いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。
11月に入ったというものの、連日の夏日には本当に参っております。先日も遠足の引率にでかけましたが、あまりの暑さに体力を奪われてしまい、帰ってくる頃には言葉通り「ヘロヘロ」でした。
季節の変わり目、特に秋は体調を崩しがちと言われますが、今年は異常な猛暑で体力を消耗していたところへ、長引く気温の高さと昼夜の寒暖差が激しく、筆者もなかなか疲れが抜けておりません。
皆様もどうぞ、お体を大切にしてお過ごしください。
さて、11月の3連休初日は、地元を走る東急バスの虹が丘営業所で催された大感謝祭に娘を連れて参加してきました。
新型コロナ禍以前は、このようなバス会社のイベントは時折開催されていたようですが、この4年間はそうした人が集まるイベントも軒並み中止にせざるを得なかったようで、今年5月の5類移行後は徐々に再開されるようになってきました。
もっとも、以前のように誰でも気軽に無料で参加できるというものではなくなり、人数制限を設け事前に申し込みが必要であったり、参加費を支払うという有料形式になったりと、その方法も変わってきました。
今回はたまたま別の用で東急バスのWebサイトを見たのがきっかけで、同社がこうしたイベントを開催したのは、筆者が知る限りでは初めてのことだったと思います。
虹が丘営業所を訪れてみると、バスの整備場ではタイヤのハンマー打音検査の体験や、45か月点検という同社独自の安全基準による検査体験、さらにはバスに乗ったままジャッキによるリフトアップ体験と、所内にあるアイテムをふんだんに使った手作り感あふれるイベントで、知っているようで知らなかったことも経験させてもらいました。
東急バス虹が丘営業所にずらりと並べられた、いすゞエルガ。通常、この用に営業所内で留置されている時は、行き先表示器には何も表示されていないが、今回はイベント用に、管内のあらゆる行先を表示していた。しかも、ナンバープレートを見るとほぼ続き番で、意図的にこのような形で同じ車種のバスがこのように並ぶことも、もしかすると滅多にない事と推測でき、営業所の方々の細かい心配りを感じる壮観な眺めとなった。(2023年11月3日 東急バス虹が丘営業所 筆者撮影)
イベントの詳細は別稿でお話したいと思いますが、主任クラスの社員の方にお話を伺うと、以前も小規模な見学会を開催していたそうです。その目的は、バスのドライバー不足に歯止めをかけたいと、少しでもバスのことを知ってもらえればと考え企画されていたそうですが、今年は満を持して大感謝祭という形で大きなイベントにしたそうです。
そして、少しでも若い人にバスの仕事に興味を持ってもらい、不足する人材確保につなげるとともに、子どもたちにバスに触れてもらって関心をもってもらい、将来の運転士をはじめとしたあらゆる職種で、目指す仕事にしてもらいたいという思いが込められているとこのことでした。
実際、娘がバスの運転席に座って模擬運転の体験をするコーナーでは、運転士の社員の方が優しく丁寧に、運転業務の手順を説明してくださったり、写真撮影のコーナーでも子ども用の制服を着るときにも優しく接してくださりました。
筆者もついでにとばかりにバスの運転席に座ってみましたが、乗用車とは当然のことですがまったく違う世界でした。幅2,500mm、全長10.5m以上の大型車なので、これを狭い道で簡単に取り回すことができる運転士は、まさにプロの技術が要求されます。
かつて筆者はハイヤー・タクシーの乗務員として営業車を運転していたこともあるので、少しは似ているところもあるのかなと思っていたのですが、車自体が大型になって多くの人を乗せるバスは、同じ道路の公共交通機関とはいえ、まったく違う世界のものに感じました。
そして、最大でも約80人の乗客を乗せることができるバスは、その運転士にかかる責任の重さは想像を遥かに超えたものだと想像すると、もはや憧れていたからという理由だけで就けるような仕事でないことを実感しました。
その一方で、人手不足が際立つ業界の一つであることは、多くの人が知るところでしょう。80人からの乗客の命を預かる責任の重さと、安全輸送に徹するがゆえに神経をすり減らし、同時に土日祝日、盆暮れ正月も稼働し、早朝から深夜まで走り続けるために不規則な勤務形態である過酷な仕事であるにもかかわらず、その給与の低さから人が集まらないのも頷けることだと改めて思うところでした。
いずれにしても、ただでさえ運転士をはじめとした人材不足の中、人も車両も遣り繰りをして、このような小さな子どもも実車に触れて体験できる会を提供していただいた東急バス虹が丘営業所の皆様に感謝の言葉しかありません。それとともに、路線バスをはじめ公共交通機関で働く方々に、尊敬の念を改めで抱くものでした。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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