旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

2021-01-01から1年間の記事一覧

兵どもが夢の跡 廃線後の輸送を担う碓氷線【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info 国鉄バスをルーツに持つJRのバス。実のところ、首都圏の都市部に生まれ育った筆者にとっては、あまり縁のない存在でした。ドライブや旅行などで東名高速道路を運転していると、東京と名古屋や大阪を結ぶハイ…

兵どもが夢の跡 廃線後の輸送を担う碓氷線【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道は高頻度、大量輸送を得意とする交通機関であることは、多くの方がご存知のことと思います。特に距離が伸びれば伸びるほど、そして輸送量が増えれば増えるほど、その威力を発揮するものです…

この1枚から 2004年の沼津駅にて・JR東海の113系と115系【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info しかしながら、AU75を使用して冷房化改造を施そうとすると、一つの問題にあたります。それは、集中式であるが故に、AU75自体が非常に重量のあるものだったと言うことです。改造を受ける車両の屋根は、その重…

この1枚から 2004年の沼津駅にて・JR東海の113系と115系【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 筆者がいまの仕事に就いたのは2004年のこと。JR貨物を退職してから19年ほど経ってからのことですが、鉄道マン時代は封印していた鉄道を趣味の対象にするのを解禁しました。この間も鉄道とは関係…

この1枚から 車籍復活と特別塗装の2つの幸運を手にした初代「茶ガマ」【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info 16両の車籍復活組のEF65は、ほとんどが廃車前と変わらぬ姿で運用されたので、筆者も貨物会社に在籍した当時、あまり気にすることなく間近で目にしたものでした。鉄道を趣味にしていた同期から、「あれは車籍…

この1枚から 車籍復活と特別塗装の2つの幸運を手にした初代「茶ガマ」【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 これまで、何度となく「幸運」を手にした鉄道車両を紹介してまいりました。中でも、国鉄時代に製造されながら、分割民営化を目前にした1986年頃に「余剰車」という扱いを受けて廃車になり、新会…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 高速で走ることを夢見た車掌車・ヨ9000【2】

《前回の続きから》 blog.railroad-traveler.info 国鉄の貨物輸送高速化の切り札として登場した10000系高速貨車は、有蓋車ワキ10000、コンテナ車コキ10000、冷蔵車レサ10000で構成されました。空気ばねを採用したTR203を装着し、ブレーキには電磁弁式直通ブ…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 高速で走ることを夢見た車掌車・ヨ9000【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 すっかりとご無沙汰してしまいました。年度末繁忙期で本業に追われ、結局お休みをさせていただいてしまいました。いつも楽しみにお読みいただいている皆様、大変申し訳ありませんでした。 いつ…

回想録 工事臨時列車・砕石輸送チキ車の場合【2】

〈前回からの続き〉 工事の実施が決まると、レールの購入は支社に発注をかけますが、1本あたり25mもの長さがあるレールは一般的なトラックでは荷台の長さに制限があります。トレーラーであれば運ぶこともできるでしょうが、大都市圏では取り下ろし作業をする…

回想録 工事臨時列車・砕石輸送チキ車の場合【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 最近、にわかに工事臨時列車(工臨)が注目を浴びているようです。昔は運ぶ貨物にあわせた物資別適合貨車と呼ばれる多種多様な貨車で組成された専用貨物列車を多く見かけましたが、今日ではごく…

この1枚から 房総特急華やかし頃・1985年東京駅地下ホーム【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info もうひとつ写っている列車の「わかしお」は、この当時は東京から総武本線を経由し、千葉から外房線経由で安房鴨川まで運転される列車でした。 「わかしお」の場合、「しおさい」とは異なりそのルーツは臨時…

この1枚から 房総特急華やかし頃・1985年東京駅地下ホーム【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがようございます。 東京駅のホームは今も昔も数多くあり、首都東京の中心となる鉄道駅であることは変わりません。かつて国鉄時代は、まさに全国各地にある駅の「最高峰」であり、ここに勤める職員もまた管内から選…

この1枚から 最晩期の国鉄荷物輸送・熱海のクモユニ147【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info クモユニ147は、1983年に101系から改造されて登場した郵便荷物車でした。101系からの改造とはいっても、郵便荷物車となることから車体は種車のものをそのまま使うことはできず、新製した車体を載せています…

この1枚から 最晩期の国鉄荷物輸送・熱海のクモユニ147【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染拡大で、鉄道の旅客輸送の需要が低下し、多くの鉄道事業者が2020年度の輸送量を過去例を見ない低さを記録し、その影響でほとんどの事業者で赤字を計上する事態になってし…

この1枚から 壮観!民営化直前1986年の新鶴見機関区公開で並んだ国鉄電機たち【2】

〈前回からの続き〉 こうしたイベントに、筆者も含めて多くのファンや家族連れなどが訪れ、多くの人で賑わいますが、そのほとんどが鉄道会社や関連会社に勤める職員の方の「サービス」だということは忘れてはなりません。実際、貨物会社に入ってから新鶴見に…

この1枚から 壮観!民営化直前1986年の新鶴見機関区公開で並んだ国鉄電機たち【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルスの感染拡大で、鉄道に関連した様々イベントが中止あるいはオンライン開催されるなど、実車を間近で見て触れる機会がなくなってしまいました。鉄道を趣味とする人としても残念…

この1枚から SM分離間もない1981年8月の新鶴見機関区

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 「SM分離」という言葉をご存じの方は、おそらく筆者と同じかそれ以上の年代の諸兄かと思われます。 その昔、横須賀線の列車は東海道本線と同じ線路を走っていたようですが、首都圏の人口が爆発…

お知らせ

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 2021年も開けて早くも1か月が経ち、2月になってしまいました。年明け早々の新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が発出され、筆者が住む地域もその対象となっていて、思うように…

さらば「ムーンライトながら」 〜大垣夜行345Mの思い出〜【2】

《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 当時の列車番号は345M で、165系で組成された列車でした。 深夜の川崎駅に滑り込んできた165系の345Mには、すでに大勢の人が乗っていて、とてもではないが座席に座ってくつろいで乗るような列車ではなかっ…

さらば「ムーンライトながら」 〜大垣夜行345Mの思い出〜【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 すでに多くの方がご存知のことですが、先週、JR東日本とJR東海から衝撃的な発表がなされました。それは、東京と大垣間を結んでいた夜行快速列車「ムーンライトながら」を廃止にするというもので…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 二兎追う性能が仇になった冷蔵車・レム400【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info レム400はレム1と同様に、冷蔵車は繁忙期と閑散期における利用の差が激しいことから、閑散期には有蓋車として運用できることを前提に開発されました。また、空車返送時にも可能な限り一般貨物を積載して、効…

悲運の貨車~経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち~ 二兎追う性能が仇になった冷蔵車・レム400【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 いまとても便利な世の中で、食べたいものがあると近くのスーパーに行けば手に入ります。あるいは、ちょっと足を伸ばせばイートインで食べることができるお店もたくさんあり、しかも安価で満足感…

新形式の導入で置き換えが進む東京メトロ7000系を捉える

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 緊急事態宣言が出るよりも前の1月2日は、鉄活初めとしてカメラを携えて近隣へお出かけ。線路際での撮影を楽しんでおりました。 できれば、去りゆく車両の記録として車内なども撮っておきたいと…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 番外編・見た目は貨車でも分類は客車 期待に応えることなく数年で儚く散ったマニ44【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info マニ44は1978年から製造が始められました。 既にこの頃の国鉄は、財政事情は火の車の状態でしたが、老朽化が激しくなった旧型の荷物車をそのまま運用し続けることは、補修用部品の入手も困難になり、検修の…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 番外編・見た目は貨車でも分類は客車 期待に応えることなく数年で儚く散ったマニ44【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 きっと活躍してくれるであろうという大きな期待をもたれながらも、その期待に応えることなく残念な結果になってしまいことがあると思います。例えば、「これは使えそう」と思い実際に買ってみた…

この1枚から 日本の産業、そして生活を支えた石炭車・セキ6000【2】

《前回の続きから》 blog.railroad-traveler.info セキ6000は、セキ3000を改造してつくられました。改造内容は台車を交換した程度で、車体など根本的な構造は変えられていません。台車交換をした程度で、形式を変更となる例はそう多くありませんでした。これ…

この1枚から 日本の産業、そして生活を支えた石炭車・セキ6000【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 石炭といえば、かつては日本の産業、そして生活になくてはならない存在でした。船や機関車を動かす動力源のほとんどは石炭を燃料とした蒸気機関が使われていましたし、冬場には家屋などの暖房用…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車 揺れに弱いピアノでも電子ピアノなら

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 一度の多くの物を運ぶことに長けている貨物列車は、いまや多くの企業や団体が利用し、私たちの日常生活で使う物を運んでいます。その多くは一般のドライコンテナと呼ばれるコンテナに載せられ、…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 アイディア商品でもあったSVS・チキ100【2】

〈前回からの続き〉 blog.railroad-traveler.info しかしながら、新機軸を投じた新しい形の輸送形態として期待されたものの、チキ100は5両が改造されただけで、それ以後の増備はありませんでした。 SVSには多くのメリットもあったのですが、実際にはデメリッ…

悲運の貨車〜経済を支える物流に挑んだ挑戦車たち〜 アイディア商品でもあったSVS・チキ100【1】

いつも拙筆のブログをお読みいただきありがとうございます。 昨年末あたりから、鉄道にまつわるニュースの多くはダイヤ改正後の列車の運転についてが多く見られます。大都市圏を中心に最終列車の発車時刻の繰り上げと、始発列車の発車時刻の繰り下げを行い、…