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時の流れはいろいろなものを変えていきます。その一つに「街の眺め」もあるのではないでしょうか。ついこの間まで当たり前のように見かけていたものが、あっという間に取り壊されて更地になり、そこには新たなものがつくられて街の景色も変わっていきます。
悲しいかな、最近では歳を重ねたせいか、それまで無意識に見ていたものが忽然となくなると、「はて、ここに何があったかなあ?」なんて思い出せずにいることもあります。まあ、そうしたことがあると「文明の利器」に助けられることもあり、例えばgoogle mapのストリートビューで調べてやっと思い出す始末です。
ところが、そんなに調べなくてもすぐに分かることもあります。
かつて、筆者が鉄道マンであった頃、新鶴見から武蔵小杉方向の街並みはイヤというほど見ていたものです。もっとも、仕事をせずにぼうっと眺めているのではなく、機関車の入換に備えて信号場の動きを見るついでに視界に入っていた、というのが正確かも知れません。
それでも、生まれ育った街なので、仕事以外でも眺める機会は多かったせいか、変化を見逃すことも少なくなかったです。
しかし、写真のようにこれだけ大きく変わるとは思いませんでした。
新川崎駅のホームから、東京方を望んだ眺めですが、駅へと進入してくる成田エクスプレスのE259系の背後には、真夏の照りつける強い日差しに熱せられた空気が陽炎をつくり、それ越しに見えるのは武蔵小杉駅周辺に建てられたタワマンの群れです。
いまでは武蔵小杉と言えばタワマンとオシャレなショッピングモールもある人気の街ですが、筆者が幼い頃はもちろん、鉄道マンだった若い頃にもこんなものができるなどと微塵も考えませんでした。
これだけ代わってしまうと、もはや「別の街」にでもやって来たとさえ思いもします。
時の流れに抗うことはできません。その時の流とともに、街も変わればそこを行き交う鉄道も変わっていくものです。かつて「成田エクスプレス」は253系が担っていました。民営化後につくられた特急用の車両ですが、気付けば253系は引退していき、代わってE259系が走っています。
この先、いったいどんな車両がここを走るのか、それは誰も想像できるっものではなく、もしかしたら「神のみぞ知る」ということでしょう。
すっかりと変わってしまった「街」と、そこを行き交う鉄道。さて、これからどのように変わっていくのか、それは誰も想像できません。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。