離を走る列車に充てられることも少なくなっていました。そうした運用は転換クロスシートを備えた後継である811系や813系などが担っていた…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【5】

《前回からのつづき》 下関で折り返しの一時を過ごす415系Fm110編成。行先幕はJR九州独特の文字が小さめのものであるとともに、「普通」や「快速」といった列車種別ではなく、行先そのものを表示している。山陽本線のほとんどはJR西日本が継承したが、下関ー…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 国鉄は旅客輸送を機関車牽引の客車列車から、関門トンネルのために付替えが不要な電車へ置き換えることを計画していました。交直流両用の電車であれば、関門トンネルを介して双方を行き来する列車は、わざ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 関門トンネルは開業当初から直流1500V電化されていました。当時、山陽本線は西明石までしか電化されておらず、蒸機が主役として列車を牽いていました。 しかし、約3.6kmもの長さがあり、下り線で20パーミ…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 本州の最西端である下関と九州の玄関口となる門司を隔てる関門海峡は、西は日本海に通じる響灘を、東は瀬戸内海、さらには太平洋へと至ることのできる周防灘の間にあり、海上交通にとっては日本海側と太平…

九州415系の終焉と世代交代 在りし日の415系Fm110編成から【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 つい最近、常磐線で運用されてきていたJR東日本のE501系がJR九州へ譲渡されたという報道がありました。E501系はその名が示す通り交直流両用の通勤形電車で、国鉄時代にはなかったカテゴリーの電…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【18】

国鉄末期、余剰となった郵便・牽引車が、1M方式という異色の構造で旅客車へと再生された――123系。改造から30年以上、老朽化と部品枯渇の波にさらされながらも、山口の地で今なお現役を貫く。瀬戸内色に染まり、地域の足として走り続けるその姿は、国鉄が遺し…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【17】

国鉄の牽引車が、民営化の波に飲まれながらも旅客車として再生された――クモハ123形600番台。冷房化、ワンマン化、幌付き貫通扉…度重なる改造を経て、富士の麓を黙々と走り続けた。静かなる功労車は、20年の時を経て、誰にも知られずその使命を終えた。だが、…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【16】

クモハ123形600番台は、牽引車クモヤ145形を種車として1988年にJR東海が改造・登場させた1M方式旅客車です。主電動機はMT46形を再利用し、発電・抑速ブレーキは未装備。検査体制の合理化とコスト削減を目的に、編成単位での運用管理へ移行した結果、牽引車の…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【10】

《前回からのつづき》 広島工場でクモハ123形の2〜4号車が改造が進められていたのと時を同じくして、もう2両のクモニ143形が吹田工場で旅客車化の改造が進められていました。この2両は落成後に5・6号車となりますが、1〜4号車が種車の構造をすべて改めて旅客…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【9】

《前回からのつづき》 クモハ123-1が長野工場で落成した同じ頃、広島工場(後のJR貨物広島車両所)では同じくクモニ143形を旅客車へ改造する工事が進められていました。クモニ143形の2~4号車の3両が、長野工場で進められたクモハ123形への改造を受けていた…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【8】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info クモハ123形の走行に必要な機器は、種車のクモニ143形のものを活用しました。 主制御器は電動カム軸式のCS44形で、この制御器は力行時に直列11段、並列13段、弱め界磁4段の計28段、発電ブレーキ20段の回路…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【6】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 長らく続けられてきた、鉄道による郵便・荷物輸送は、1980年代に入ると合理化の対象になっていきました。手小荷物輸送は、1970年代終わり頃に始まった宅配便に押されてしまい、輸送量は減少の一途を辿って…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【7】

《前回からのつづき》 長らく中央本線は塩尻峠を避けて南に遠回りするルートを走ってきましたが、辰野回りのルートは川沿いを走るためカーブも多く、列車は速度の制限を受けながら走らざるを得ませんでした。 しかし、線形が悪く速度制限が多くあるというこ…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【5】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 1980年代に入ると、これまで何度もお話してきたように、国鉄が抱える巨額の債務が社会問題となっていきました。国家予算に近い巨額な債務は、文字通り国鉄の財政事情は火の車となっていて、これを解消する…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 国鉄は、自らが所有する荷物車や郵便荷物車は、新性能電車の登場で余剰化した72系を改造することで賄いました。旧性能電車であれば、もともとが1Mシステムであるので、用途に合った車体に載せ替え設備を整…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 旧形国電時代のように、電動車1両単位でも運用できる新性能電車、いわゆる1M電車は、国鉄時代は長らくつくられることはありませんでした。 その理由として、1M電車を運用する線区が限られていたことです。…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 新性能化されるより前の浜川崎支線では、17級旧形国電のクモハ11形+クハ16形の2両編成が充てられていました。旧形国電は電動車1両で運用ができるので、Mc+Tcの1M1T、MT比は1:1だったため、ある意味では…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 「魔改造?」出自が変わり種で国鉄最初で最後の1M方式旅客電車・123系【1】

国鉄形の電車というと、どのような車両を思い浮かべるでしょうか。 最近まで活躍していた特急形の381系や185系もあれば、今なお走り続けている近郊形の113系や115系も挙げる方もいることでしょう。いずれも国鉄が設計した車両らしく、電装品をはじめ車体に至…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 私鉄車両に迫ったアルミ車体とチョッパ制御車・203系【13】

203系は国鉄の苦境の中で生まれ、民営化の波を越えてJR東日本に継承された“置き土産”だった。電機子チョッパ制御とアルミ車体という新機軸を導入し、営団の要請に応えた技術者たちの誇り。2011年、最後のマト55編成が退き、29年の歴史に幕を下ろす。交換部品…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 私鉄車両に迫ったアルミ車体とチョッパ制御車・203系【10】

203系は、快適性と省エネ性能を両立した通勤形電車として誕生。暖色系の内装、冷房装置AU75G形、そして乗客に優しい座席配置――すべては“新しい国鉄”を印象づけるためだった。しかし、財政難の国鉄にとって高価なチョッパ制御とアルミ車体は重荷となり、1985…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 私鉄車両に迫ったアルミ車体とチョッパ制御車・203系【7】

地下鉄の過酷な環境に挑むため、国鉄は203系を開発。高回転・高出力のMT60形主電動機とCH1A形チョッパ制御装置を搭載し、加速性能を重視した歯車比で地下鉄仕様に最適化。回生ブレーキの強化、軽量台車の工夫、そしてアルミ車体による軽量化――203系は、技術…

国鉄の置き土産~新会社に遺していった最後の国鉄形~ 私鉄車両に迫ったアルミ車体とチョッパ制御車・203系【2】

戦後の首都圏では通勤混雑が深刻化し、国鉄は「通勤五方面作戦」で抜本的な輸送力強化に挑んだ。吊り掛け駆動の旧型車両から新性能電車への転換、複々線化や地下新線の建設により、中央・総武・常磐線などで快速と各停を分離。千代田線の開業も含め、通勤地…

国鉄の置き土産〜新会社へ遺産として遺した最後の国鉄形〜 極限までコストを抑えつつローカル輸送に特化した改造近郊形電車 413系・717系電車【6】

《前回からのつづき》 JR九州が発足した後、継続して改造製作されたHk205編成以降は、僅かに仕様が変えられました。戸袋窓を廃止し、室内の座席もクロスシートを減少させてロングシートを多くしました。保守の簡略化と客室の収容人数を増加させることで、運…

国鉄の置き土産〜新会社へ遺産として遺した最後の国鉄形〜 極限までコストを抑えつつローカル輸送に特化した改造近郊形電車 413系・717系電車【5】

国鉄末期の財政難の中、地域輸送を支えるために生まれた413系・717系電車。これらの電車は、余剰となった急行形電車を改造し、新製コストを抑えつつも、地域の実情に合わせた輸送力を持つ車両として設計されました。413系は北陸本線で、717系は東北本線と九…

国鉄の置き土産〜新会社へ遺産として遺した最後の国鉄形〜 極限までコストを抑えつつローカル輸送に特化した改造近郊形電車 413系・717系電車【4】

国鉄末期の財政難の中、地域輸送を支えるために生まれた413系・717系電車。これらの電車は、余剰となった急行形電車を改造し、新製コストを抑えつつも、地域の実情に合わせた輸送力を持つ車両として設計されました。413系は北陸本線で、717系は東北本線と九…

国鉄の置き土産〜新会社へ遺産として遺した最後の国鉄形〜 極限までコストを抑えつつローカル輸送に特化した改造近郊形電車 413系・717系電車【3】

国鉄末期の財政難の中、地域輸送を支えるために生まれた413系・717系電車。これらの電車は、余剰となった急行形電車を改造し、新製コストを抑えつつも、地域の実情に合わせた輸送力を持つ車両として設計されました。413系は北陸本線で、717系は東北本線と九…

国鉄の置き土産〜新会社へ遺産として遺した最後の国鉄形〜 極限までコストを抑えつつローカル輸送に特化した改造近郊形電車 413系・717系電車【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 413・717系は台車も種車のものを再利用しています。インダイレクトマウント空気ばね台車のDT32/TR69系を装着し、近郊形電車のほとんどが金属コイルばねを使ったDT21/TR62系を装着していたので、種車のも…