旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

走り抜ける「昭和の鉄道」 京の都から浪速へ川沿いを走る老兵・京阪2200系電車

子ども頃、鉄道を題材にした絵本に描かれていた電車の中で、なぜか印象深く記憶に残っているのが近鉄特急と京阪電車。全車は特急用の車両で、しかも「ビスタカー」という愛称とともに、2階建車両を挟んだ独特の流線型をしていたので、幼い少年の記憶に焼き付…

JR東日本が山手線の自動運転化を進める訳とは【3】

6.不足する乗務員をカバーするための自動運転技術 近い将来予想される運転士不足は、少子高齢化に伴う労働生産人口の減少と、国鉄時代からの運転士の大量退職という二つの現象に起因していることはお分かりいただけたと思います。 そもそも、JR東日本とし…

1月第4週のふりかえり

皆さまこんばんは。いつも拙筆のブログ「旅メモ」をお読みいただき、ありがとうございます。 1月も後半に入り、寒さの厳しい日が続くようになりました。この冬は暖冬かも?なんて思ってもいましたが、そんな期待は見事に裏切られて冷える日が多くなりました…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【6】

1960年代といえば高度経済成長期の真っ只中でした。 第二次世界大戦によって、日本の経済や産業は言葉通りボロボロの状態だったのが、様々な要因が重なって好景気が続きました。戦争の空襲で国土も焼かれた日本は、世界も驚くほどの早さで復興し、しかも経済…

JR東日本が山手線の自動運転化を進める訳とは【2】

5.なぜ、山手線で自動運転を進めようとしているのか いよいよ本題に入ってきました。 前にもお話ししたように、自動運転を導入することで、運転士を乗務させる必要がなくなってきます。よしんば乗務させたとしても、彼らに車掌業務を担わせることで、車掌の…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・現場へ向かう公用車の運転は若手の仕事【2】

現場へ向かう公用車の運転は若手の仕事【2】 公用車、純粋な民間会社ならば社用車とも呼ばれる会社の持つ車。今でこそどんなに安く売られている商用車でも、それなりの装備はもっているもの。パワーステアリングにパワーウィンドウ(運転席だけでも)、エア…

JR東日本が山手線の自動運転化を進める訳とは【1】

「未来の世界では、自動車は人が運転するのでなく、すべての運転操作は自動化されます。人間は何もすることなく、快適で楽に移動ができるようになるでしょう」 1.はじめに 一昔、いえそれよりももっと昔、私が幼少の頃に読んだ「未来の世界」を描いた本には…

1月第3週のふりかえり

こんばんは。いつも拙筆のブログ「旅メモ」をお読みいただき、ありがとうございます。 1月だというのに、私の住んでいる地域では日中の最高気温が10℃を超える日が続いて、真冬の寒さからは遠のいています。まあ、過ごしやすいのはありがたいのですが、こう…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【5】

ハンプ押上の真打ちDE11形の登場と操車場での仕事 DE11形は1967年から量産されると、さっそく大規模操車場における貨車の入換作業に就くため、隣接する機関区へと配置されます。最初に配置されたのは、首都圏でも指折りの操車場で、日本の三大操車場の一つで…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・現場へ向かう公用車の運転は若手の仕事【1】

現場へ向かう公用車の運転は若手の仕事【1】 鉄道会社で仕事をしていると、多くの人は現場までの移動には鉄道を使うのかと思われることが多い。まあ、会社の一番の商品は安全で確実、そして速く走る列車なので、その考えもわからなくもないが、残念ながら列…