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ローカル線と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。
海沿いの小さな漁港の傍らを走る列車や、広大な田畑の中を疾走する列車など、思い浮かべる光景や列車は人それぞれだと思います。
都会に生まれ育った筆者にとって、ローカル線というと真っ先に思い浮かべるの短い2両編成から3両編成で組まれた気動車列車が、山の中をトコトコと走る光景を思い浮かべます。
電化されていない鉄道ならではの光景で、静かで山々に囲まれた駅を発車するとき、ディーゼルエンジンが唸る音を響かせ、周囲には軽油を燃やした匂いを撒き散らしながら、ゆっくりと走り去っていく。そんな気動車の姿が「ああ、ローカル線だなあ」と想起させてくれるのです。
房総半島はかつては「気動車王国」とも呼ばれたようで、現在の内房線や外房線、総武本線も非電化だったとか。戦後になり、高度経済成長期に入ると社会の要請からか、これらの路線も電化されてしまいました。
こうした中にあって、いまもなお気動車で列車を運行するのが、JR久留里線と私鉄のいすみ鉄道、そして小湊鐵道です。
この写真は先日娘をローカル線に乗せるために訪れた、いすみ鉄道・小湊鐵道の上総中野駅の光景です。
両社は上総中野駅で接続していますが、線路そのものはつながっていません。ですから、列車も直通運転をすることはなく、それぞれの列車はそれぞれのホームに停車しますが、多くはほぼ同じ時間帯に到着するようなダイヤを組んでいます。
ですから、上総中野駅ではいすみ鉄道の車両と、小湊鐵道の車両が並んで停車する光景を見ることができるのです。
小湊鐵道の列車は、上総中野駅を発車するとすぐに下り坂を下りていきました。そして、降りきったところで再びエンジンを回転させるので、屋根の上には排気ガスの白い煙がもわもわと見えるのでした。
ここに写る小湊鐵道のキハ200は、見た目は私鉄が独自に設計した車両のように見えますが、車体のデザインこそ異なるものの、国鉄のキハ20を基本にしています。そのため、エンジンも国鉄制式のDMH17Cを、台車もDT22・TR55と同等のものを履いています。
このDMH17Cを装備する気動車は、いまでは数が少なくなってしまい、まとまった数を運用するのはこの小湊鐵道ぐらいになってしまいました。もっとも、このエンジンの基本設計は古く、排気量の割には非力なので、多くは小型で軽量、そして排気量も小さく燃費に優れ、さらには出力が大きいものに換装されてしまいましたが、このキハ200は変わらずDMH17Cを装備し続けています。
ところで、この写真を撮影している筆者の周りには、一眼レフを構えた鉄分たっぷりのファンの方の他に、スマホを使って撮影する旅行客がたくさんいました。
いまではこうした光景も数少なくなってしまい、東京やその近郊から手軽に行ける距離ということもあってか、その懐かしさに触れるためか多くの人が訪れるようになったそうです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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