旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鉄道マン時代の回想録 独り立ち・八王子機関区構内トロリー線交換工事【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 最後にこのシリーズを書いたのは、もう3年ほど前、それも新型コロナウイルスが国外で流行りだした頃でした。あの頃は、まさか世界中が未曾有のパンデミックに見舞われるなど微塵も考えたことは…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【10】終章

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■首都圏対北海道の寝台特急に新たな風を吹き込んだE26系 カハフE26 国鉄時代から分割民営化後、長きに渡って青色の塗装を身にまとった客車が長距離夜行特急列車、いわゆる寝台特急として運用されてきまし…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【9】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■電化区間でパンタグラフからの給電を再び スハ25 300番代 24系に限らず、客車の電源車は電化区間においては電化方式に、そして非電化区間に左右されることなく客車に電源を供給する役割を担っていました…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【8】

《前回からのつづき》 ■余剰車の荷物車から転身した異色の電源車 マニ24 500番代 1987年の国鉄分割民営化から魔もない翌年の1988年、四半世紀強の長い時間と難工事の末に青函トンネルが開通し、この年から開業した津軽海峡線によって本州と北海道は鉄道で結…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【7】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■増備車は荷物室をさらに拡大 カニ24 100番代 24系25形は二段式寝台を備えたことから、居住性が従来の寝台車と比べて格段に改善されたことが好評だったようで、分割併合を伴う多層建て列車を除いて、三段…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【6】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■24系登場と同時に製作されたマヤ24、0,5トンの荷物室を追加したカヤ24 1873年に24系の製造がはじまると同時に、電源車として登場したのがマヤ24でした。マヤ24には直列6気筒・排気量31リットル・インター…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【5】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■急行格下げで郵便荷物車との併結を可能にしたカヤ21 14系や24系といった新しい系列の客車が登場すると、20系は陳腐化が目立つようになりました。14系や24系はB寝台でも寝台幅700mmに広げられ、従来のB寝…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■分割編成に使われた旧型客車改造の簡易電源車 マヤ20 登場当時は国鉄の「虎の子」ともいえた20系は、徐々にその数を増やしていき、東京−九州間の寝台特急をはじめ、関西−九州間の寝台特急などにも使われ…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■パンタグラフを装備した電源車 カニ22 国鉄客車の電源車と言えば、ディーゼルエンジン+発電機を組み合わせた発電セットを搭載した車両というのが定番でした。しかし、ディーゼルエンジンを稼働させるた…

役割は地味だけど「花形」の存在だった電源車たち【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 1958年に登場した20系客車は、それまでの国鉄客車の常識を大きく覆すものでした。 もっとも大きな違いは、従来は客車1両単位で運用することを前提とした設計思想であったのに対し、20系は編成単位で運用す…