旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その15「門司機関区での添乗実習・・・EF81で関門トンネルを越える」【前編】

◆門司機関区での添乗実習・・・EF81で関門トンネルを越える【前編】 いよいよ集合研修最後の実習場所となる門司機関区に研修配置になったのは6月の終わり。ここでは、日常的に行われる車両検修と機関車乗務の二つを体験することだった。 前回までは... blog.ra…

消えゆく「国鉄形」 老いてもなお「冬の生活」を支え続ける【前編】

前回の「目立つことなく縁の下を支えた「山男」たち」で取り上げたEF64形電機機関車の話の中で、彼らが牽き続けた中央本線の石油輸送列車は、後継のEH200形電機機関車に代わっても変わることなく運転されています。 その石油輸送列車のもう一つの主役……いえ…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(6)

2.否めない技術の「劣化」【2】 次に車両の検査についても考察していきます。 鉄道車両は一定の周期または期間ごとに所定の検査をすることが義務づけられています。中でも自動車の車検に相当する「全般検査」は車両を部品単位にまで分解し検査をする、文…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その14「交流20000Vに触ると・・・」【後編】

◆交流20000Vに触ると…【後編】 前回までは...blog.railroad-traveler.info 先輩たちが持ってきたのが、グラスファイバー製の梯子だった。「これを使わんと、間違いなく感電しおるけんな」 そういって、梯子を架線に立てかけた。「さあ、誰か触る人いおらんか…

そうだ!お花見に行こう!! 駅チカで手軽にお花見

春もすっかり爛漫♬ と思いきや、日中は20℃を超えて夏日(;´Д`) いやはや、この極端な陽気に体がついていくのがやっとです(>_<) 今年は桜の満開が早いですね。こういう年は、経験から申しますと・・・「酷暑」です(≧◇≦)今年の夏、本当に暑くなりそうです。 さて…

消えゆく「国鉄形」 目立つことなく縁の下を支えた「山男」たち【後編】

分割民営化で79両中68両が貨物会社へ、残りは旅客会社へ引き継がれました。 やはり、貨物列車がその仕事の中心で、国鉄時代と変わらずコンテナ貨物列車や、首都圏から信州への石油輸送列車を牽き続けます。こうした仕事は、後継のEH200形電機機関車が登場す…

駆け抜けていった「ハマの赤いあんちくしょう」

桜が満開になってすっかり春爛漫になりました。 春は出会いの季節でもありますが、別れの季節でもあります。 「ハマの赤いあんちくしょう」こと京浜急行。その中で、春の訪れとともに、3月で去っていった鉄道車両がありました。 それが今回ご紹介する2000形…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(5)

2.否めない技術の劣化(1) さて、2018年2月28日に「のぞみ34号」で運用されていた車両の台車を製造した川崎重工は、台車に製造ミスがあったと発表しました。台車を構成する台車枠の溶接部分から亀裂が入り折損しましたが、製造段階で溶接部分のバリを削る…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その14「交流20000Vに触ると・・・」【前編】

◆交流20000Vに触ると…【前編】 タイトルを見てギョッとされた方も多いのではないかと思う。 いきなり、こんな高圧電気に触ったなんて聞かされれば、「それ、死んじゃうじゃん!」「よく生きていたな」なんて言われてもその通りだ。でもご安心を。この通りち…

消えゆく「国鉄形」 目立つことなく縁の下を支えた「山男」たち【前編】

仕事の中には人目に触れて目立つものと、目立たつことはないけどなくてはならない存在になるものとがあると思います。 例えば、運動会では徒競走(最近では全力走という言い方に変わってきていますが)でピストルを撃つ「出発係」というのは、子どもたちから…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(4)

こうした実態を改善するためにはどうすればよいか、ということになります。 まず指令所内でのコミュニケーションの問題です。これは、輸送指令が列車の安全で確実な運転を行い、異常時には安全を最優先した適切な対応をするという本来の使命を考慮する必要が…

「お花見」に始まって桜と一緒に散った・・・

今週のお題「お花見」 ついこの間まで寒い冬かと思っていたら、あっという間に暖かくなって春がやってきました。いえ、今週の中頃には雪まで降って一旦冬に逆戻りと思いきや、この後は春らしい陽気が続くようなので、本格的な春になりそうです。 春といえば…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その13「研修生、事故を起こす」

◆研修生、事故を起こす 駅にまつわる話をもう一つ。 ある日、仕事から帰ると寮の中は奇妙な空気に包まれていた。いつもと違う空気に、何かあったのか?と思い浜小倉駅で研修勤務に就いている同期に尋ねると、研修生が突放に失敗して事故を起こしたという。 …

消えゆく「国鉄形」 海底トンネルを走り続けた銀釜

ダイヤ改正が行われる度に、長年走り続けてきた「古き良き」車両たちが姿を消していきますが、やはり「時代の流れ」なのでそれはそれで如何とし難いものがあります。 まあ、古い車両ほど電気代はかかるし、交換用の部品も底をつき始めていますし、色々な意味…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(3)

●輸送指令の状況判断とコミュニケーション能力 さて、「のぞみ34号」の重大インシデントに話を戻しますと、餘部橋梁列車転落事故の輸送指令の不適切な判断と、今回の「のぞみ34号」の重大インシデントには類似点があると考えられます。 【餘部橋梁事故】風速…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その12「操車の実習は暑くて眠くなるディーゼル機関車」【2】

◆操車の実習は暑くて眠くなるディーゼル機関車 私がこの実習を受けたのはちょうど6月半ば。梅雨とは名ばかりに連日暑い日が続いていた。そして、この時初めて知ったのだが、入換用のディーゼル機関車の運転台は蒸し風呂のような暑さだということだった。 そ…

一番調理が大変なマックのバーガーはどれ!?

三寒四温とはよくいったもので、寒い日があると次の数日間は暖かくなり、再び「寒の戻り」で寒くなり、そして暖かくなる…という日が続いています。先日は、日中の最高気温が20℃を超えて初夏の陽気になりました。こうも寒暖の差が激しいと体がついていくのが…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(2)

餘部橋梁事故は、国鉄の末期である1986年に山陰本線鎧駅-餘部駅間に架かる餘部橋梁を走行中の回送列車が強風にあおられて橋梁から転落し、橋の下にあった水産加工工場と民家を直撃して工場で働いていた従業員5名と回送列車に乗務していた車掌の計6名が死…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その12「操車の実習は暑くて眠くなるディーゼル機関車」【1】

◆操車の実習は暑くて眠くなるディーゼル機関車 貨物駅には営業の仕事の他に、操車という仕事がある。お客様からの注文に応じて、列車のコンテナ枠を確保して何号車の何番枠に積みつける指定をするのが、旅客でいうところのみどりの窓口で指定席券を発券する…

消えゆく「国鉄形」 極寒・北の大地を駆け抜けたディーゼル特急

2018年のダイヤ改正まで残すところ2日になりました。 ダイヤ改正の度に、列車の増発や運転時間の見直しなど、利用者のニーズに合わせたダイヤになるようにするとともに、できるだけ効率のよい運用ができるように、各社のダイヤ担当者は苦心しているようです。…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(1)

2017年12月11日、走行中の博多発東京行きの新幹線「のぞみ34号」のN700系電車16両編成のうち、13号車東京方の台車枠が折損する事故が発生したことは既に多くの方がご存知だと思います。 博多発車後、山陽新幹線を走行中に床下から異音がし、さらに異臭や霧の…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その11「2番目の実習・福岡貨物ターミナル駅」(2)

◆2番目の実習・福岡貨物ターミナル駅(2) おお、これてようやく鉄道マンらしい勤務になったと意気揚々と出勤すると、その日の担務指定は営業研修。ん?貨物で営業って、何をするんだ?頭の中にいっぱいの「?」をつくると、要は駅の営業部門で通運会社か…

7年前の今日、私が体験したこと ~東日本大震災の日に寄せて~【2】

即席の放送設備はできましたが、肝心な帰宅方法は決めかねていました。計画通りに帰宅をするには、電子メールを流さなければなりません。 私はその話合いに参加しながら、一方では情報収集をするために、携帯電話のニュースを見ていました。震源地は三陸沖で…

7年前の今日、私が体験したこと ~東日本大震災の日に寄せて~【1】

あれからもう7年。いえ、まだ7年しか経っていないのかも知れません。 2011年3月11日14時46分。初めはゆっくりとした揺れから始まり、やがてこれまで経験したことのない、地面が波打つ大きな揺れ。東日本大震災(東北地方太平洋地震)が発生しました。私が…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その11「2番目の実習・福岡貨物ターミナル駅」(1)

◆2番目の実習・福岡貨物ターミナル駅(1) 1か月ほど、小倉車両所での研修を終えた私は、次に福岡貨物ターミナル駅に行くようにいわれた。九州で最も貨物取扱量の多い駅で、いうなれば貨物列車の「博多駅」みたいなもの。 その名の通り、福岡貨物ターミナ…

ホワイトデー 恐ろしい?後の祭り

今週のお題「ホワイトデー」 今週のお題は「ホワイトデー」ということですね。 いやはや、なかなか難儀な(?)話題ですな(笑) 若い頃は技術職だったので、勤め先にはほとんど女性はいなかったせいか、バレンタインデーやホワイトデーにはあまり縁がなかった…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その10「エアサスペンション」(2)

◆エアサスペンション(2) 空気バネを使った台車を履くコキ10000形式。実は、車両の検修に携わる人たちからすると、非常に厄介な貨車だった。空気バネは空気を入れなければバネとして使い物にはならないのだが、貨車には電車や気動車のように空気を供給する…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その10「エアサスペンション」(1)

◆エアサスペンション(1) 小倉車両所で印象深かった出来事をもう一つ。 小倉車両所では機関車だけではなく、貨車の検査も受け持っていた。ところが、貨車は機関車や電車のように特定の所属する区所がない。常備駅というのは定められていたが、それもタンク…

これは貴重! お雛様の段飾り

今日は気温も20℃近くまで上がり、暖かいを通り越してちょっと汗ばむ陽気でした。 南風も強かったので「穏やか」とまではいえませんが、とにかく過ごしやすかったです。 さて、今日は娘の初節句とお食い初めのお祝いでした(*^O^*) 昨年11月に生まれて以来、節…

消えゆく「国鉄形」 首都圏から去って行く湘南色

3月17日のダイヤ改正で去りゆく車両たちの中でも、この電車を知る人は多いのではないでしょうか。 ほんの少し前まで、東海道本線でも見かけた濃緑色と橙色のツートンカラーの電車。湘南色と呼ばれる塗装で、多くの人には「かぼちゃ電車」という名前で呼ばれ…