旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

寄り道をしてみよう 大回り乗車券で得をする

 列車を使って遠くへ行こう!と考えたとき、多くの人は最寄りの駅から目的地の駅までの切符を買うことが多いと思います。かくいう私自身も、往復ともに同じルートの切符を買っていました。
 ところが、ちょっと思考を変えてみると意外にもいろいろな所に行くことができて、しかもふつうに買うよりもお得になる方法がありました。

 その方法とは、「大回り乗車券」なのです。
 もちろん、駅の窓口に行って「大回り乗車券をください」と言っても、駅員さんは「???」となり、「そんな切符、ありませんよ」と断られてしまうと思います。実はこれ、普通乗車券なのですが、そのルートの設定の仕方で「大回りき乗車券」になるのです。

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 ここに示したのは、2017年に私自身が旅行に行ったときに購入したもの。自動券売機で購入する近距離切符とは違い、長距離の乗車券なので駅にある「みどりの窓口」で発券されるものです。一見すると、ごくふつうの乗車券です。
 券面を見ると「東京都区内 → 東京都区内」となっています。乗車駅と最終降車駅が同じなので、ぱっと見た感じでは「これはなんだ?」と思われる方が多いのではないでしょうか。
 この切符をよく見ると、経由がずらずらと書かれています。実は、この経由がこの乗車券の「肝」になるところです。
 券面の経由には、「新幹線 金沢 北陸 湖西 新幹線」と印刷されています。これは、

東京→北陸新幹線→金沢→北陸本線湖西線東海道新幹線→東京

 と、解釈するのです。簡単にすると、北陸新幹線で金沢に行き、そこから北陸本線敦賀を経由し、湖西線近江塩津と山科を経由して東海道新幹線で東京へ戻る、ということになります。
 このように、同じ経路を二回以上乗らないという条件をクリアすれば、一筆書き乗車券が完成します。

 話は分かるけど、結構面倒だな~。なんて声も聞こえてきそうですが、金額を見てください。これだけ乗って、この値段です。(この乗車券はR&Rを利用しているので割り引きになっています)

□東京-東海道新幹線-京都 片道8,210円 往復16,420円

□東京-北陸新幹線-金沢-北陸本線湖西線東海道新幹線-東京 12,960円

 どうでしょう?乗車券の値段は約3,000円もの差が出ます。101km以上の乗車券なので、途中下車もできるからあちこちに行くことができます。私の場合、富山で途中下車をして一泊、それから京都へと行きそこでもう一泊しました。同じ旅行をするなら、ちょっと手間をかけて欲張りながらも得をするというのも悪くはありません。

 ただし、今回ご紹介した乗車券には一つ課題(?)があります。
 経由する路線と駅でも太字で書きましたが、切符を買うときに駅員さんに「湖西線で、近江塩津と山科経由」であることを伝えるといいでしょう。切符を発券する端末を操作するときに、スムースに事が運ぶと思います。(それでも、ベテランの駅員さんはこの操作をすることができますが、若い駅員さんだと「大回り乗車」というのをあまりご存じないのか、操作に手間取ることもあります)
 そして、もう一つの課題は、京都で途中下車または京都から東海道新幹線を利用する場合は、山科-京都の往復の普通乗車券を用意しなければなりません。乗車券を用意しなくても、駅の改札で精算もできますが、いずれも340円を支払う必要があります。それでも、3000円の差額を考えると割安になります。

 パッケージツアーにはない、手配旅行ならではの楽しみ方。ちょっと変わったルートを考えて列車で旅をするのも楽しいかもしれません。興味のある方は、ぜひ、一度試してみてください。