旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

国鉄

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【8】

まずは試作車として、DE11 1900番代がつくられます。 試作車ですので、つくられた数はたったの1両でした。 DE11 1901は外観こそほかのDE11形と同じでしたが、内部の機構には少し手が加えられました。エンジンから出ている排気管は、通常は長いボンネットに取…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【7】

大規模操車場の重入換作業に特化した性能を与えられたDE11形は、その開発の目的通り全国各地の操車場に送られ、くる日もくる日も何十両も連なる重い貨車たちを押し上げたり、列車として組成できたものは仕訳線から引っ張り出す仕事をこなしていました。 私が…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【6】

1960年代といえば高度経済成長期の真っ只中でした。 第二次世界大戦によって、日本の経済や産業は言葉通りボロボロの状態だったのが、様々な要因が重なって好景気が続きました。戦争の空襲で国土も焼かれた日本は、世界も驚くほどの早さで復興し、しかも経済…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【5】

ハンプ押上の真打ちDE11形の登場と操車場での仕事 DE11形は1967年から量産されると、さっそく大規模操車場における貨車の入換作業に就くため、隣接する機関区へと配置されます。最初に配置されたのは、首都圏でも指折りの操車場で、日本の三大操車場の一つで…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【4】

こうして重入換用機の試作機であるDE10 900番代が操車場で仕事を始めてみると、DE10形とくらべて重い貨車を連ねてハンプを押し上げる作業を難なくこなすことができました。 いくら緩いとはいえ重量の嵩む貨車を坂道で押し上げるというのは過酷な仕事で、こう…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【3】

DD13形より力強い、ディーゼル機関車の決定版DE10形の登場 DD51形の成功をみた国鉄は、DD51形用に開発されたエンジンを活用したあらたな機関車の開発に着手しました。操車場や駅、運転区所などでの車両の入れ換えや、線路構造が幹線に比べて構造的に弱いロー…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【2】

DD13形には排気量31リットルの直列6気筒エンジンであるDMF31形を2基装備していました。このエンジンは最大出力を370PSを出すことができました。 しかし、当時つくられていたバス用のエンジンが、同じ直列6気筒、排気量8.5リットルで最大出力が160PSという性…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【1】

人は生まれながらの運命(さだめ)がある・・・なんてドラマでの台詞を耳にすることがあります。まあ、人生を最初から決められてしまってはたまったものではありませんが、鉄道車両となると事情は少し異なってきます。 設計・開発する当初から花形となる特急列…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【31】

21世紀近くになって得た新たな仕事場【2】 一方、JR西日本にとって、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災は大きな転機の一つになったといえるでしょう。この震災で山陽本線は不通になり、寝台特急列車や貨物列車といった長距離列車の運転にも大きな影響…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【30】

21世紀近くになって得た新たな仕事場【1】 いよいよ、103系電車のお話も終わりが近づいてきました。 大都市圏の通勤輸送に対応し、経済性を優先させた性能で設計された103系電車は、当初のの予定通り多くの通勤路線で活躍しました。その基本設計は21世紀に…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【29】

「うぐいす色」は山手線だけではない 古都を結んだ103系電車【2】 関西圏のうぐいす色の103系電車は、関西線のほかに奈良線でも走りました。いえ、過去形ではなくこの記事を書いている2018年11月現在も、残り僅かとはいえ後進の205系電車とともに古都を結ぶ…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【28】

「うぐいす色」は山手線だけではない 古都を結んだ103系電車【1】 京阪神緩行線や阪和線、そして大阪環状線へと103系電車の新車が続々と送り込まれ、激しさを増すラッシュ輸送を支える存在として走り始めましたが、その後は新車を他の路線へ広がることはあり…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【27】

浪速の中心を回り続けたオレンジバーミリオン【2】 101系電車よりも後につくられたとはいえ、103系電車とて1960年代の設計なので老朽化はもちろん、接客設備の陳腐化も否めませんでした。対抗する私鉄は続々と新車をつくっては走らせるので、性能も接客設備…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【26】

浪速の中心を回り続けたオレンジバーミリオン【1】 関西圏の103系電車はスカイブルーを身に纏ったものばかりではありませんでした。 大阪市の中心部を環状に走る大阪環状線はその成り立ちが非常に複雑で、首都圏の山手線のように国が敷いた鉄道ではありませ…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【25】

西のスカイブルー・京阪神緩行線【後編】 こうした経緯で、京阪神緩行線に103系電車が送り込まれてきたのです。 もともと103系電車は山手線のように、駅と駅の間の距離が短く、頻繁に発車-加速-減速-停車を繰り返す路線向きの性能を備えた車両でした。 京…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【24】

西のスカイブルー・京阪神緩行線【前編】 前回までは blog.railroad-traveler.info 阪和線に次いで関西圏に103系電車が送り込まれたのは、京都~大阪~神戸~西明石を走る普通列車・京阪神緩行線でした。あまり聞き慣れない路線名かもしれません。 一般には…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【23】

大阪湾に沿って紀州路へとつないだスカイブルーの103系【後編】 阪和線の103系電車は、1987年の国鉄の分割民営化までは大きな変化もなく、大阪と和歌山の間を行き来する仕事を続けました。 ところが、JR西日本に替わった翌年の1988年には、205系電車がやって…

走り抜ける「昭和の鉄道」 古き良きものを伝え続ける

生まれてからというもの、都会暮らししか経験のない私にとって、気動車とは本当に縁が薄い存在です。 だからというわけではないでしょうが、気動車の独特の雰囲気についつい惹かれるものがあります。走り出すときの力を振り絞るようなエンジンの音、停車中で…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【22】

大阪湾に沿って紀州路へとつないだスカイブルーの103系【前編】 国鉄の標準通勤形電車となった103系電車は、既にお話ししてきたように衰えることを忘れたモンスターのように混雑の激しさを増し続ける首都圏の通勤路線で活躍していたのと同時に、西の大都市で…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【21】

首都圏の国鉄形の牙城・南武線と鶴見線を走ったカナリアイエロー【後編】 1987年に国鉄が民営化され、JR東日本に引き継がれた南武線と鶴見線は、それまで冷遇されていたのが大きく改善に向かい始めます。 いつまでも都心部で使い古された中古車で、それも冷…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【20】

首都圏の国鉄形の牙城・南武線と鶴見線を走ったカナリアイエロー【前編】 首都圏を走った黄色の103系電車で、もう一つ語らなければならないのが南武線と鶴見線でしょう。 南武線は神奈川県の川崎駅から東京都の立川駅を南北に結ぶ通勤路線ですが、もともとは…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【19】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【後編】 こうして、201系電車と205系電車で、残った101系電車を淘汰することにしたのです。 101系電車が去った後は、黄色に塗られた103系電車と201系電車と黄色い帯を締めたステンレス車の2…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【18】

後輩たちとともに走った中央・総武緩行線(中央・総武線各駅停車)【前編】 「まぁるい緑の山手線~真ん中とおるはは中央線~♪」という歌は、関東にお住まいの方なら一度は聞いたことがあると思います。家電量販店のヨドバシカメラのCMソングですが、この歌…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【17】

激しさを増す混雑 103系電車史上最長の15両編成へ 首都圏の混雑はとどまることを知らず、通勤ラッシュの混雑は年々激しさを増す一方でした。 国鉄も「五方面作戦」を展開して、混雑の緩和を目指して輸送力の増強に取り組み、東海道線と横須賀線の分離運転や…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【16】

東京湾岸を走り抜けたスカイブルーの電車 埼京線と同じように、国鉄の終わり頃に開業したもう一つの通勤路線がありました。 今日では東京駅から千葉県を結ぶバイパス路線としての役割を担う京葉線がそれです。 京葉線はもともとは貨物線として計画・建設され…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【15】

山手線を追われた車両たちの行く末 数多くの103系電車がつくられ、首都圏や京阪神の通勤路線を中心に通勤通学でたくさんのお客さんを乗せて走り続けましたが、国鉄の分割民営化が目前に迫った頃には、後継となる最新鋭の通勤型電車の登場によって、山手線や…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・関西のうぐいす色

「うぐいす色」の電車といえば、関東育ちの私にとって山手線のこと。 いや、山手線だけではなく横浜線もそうだったし、埼京線や川越線、八高線もうぐいす色だった。 ちょっと変わったところでは、国鉄時代のコンテナもこの「うぐいす色」だ。

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【14】

交流王国・九州に103系電車現る 首都圏や京阪神では新しい車両の登場で置き換えが進んでいる頃、新たな103系電車たちがつくられることになりました。 国鉄も終わりが近づきつつある1982年に、直流の通勤形電車とは無縁とも思えた九州で走ることになりました…

消えゆく「国鉄形」 アルバム編・国鉄色のEF64

ついこの間までごく日常的に見られたこの色も、いつしか「更新色」と呼ばれる色に占められていました。 その更新色から再び国鉄直流機標準色を身に纏い、遠く愛知からお出ましのEF64 1023に運良く出会い、ついつい若い頃のことを思い出します。 続々登場する…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【13】

民営化後も続く都落ち 103系電車はスピードを落とす時に走るために取り付けてあるモーターをブレーキにします。モーターをブレーキにする?と思われる方も多いのではないでしょうか。 ブレーキというと車輪をブレーキパッドで挟み込んで速度を落とすところを…