旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

気動車の新時代到来を告げたキハ85系【4】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■国鉄分割民営化による鉄道用ディーゼルエンジンの転機 1987年の国鉄分割民営化は、国鉄が脈々と受け継いできたあらゆることに大きな転機をもたらしました。列車の運行形態やサービス面で、利用者の目にわ…

気動車の新時代到来を告げたキハ85系【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■新たな高出力エンジンへの再挑戦 キハ60とDMF31HSAの失敗によって、いましばらくはDMH17系を使い続けることを余儀なくされたかに見えましたが、国鉄は気動車用の強力エンジンを諦めることはなく、さらな…

気動車の新時代到来を告げたキハ85系【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■高出力エンジン開発への挑戦と失敗 国鉄は1960年にキハ60系と呼ばれる準急用気動車を試作しました。 このキハ60系は、国鉄が悲願としていた大出力エンジンの試作車で、車体外観は既に量産されていたキハ5…

気動車の新時代到来を告げたキハ85系【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 気動車というと、鈍重で加速力に乏しく、最高運転速度も電車より低いものだという印象をもっているのは、おそらく国鉄時代に造られた車両を知る筆者と同じ年代の方や、諸先輩方ではないでしょう…

「懐かしの東急8000系ツアー」を満喫 若かりし頃の思い出にも浸って【3】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 初期のオールステンレス車は、コルゲート板と呼ばれる波状の板を重ね付けすることで、強度を保つようになっていました。筆者の年代で、オールステンレス車といえばこのコルゲート版のある車体が当たり前で…

「懐かしの東急8000系ツアー」を満喫 若かりし頃の思い出にも浸って【2】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info いよいよ8000系の撮影会です。 まずは、伊豆高原駅から乗ってきて、留置線に滞泊するTB-2編成。行先幕は白地に黒文字の一般的な「団体」の表示です。 ツアーの添乗員役の伊豆急行の方から、「幕を変えます…

「懐かしの東急8000系ツアー」を満喫 若かりし頃の思い出にも浸って【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 コロナ禍の中で、鉄道事業者は軒並み輸送量が激減したため、営業収入もそれとともに大幅に減少しました。そのことは、大手私鉄やJR本州三社ですら大幅な赤字を計上するなど、鉄道という事業その…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【6】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 伊豆急に移ってきた8000系は、その輸送量から適切な輸送力とするため、4両編成と2両編成に組成・改造がされていました。 実際にうに運用を始めると、4両編成は特に問題はありませんでしたが、2両編成は多…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【5】

《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info 開業当初に用意した100系には、サシ190という車両が存在しました。その形式名が示すように、「食堂車」として分類される車両です。伊豆急のような地方私鉄に、それも路線延長が100kmにも満たないところに…

「懐かしの8000系ツアー」で鉄分補給

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今日は以前から申し込んでいて、10年に一度あるかないかの強運(?)を発揮した成果で、東伊豆まで家族で鉄活に行ってきました。 首都圏からも近いリゾート地でもある伊豆を走る鉄道といえば、…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【4】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 2000年に導入された200系は、長年国鉄とJR東日本で運用され続けてきた「老兵」で、いずれ早い時期には代替が必要とされる車両でした。伊豆急としては、やはり塩害に強いステンレス車体をもった車両が本命…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【3】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 1993年当時、東急にとって8000系は主力となる車両でした。1989年にVVVFインバータ制御という新機軸を導入して新製がはじめられた9000系がありましたが、こちらはまだ増備の途中でした。加えて9000系をもっ…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【2】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 東急(ここでは分社化前の「東急電鉄」ではなく、それ以前の「東京急行電鉄」、今日の「東急」を指します)はグループ企業の中に、鉄道事業を営む会社があります。 その一つに、静岡県の東伊豆沿岸を走る…

赤帯からハワイアンブルーへ 伊豆へ渡ったオールステンレスカー8000系【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 ここ最近では例にない寒さの冬が終わり、ようやく春めいてきました。いえ、春になったかと思えば、いきなり日中の最高気温が20度を超える日もあり、「ちょうどよい季節」というのが短くなったと…