いつもお読みいただきありがとうございます。
この記事のタイトルをご覧になって、「あれ?」と思われた方もきっと多いと思います。
もしかすると、「とうとう鉄道会社の回し者になったか!?」とさえ思われたかもしれません。まあ、回し者ではないですが、元は鉄道マンなので回し者以上に厄介かも知れません(笑)
と冗談はさておき、今回は思うところがございまして、このような記事を書かせていただきました。
最近、鉄道を利用して出かけたり、鉄道を目的としたお出かけもしたりする中で、考えさせられたりヒヤッとさせられたりすることが多々ありました。
少々お説教じみた内容になってしまいます。不快に思われる方は読み飛ばしていただいても構いません。
ご興味、関心をお持ちになられたら、最後までお付き合いいただけると嬉しい限りです。
事例1:駆け込み乗車・・・その結果
駅の階段を駆け上がってくるご夫婦がいました。
ホームには列車の発車を告げるサイン音が鳴り響いています。車掌は目視とモニターを見て、乗客の乗降が終わっていることを確認してからドアを閉めるスイッチを操作しました。
もちろん、列車のドアは閉じていきます。
そこへ、先ほどの階段を駆け上がってきたご夫婦のうち、旦那さんだけは車内へと滑り込みましたが、奥様というと・・・ホームに残されたままとなってしまいました。
きっと連れ立ってお出かけをしようとしたのでしょう。ですが、その二人の仲を、列車のドアは容赦なくすっぱりと別けてしまいました。
ご夫婦は苦笑いして、どこかの駅で待ち合わせをしようと、ゼスチャーでコミュニケーション。まあ、それで済んだのですからよいのですが・・・列車のドアは再び開くことなく走り去っていきました。
駆け込み乗車は一歩間違えると、ドアに挟まれたまま列車に引き摺られ、最悪は命を落とす重大事故につながる恐れがあり、非常に危険です。
また、ドアを再び開けると、列車の遅れにもつながります。
え?そんな長い時間じゃないから、言うほど影響ないって?
まあ確かにそう思われるのは仕方ありません。実際に、ドアを再度あける時間は微々たるものです。ですが、それを停車するすべての駅で繰り返せば、塵も積もればで、遅れが累積していきます。
なにより、鉄道の運行は15秒単位(JRの場合)で設定されています。15秒の遅延が、次の駅の到着にも影響し、そこでも15秒の遅延が出れば30秒の遅れ・・・となっていくのです。
駆け込み乗車は本当に危険です。そして、ほかの多くのお客さんにも影響が出ます。発車ベルやサイン音が鳴り出したら、次の列車を利用してください。
事例2:写真を撮りたい気持ちは理解できますが・・・
鉄分を好む方はいろいろといらっしゃいますが、写真を撮る方に是非ともお願いです。
このブログの管理人である筆者も、駅のホームや線路際で写真を撮ることがございます。その際に気を付けているのは、列車の運行を妨げない、身体を危険にさらさない、そして利用するお客さんや付近の住民の方にご迷惑をおかけしないことです(あたりまえですが)。
ところが、最近、残念なことに写真を撮りたい気もちや、自己の満足を優先させるがために、危険な行為やほかの利用者や住民に迷惑をかけ、法令に抵触する行為をする方が多いと聞くに及びます。
ついには鉄道事業者が「お願い」と題するお知らせを配信する始末です。*1
つい最近も、貨物列車を撮影したいがために、駅のホームを全力で走ってきて、周りのことも気にせずカメラを構えている御仁を見かけました。
鉄道は多くの方のためにあります。多くのお客さまは、安全で快適、そして時間に確実な輸送機関として、安心して利用されるものだと思います。
また、そこで働く鉄道マンは、昼夜を問わず、暑い日も寒い日も、晴れている日も雨や雪が降る日も、多くのお客さまやお預かりした貨物を安全に、そして確実に運ぶために努力しています。
一部の趣味者の心ない行為で、列車の運転に遅れが出たり、事故が起きたりしてしまっては、彼らの努力が無になってしまいます。そして、多くのお客さまに迷惑がかかります。
ぜひとも、駅のホームで走ったり、黄色い線の外側に出て撮影をしたりすることは控えるようにしてください。
黄色い線は、一般のお客様にとって高速で進入してくる列車から、十分に安全が保てるように設定された距離です。
また、沿線では絶対に軌道敷へ入ったり、信号柱や踏切警報機、架線柱などといった鉄道施設へ登ったりしない*2でください。
これらの施設へ立ち入る鉄道マンは訓練と教育を受けていますが、それでも一つ間違えれば命を落としてしまいます。実際、多くの諸先輩が命を落とされております。
命を危険にさらす行為であること、そして事故を起こせば多くの人に影響を及ぼすことにつながります。
もちろん、こうした行為も列車の安全輸送と、定時運行の妨げとなります。鉄道がお好きなら、是非とも列車が安心して、安全に走ることができるように協力してください。
今回はやむなく「お説教」じみたお話をさせていただきました。
それだけ、危険なことをされる方をお見かけすることが多かったのです。走る列車の「怖さ」を知っているが故に(それが例え低速で走っていたとしても、車両の質量とエネルギーの法則により、運がよくて腕か足を失いますし、多くの場合は命を失います。そして、それはほぼ原形を留めないでしょう)、看過できなくなってしまったので、こういうお話となりました。
多くの皆さまに、ご理解とご協力をいただけると、元は安全輸送を支えた者として、今なお見守り続けている一人として嬉しい限りです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。