旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

航空発祥の地 所沢航空記念公園へ行く!

ゴールデンウィークの前半も終わりになってしまいました。 お天気にも恵まれていて、少しばかり暑い日が続いているのでエアコンで涼しい~お部屋でのんびりこもっているのももったいないので、今日は娘を連れてドライブをしました。 いわゆる、「家族サービ…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その19「臨時検査入場・・・その訳は」【前編】

◆臨時検査入場…その訳は【前編】 機関区の検修科は台車検査を担当する班と、交番検査を担当する班、そして仕業検査を担当する班に分かれている。仕業検査は日々の検査なので、日中だけではなく夜間も作業をするので泊まり勤務となるから、作業ダイヤは別枠で…

消えゆく「国鉄形」 別れ別れになった兄弟たち【1】

数ある鉄道車両の中には公式・非公式ともに、愛称をつけられるものも少なくありません。その由来は車両の性能からつけられたものや、特徴的な形状からつけられるもの、あるいは看板列車として走ることを運命づけられてつけられるものなどなどたくさんありま…

38℃以上の熱が出るとさすがに

夏日になって暑い暑いと冷房を入れると、次の日はそれほど暑くないなんて日が続いています。さすがにこうも寒暖が激しいと、体もついていくのがやっとという状態。しかも、年々おいつくスピードが遅くなっている気もしなくもないなぁ・・・なんて暢気なこと…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その18「機関区での整備…台車検査と臨時検査」【後編】

◆機関区での整備…台車検査と臨時検査【後編】 前回までは 機関区の検修は、大きく分けて午前と午後に作業がある。もちろん、ずっとぶっ通して作業をするわけにはいかないので、途中に10分程度の休憩が入る。この時間に水分を補給したり一服したりしてリフレ…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【6】最終章

2017年は2号機と17~19号機を除いて廃車となり、ついに2018年にはすべての定期的な仕事から外されてしまいました。製造からたった25年足らずで、現役でいるのはたったの4両。しかも定期的な仕事をもたず、吹田機関区で留置されたままの毎日なってしまいまし…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その18「機関区での整備…台車検査と臨時検査」【中編】

◆機関区での整備…台車検査と臨時検査 【中編】 前回までは門司機関区で研修中に、もう一台の機関車が台車検査で入場してきた。 今度は電気機関車のEF81形だ。やはりDD51形の時と同じように台車は車体から離されて、油脂や消耗品などは交換、車輪や台枠はしっ…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【後編】

それから10年後の2007年になると、小田急電鉄80周年と初代ロマンスカーである3000形登場から50周年を記念して、再び登場時の塗装に塗り替えられました。 前回までは ところがロマンスカーを取り巻く環境は2000年代に入って一変します。バブル経済崩壊と長引…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【5】

実力を発揮できるまでもてる性能を抑え、ただひたすら軽い列車を牽き続けてきたEF200形は16年目にして日の目を見ることができました。 しかし、それは長く続くことはありませんでした。 2008年には、パワーを抑えた後輩であるEF210形と共通の運用、つまりEF2…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その18「機関区での整備…台車検査と臨時検査」【前編】

◆機関区での整備…台車検査と臨時検査【前編】 前回までは 自動車に法定12か月点検と車検があるように、鉄道車両にも法定点検がある。車検に相当する全般検査は小倉車両所のところでもお話ししたように、文字通りオーバーホールになる大がかりな検査なので、…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【中編】

前回までは ところが、この7000形は日本の鉄道史上、稀に見るできごとに出会うことになりました。あろうことか、ライバルである国鉄から高速試験のために貸し出してほしいというのです。 私鉄の、それも特急用の車両が国鉄線上を走り、国鉄の手による試験運…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【4】

前回までは さて、こうして就役した21両のハイパワー機、EF200形。 多くの期待を一身に背負いながら、東海道・山陽本線の高速貨物列車牽引の運用に就きました。ですが、開発当初の目的であった1600トン列車の高速運転は実現できず、当面は在来のEF66形でもこ…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【後編】

前回までは ◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【後編】 東小倉駅を通過し、列車は小倉駅へと入っていった。小倉駅では鹿児島本線と日豊本線が分かれていく。列車はたくさんの線路と分岐器がある構内を、相変わらずのんびりとした速さで通過し…

昭和から平成へ 激動の時代を見続けてきたロマンスカー【前編】

いつかは乗ってみたい、そう思った列車もなかなか機会に恵まれずに、気がついたらもう引退直前になっていた、ということは多々あります。まあ、思っていてもなかなか行動に移すことができる時間がとれなかったというのも、理由の一つかも知れません。 小田急…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(10)

2.列車無線システムの見直し 前回までは・・・ 列車の運転中に事故など異常事態が起きた時に、現場の乗務員などと輸送指令が連絡を取り合う手段として、現代の鉄道のほとんどで列車無線が整備されています。 もともとは常磐線で起きた三河島事故を契機に整備…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【3】

新鶴見機関区を住処にしたEF200形の試作機901号機は、廃棄目前のコンテナに死重を積み込んだコンテナ車を牽いて試験を続けます。当初の予定どおりに6000kWという出力の余裕からくる性能のおかげで、20両編成1000トンの列車を余裕で牽くことができました。さ…

両手で開いた黒革のパスケースの中からは・・・

今日は全国的に夏日で暑かったです。なんでも日中は25℃を超えるところもあったとか。まだ4月なのに~と言いたくなってしまいます。まあ、今年は桜の開花も早ければ、散ってしまうのも早かったですから、夏が来るのも早いかも知れません。 その暑い中、今日は…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【中編】

◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【中編】 福岡貨物ターミナル駅で乗ったDE10形とは違い、DD51形は本線用の機関車で、運転台のある中央のキャブも比較的大きめだった。そして、DE10形では運転台に入るために一度エンジンが納めら…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(9)

91.社員の教育体系の根本的な見直し【2】 今回の重大インシデントではコミュケーション不足を指摘しました。その指摘の中で、コミュニケーション能力を開発する訓練に航空業界で用いられるCRM(Crew Resource Management)プログラムを取り入れることが考…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【2】

国鉄時代設計のリピートオーダー機で当座をしのぐ間、本命ともいえる機関車の開発を続けることになります。 その目標性能は1600トンの重量を牽いて高速で走ることができる性能と、25‰の坂で1100トンの列車を0km/hから引き出すことができるパワーをもつことで…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その17「門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51」【前編】

◆門司機関区での添乗実習・・・日田彦山線のDD51【前編】 2回目の添乗実習はディーゼル機関車に乗務することになった。関東で生まれ育った私にとって、真っ赤な交流電機機関車だけでも珍しかったのに、ディーゼル機関車とはこれまたビックリだった。 日田…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(8)

最後に、今回のように一歩間違えれば台車枠折損による脱線事故、最悪は脱線転覆事故を起こす可能性があった重大インシデントを二度と起こさないための対策について提言したいと思います。 現在、重大インシデントについては国の運輸安全委員会が事故調査中で…

悲運のハイパワー機 期待を一身に背負ったはずが【1】

「将来、ドライバーになったらこれを運転することになる」 私が鉄道マンになった頃、その機関車を目の前にして先輩たちからそういわれました。 真新しい車体は眩しいくらいに輝いていて、それまでの国鉄形とは異なり直線的でスマートなデザイン、そして鮮や…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その15「門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル」【後編】

◆門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル【後編】 この間、たった1分程度。九州から本州へ渡る列車にとって、とても重要な運転操作ではあるが、意外にもあっけのないものに少々拍子抜けした感があった。 そのデッドセクションを通過して機関車の電流を切り…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(7)

2.否めない技術の劣化(3) 次に輸送指令の技術について述べたいと思います。 前項で、「のぞみ34号」が重大インシデントを起こした当時の輸送指令の対応については述べたとおりです。 輸送指令がある指令所には、列車の在線状況を表示する表示盤、そして…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その15「門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル」【中編】

◆門司機関区での添乗実習・・・関門トンネル【中編】 門司機関区構内の機待線と呼ばれる留置線は、機関区から本線または門司駅や門司操車場(操車場機能は既に停止していたが、東小倉駅などへの信号場としての機能は残されていた。部内では「門操」と呼んでいた…

消えゆく「国鉄形」 老いてもなお「冬の生活」を支え続ける【後編】

1987年の分割民営化で、全車がJR貨物に車籍が継承され、国鉄時代と変わらぬ石油製品を運び続けていきます。ところが、1989年から再び製造が再開されました。旧式化した在来のタンク車の置換用として製造されたグループは、さらに改良がおこなわれて積載荷…