旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR北海道

この1枚から 白羽根は北の大地を駆け抜けた【後編】

前回からの続き blog.railroad-traveler.info 北海道特有の厳しい冬に耐えることができる装備を施した781系は、電気機器の無接点化をはじめ、多くの新機軸が取り入れられた特急形電車でした。 空調装置もその一つ。国鉄の特急形電車は基本的に客室の窓は固定…

この1枚から 白羽根は北の大地を駆け抜けた【前編】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 北海道の鉄道といえば、そのほとんどが非電化なので昔から気動車が跳梁跋扈していました。それは時代が変わっても同じで、一部を除いて国鉄から引き継いだキハ40系が今も主役です。 しかし例外…

この1枚から 酷寒の大地で鉄道輸送を支えた立役者

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 北海道の冬は本州以南と比べものにならないほど過酷な環境であることは、このブログでも何度かお話しさせて頂いております。北海道の中心都市である札幌でも、冬になれば雪に覆われ、しかも街中…

この1枚から 夕刻、雪の中を走り去る

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今年の8月も終わりが近づきつつありますが、関東は連日猛暑で吹く風は「暖かい」ではなく「熱風」そのものです。ですが、天気予報を観ていると、関東よりも西の地域の方が日中の最高気温は高く…

存廃に揺れる北海道の駅 「思い」だけでは維持は難しい理由(2)

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info そんなJR北海道に「とどめを刺す」ように、それまでは各地に散らばっていた人々は、都市圏へ集中するようになり、沿線の過疎化は進んでいったのでした。そのため、鉄道の利用者は減る一方になり、利用が見込…

存廃に揺れる北海道の駅 「思い」だけでは維持は難しい理由(1)

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 膨大な赤字に苦しんだ末、1987年に国鉄が分割民営化されて誕生した会社は、旅客会社6社と貨物会社1社。それに加えて基幹通信網を運営する通信会社と、乗車券類発券システムや貨物輸送システムを…

海峡下の電機の系譜【Ⅷ】 新世代のマンモス機・EH500(1)

9.新世代のマンモス機 9-1 民営化後、第二種鉄道事業者としての課題 1987年の国鉄分割民営化で、多くの電気機関車はJR貨物に継承されました。貨物列車の運転はすべてJR貨物に引き継がれたためで、このことは今さら細かく書く必要はないと思います。 一方…

海峡下の電機の系譜【Ⅶ】 たった1両異端の改造機・ED76 550番代(2)

8.1両だけの改造に終わったED76 550番代 8-3 用途の減少と余剰機の活用で誕生した「異端機」550番代 1987年の国鉄分割民営化後、JR北海道には製造稜数の半数になったとはいえ、16両のED76 500番代が継承されました。国鉄時代に711系が開発・製造されて…

海峡下の電機の系譜【Ⅶ】 たった1両異端の改造機・ED76 550番代(1)

8.1両だけの改造に終わったED76 550番代 8-1 余剰車を活用するということは世の常 世の中には貧乏性であるが故に、ということが多々あると思います。かくいう筆者の場合、一つのものをやたらと長く使ったり、いまは不要でもいつかきっと役立つだろうと溜…

海峡下の電機の系譜【Ⅵ】 国鉄最後の交流電機・ED79(4)

7.国鉄最後の交流電機・青函トンネル専用のED79 7-4 JR貨物初の交流機 ED79 50番代の新製 1980年代の後半は、バブル経済による好景気に見舞われました。不動産売買が極端に盛んになり、地価は高騰を続けるという異常な中、国内の物流もまた好景気で異変…

海峡下の電機の系譜【Ⅵ】 国鉄最後の交流電機・ED79(3)

7.国鉄最後の交流電機・青函トンネル専用のED79 7-3 ED79の配置と運用 こうして、比較的車齢の浅い交流機・ED75 700番代を改造して登場した、海峡線専用機ともいえるED79は、本務機である0番代21両(後期形からの改造)と貨物列車牽引時に連結される補機…

海峡下の電機の系譜【Ⅵ】 国鉄最後の交流電機・ED79(2)

7.国鉄最後の交流電機・青函トンネル専用のED79 7-2 ED79という機関車 青函トンネル専用機として計画されたED79は、既に述べたように新型機として開発・新製するのではなく、既存の車両を改造することによって賄うことになりました。その種車として選ば…

海峡下の電機の系譜【Ⅵ】 国鉄最後の交流電機・ED79(1)

7.国鉄最後の交流電機・青函トンネル専用のED79 7-1 ED79登場の背景 1961年の着工以来、幾度の難工事を乗り越えながらも建設工事が進められ、1984年には青函トンネルの開業は1987年と発表されました。既にこの頃には国鉄が抱える膨大な債務が問題になっ…

海峡下の電機の系譜【Ⅴ】 北の要衝・津軽海峡を貫く青函トンネル(4)

6.青函トンネル前史 6-5 青函トンネルの建設 一隻の犠牲者としては、国内で今なお最大である1155名の犠牲者を出した、洞爺丸事故は国鉄だけではなく、日本中を震撼させるとともに、あのタイタニック号に次ぐ惨事に世界中も衝撃を受けました。 天候で運航…

この1枚から 雪中での連結作業・電化直前の石狩当別駅

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2020年4月23日に、まるで新型コロナウイルスに追われるようにして、当初の予定を繰り上げて一部区間(北海道医療大学-新十津川)廃線になった札沼線。あまりにもあっけなく繰り上げ廃線になり…

さらば札沼線末端区間【7】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

百合が原-あいの里教育大 百合が原駅から再び直線となって、列車は北へと向かっていく。線路の両側には一戸建ての住宅が整然と建ち並んでいるが、右側には住宅の奥に雪が積もって一面真っ白な土地が広がっている。冬季は当然、農作業はできないか雪が積もる…

さらば札沼線末端区間【6】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新琴似-百合が原(2) 一度改札口にいってみあると、なるほど改札の外にはいすが並べられていて、列車の到着を寒い思いをすることなく待つことができる。しかも、自動改札機の真上には、到着する列車の行き先と発車時刻を知らせる液晶モニターがあり、さら…

この1枚から 三つの時代を走り続ける旧型客車・国鉄オハフ33

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 近年、静態保存されていた蒸気機関車を再整備して、動態保存という形で復活する例が多くなりました。つい最近では、京都・梅小路にある京都鉄道博物館に収蔵されていたD51・200号機が復元整備さ…

さらば札沼線末端区間【5】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新琴似-百合が原(1) 列車から降りると、あいの里公園行き下り列車のキハ201系気動車は、エンジンを響かせ屋根の排気筒から微かに黒い煙を噴き上げながら、新琴似駅のホームをあとにしていく。筆者はそれを見送ってからホームを見ると、いままでにない光…

さらば札沼線末端区間【4】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

桑園-新琴似(2) 下手稲通りと呼ばれる県道をオーバーパスすると、列車は八軒駅に到着する。 八軒駅は相対式2面2線で、およそ地方交通線の非電化区間の駅とは思えない、都会的な造りの駅だ。しかも、桑園駅は函館本線と並走しているので高架駅であるこ…

さらば札沼線末端区間【3】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

桑園-新琴似(1) 札幌駅を発車すると、函館本線と同じ高架線上を走っていくことになる。複々線になっているように見えるが、実際には函館本線が複線で、札沼線は単線になっている。函館本線の上り本線と下り本線の間に長い引き上げ線が設けられているので…

さらば札沼線末端区間【2】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

その1 札幌-桑園(2) 札沼線の起点は、路線名称からも分かるとおり札幌駅である。札幌駅に降り立つのは、実にこれで4度目だ。前回は2008年の冬と夏で、その前は2005年と2004年だった。秋から冬に北海道を訪れることが多く、どういうわけか夏などの季節…

さらば札沼線末端区間【1】 《鉄路探訪》かつての「赤字83線」から、都市圏輸送を担う電化路線へと進化する鉄道・札沼線

新型コロナウイルスの感染拡大は、日に日に収束とは真逆の方向へとひた走り続けています。4月16日の夜には、緊急事態宣言が全都道府県に広がりました。新たな感染者の増加と、犠牲者をこれ以上出さないための重要な措置です。 それは北海道でも同様でした…

消えゆく「国鉄形」 極寒・北の大地を駆け抜けたディーゼル特急

2018年のダイヤ改正まで残すところ2日になりました。 ダイヤ改正の度に、列車の増発や運転時間の見直しなど、利用者のニーズに合わせたダイヤになるようにするとともに、できるだけ効率のよい運用ができるように、各社のダイヤ担当者は苦心しているようです。…

夜行列車の考察 ~商品価値を重視した対北海道列車~ その1

青函トンネル開通が夜行列車の大きな転機に 「商品としての価値」を失った対九州方面の夜行列車。 1970年代に設計・製造された老朽化が進行し、サービス水準も陳腐化していく車両で、高い運賃とあまりにも長い所要時間で、他の交通機関から利用者を奪われつ…