いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染が再び増加に転じ、毎日ニュースなどで伝えられています。これからいったいどうなるのだろう?と、気をもむことも多いのですが、前回の緊急事態医宣言で多くのことが中止になるなど、消えていったことがあります。
その一つが「修学旅行」です。
小学校生活6年間の最後を飾る子どもたちの楽しみは、この未知の病のためにいともあっさりと「消えて」しまいました。
理由は様々ですが、一つは「密」になるということです。もっとも、学校生活を送っていて「密」にならないのは非常に大変なことで、かくいう筆者も毎日のように神経を尖らせています。
もう一つは、一旦中止にしても代替日程を組むことが困難だ、ということです。
感染防止対策を徹底して、別の日になんとか予定を組んであげられないのか?
という声も聞こえてこなくはないでしょう。筆者も、できれば冬でも修学旅行を実施させてあげたい思いはありますが、実際には非常に難しいことも、元鉄道マンとして知っているので複雑な心境です。
修学旅行は地域や校種にもよりますが、学校単体で実施することは非常に困難を伴います。
宿泊先の手配や、往復の交通の確保、さらには訪問先の申し込みなどなど、することは多岐に渡るのです。
筆者が勤める地域では、修学旅行は栃木県の日光に訪れます。何度か引率をしましたが、往復はすべて専用列車を利用しています。鉄分の濃い方々の間では「集約臨」と呼ばれる列車です。
この手配もまた、旅行会社などプロの手を借りなければできません。団体専用列車の申し込みは9か月前から2か月前までできますが、一定の時期にほぼ毎日運転されるとなると、それなりに時間も必要です。
申し込みを受けたJRでは、その列車を運転するために車両運用の手配や、乗務員などの手配を行います。また、運転にあたってはどのスジを使って運転するかを検討します。もちろん、旅客会社であれば自社の線路なのでどのスジでも使えそうですが、実際にはそうはいきません。
旅客会社の保有する線路でも、そこには第二種鉄道事業者の貨物列車も運転されるので、団体列車を走らせようとするスジを、貨物列車も希望しているとなると調整をする必要があります。
そのため、ダイヤを設定するために、かならず旅客会社6社と貨物会社の担当者が一堂に会した会議を行っていて、そこで初めて臨時列車を走らせるスジが決まるのです。
ここで承認されれば、様々な手配をするために「達示」という形で、運転区所はもちろんですが、保線や電気といった施設電気区所にも通達がされます。また、申し込み手続を受けた旅行会社にも運転の決定が知らされ、利用者にも旅行会社を通して運転の可否が知らされるのです
この写真は、2013年の秋に運転された集約臨です。
この当時はまだ大宮の189系が活躍していました。筆者が小学生のころは、ボックスシートの167系だったので、それから考えるとリクライニングシートの特急形とは、これまだなんて贅沢なのでしょうか。といっても、これは利用者側の要望ではなく、運転をするJR側の都合で、このような車両での運転になったのでした。
その後、189系が引退をすると、その役割は同じ大宮に所属する185系に代わっていきます。筆者も、仕事としてどちらにも乗りましたが、やはり子どもの頃を考えると、時代の変化を思わずにはいられませんでした。
その185系もそろそろ引退が迫ってきていますが、この役割はE257系に代わりつつあります。
残念ながら2020年は、この集約臨の運転は、コロナの影響で消えてしまった修学旅行とともに、運転はされないことでしょう。
この写真を見つけたとき、ここに乗る子どもたちはこれから始まる旅に期待する笑顔でいっぱいでした。今年の6年生は、その楽しみがなくなったかと思うと、非常に残念でなりません。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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#修学旅行 #臨時列車 #JR東日本