旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車 郵便物は令和の時代も鉄道で運ばれている【2】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2020年最後の投稿は、昨日のつづき「郵便物は令和の時代も鉄道で運ばれている」です。 〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info 鉄道による郵便輸送の休止(実質には廃止)されたもう一…

1年間のご愛読、ありがとうございました。

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2020年も残すところ、あと僅かとなりました。 1月に年が明けて、2020年という年は東京オリパラが催される「オリンピックイヤー」になり、賑やかさと慌ただしさに包まれる一年になるであろうと想…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車 郵便物は令和の時代も鉄道で運ばれている【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 もうすぐ2020年も終わりを迎えようとしています。年が明けたときには、まさかここまで混乱に満ちた1年になろうとは誰が想像したでしょうか。確かに年明け頃には「新型ウイルスによる道の肺炎」…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 時代に翻弄され短命に終わったタンクピギー・クキ1000【3】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info タンクピギーはこれまで何度も述べてきたように、慢性的な渋滞により埼玉県などの内陸部への輸送が困難となっていたことと、バブル景気により物流が盛んになったため、トラックドライバーが不足していたこと…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 時代に翻弄され短命に終わったタンクピギー・クキ1000【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info 「タンクピギー」の構想はJR貨物ではなく、石油類では最大の顧客でああった日本石油(当時、後にニッセ三菱→新日本石油→JX日鉱日石→ENEOS)によるものでした。*1日本石油は需要の拡大によって、大量の石油類…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 時代に翻弄され短命に終わったタンクピギー・クキ1000【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 いまでこそ、鉄道による貨物輸送はコンテナによるものが主流になりましたが、かつては様々な方法で運ぶことが考えられていました。例えば、国鉄時代は運ぶ物に合わせて貨車を設計するという方法…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 自動車産業の発展に貢献・ク5000【3】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info しかし、1973年になると鉄道による自動車輸送は大きく変化しました。 1972年には「アロー号」が1日25本も運転され、全国共通運用体制も整えられて多数のク5000が全国各地に新車を届け、年間79万台もの自動…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 自動車産業の発展に貢献・ク5000【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 開発当初は電化区間のみで運用することを想定していたため、カバーを掛ける計画はなかったようです。これは、蒸気機関車が吐き出す煤煙が新車である積荷にかかる心配がなかったためですが、実際には電化区…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 自動車産業の発展に貢献・ク5000【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道で貨物を運ぶと一言に言っても、運ぶ物によっては様々な苦労があります。中でも、物資別適合車と呼ばれる貨車たちは、顧客である荷主と託送される貨物によって、手持ちの貨車やコンテナで済…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 超低床のパイオニア・コキ70【後編】

◆超低床の魁は輝くことなく消えていった・コキ70【後編】 〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info コンテナの容積が増えれば、それだけ積むことのできる貨物も多くなり、中には寸法の関係でコンテナに載せることのできなかった貨物も、コンテナの大…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 超低床のパイオニア・コキ70

◆はじめに 鉄道開通以来、貨物輸送といえば有蓋車や無蓋車など、貨車1両単位で貨物を載せて運ぶことが主たる方法でした。それは、戦時中も変わらず続けられ、終戦後も高度経済成長期には物流を支える主役でもあったのです。 中には生活に直結するものも運ん…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【14】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info (12)終わりに 1981年に国鉄から、東海道・伊東線用の新型特急用車両として、185系が登場するというアナウンスがあったとき、いったいどのような車両なのかと子供心にワクワクしたものでした。鉄道趣味誌で…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【13】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info (11)大きな転換、そして終幕へ 1983年に185系が登場し、新製配置されたのが田町電車区でした。田町と品川の間に設置されていた車両基地群のうちの一つで、列車に乗っていると幾重にも敷かれた留置線などに…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【12】

前回のつづきより 10−3 まだまだある、多彩な運用をこなした185系 東海道の185系もさることながら、東北・高崎・上越各線の185系もまた、多彩な運用に就きました。 すでに述べたように、「新幹線リレー号」としての役目を終えた185系200番代は、新たに設…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【11】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info 10−2 当時としては画期的だった、定員着席サービスの通勤列車「湘南ライナー」 少子高齢化の波は容赦なく押し寄せ、これまで鉄道にとってあたりまえともいえた通勤通学利用者の定期収入によるビジネスモデ…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【10】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info (10)多彩な列車に充てられた185系 国鉄も末期になった1981年に登場した185系は、0番代は急行「伊豆」と特急「あまぎ」を統合し、特急「踊り子」としての運用に就いていきました。その間合いでは、153系が…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【9】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info (8)リニューアルで面目を保った185系 民営化によりJR東日本に引き継がれた185系は、当初はそのまま大きく手を加えることなく使われ続けました。特に、民営化直後はいくら首都圏という「ドル箱」を抱えてい…