旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

JR東日本

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【8】

前回のつづきより blog.railroad-traveler.info 185系にスポットをあてた記事を最後に投稿してから、もう1年以上が経っていました。連載記事となると、どうしても時間が必要になってしまい、本業との兼ね合いもあって一旦中断していました。 ここにきて、185…

この1枚から E257系・中央線を走った最後の夏

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうざいます。 長年走り続けてきた鉄道車両は、いつしかその役目を後継である車両に譲って退いていきます。その多くは経年による老朽化であったり、車両自体がその路線の需要にマッチしなくなったりなど、理由は…

この1枚から 男体山の吹き下ろしにも負けずに走り続けた107系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 10月初めに更新して以来、3週間ほど時間が空いてしまいました。 本業が学期末の繁忙期に加えて、ブログとは別に依頼された原稿を執筆することになり、そちらの方に注力しておりました(これにつ…

この1枚から 20年未満という短命で終わった500番代

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 山手線と言えば、東京でももっとも知られている鉄道路線ではないでしょうか。某家電量販店の歌にも出てくるくらいで、「まぁるい緑の山手線~♬」というフレーズは恐らく多くの人が聴いたことが…

この1枚から 「特急銀座」と呼ばれた1984年頃の上野駅

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 上野駅といえば、かつては東北地方や北陸地方へと向かう特急列車や急行列車が頻繁に発着するターミナル駅でした。中でも上野ー青森間を結んだ特急「はつかり」は、昼行で11往復も運転されており…

この1枚から 先頭車に変えてみたら

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 南武線という路線をご存知でしょうか。ご存知の方なら、「ああ、あの・・・」と思われると思います。神奈川県東部に位置する川崎市をほぼ縦断し、多摩川を越えて立川まで至る通勤路線です。 この南…

この1枚から 中央総武緩行線・209系500番代の最後の夏

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 8月も終わりに(この記事を執筆した時点で)近づいていますが、連日の猛暑にはさすがに辟易しています。筆者の仕事柄、鉄分の補給は休日に限られているので、夏季休業はストレス解消も兼ねて鉄…

郵便局員が駅員を兼務!? 

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 今回はニュースなどでも取り上げられた、JR内房線江見駅の業務委託に関連する話題をお届けします。 先日、夕食をとりながらテレビのニュースを観ていると、JR内房線江見駅に郵便局が開業し、同…

この1枚から コロナで消えた「こと」

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 新型コロナウイルスの感染が再び増加に転じ、毎日ニュースなどで伝えられています。これからいったいどうなるのだろう?と、気をもむことも多いのですが、前回の緊急事態医宣言で多くのことが中…

この1枚から すっかり変わってしまいました

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 時の流れはいろいろなものを変えていきます。その一つに「街の眺め」もあるのではないでしょうか。ついこの間まで当たり前のように見かけていたものが、あっという間に取り壊されて更地になり、…

海峡下の電機の系譜【Ⅲ】 世界初の量産交直流機EF30《後編》

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 「海峡下の電機の系譜」と題し関門トンネルを走り抜けた電機たちをふり返るシリーズ構成のお話も、いよいよ関門専用機として設計された世界初の交直流機EF30の後編です。 こちらも前後編に渡る…

この1枚から スカ色の「山電」

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 普通鋼でできた国鉄型車両も、21世紀も20年が経った2020年には多くが姿を消し、JR西日本で運用される113・115系などと、JR東日本の185系ぐらいになってしまいました。 普通鋼は経年とともに劣化…

この1枚から そこはどっぷり昭和の世界・クモハ40

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 「旧型国電」というカテゴリーの電車をご存知なのは、熱心なファンの方か、恐らく筆者と同じ年代や諸先輩方ではないでしょうか。吊り掛け駆動と呼ばれる構造が簡単で、出力を増大させるととも大…

この1枚から 旅客のEF510が首都圏にいた頃

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 齢を取るのは早いもので、ついこの間まで「まだまだ若いから~」なんて言っていたのが、気づいたらもうこんな齢に!?なっていました。仕事柄仕方のないことなのですが、毎年同じ年齢の人たちを…

この1枚から 孤軍奮闘を続け短命に終わった営団06系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 鉄道車両の多くはどんなに短くても20年以上は走り続けます。JR東日本の209系が登場したときに、「従来の車両寿命の半分」なんてことが言われ、口の悪い(失礼)鉄道マンからは「使い捨て電車」…

この1枚から 見ても乗っても楽しかった相鉄の鋼製車・相鉄6000系

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 相模鉄道といえば、最近はJR東日本との相互直通運転を始めたり、東急線と相互直通運転を目指して新線を建設したりと、話題の絶えない鉄道事業者です。これらの運転に備えて新車も増備中ですから…

この1枚から 三つの時代を走り続ける旧型客車・国鉄オハフ33

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 近年、静態保存されていた蒸気機関車を再整備して、動態保存という形で復活する例が多くなりました。つい最近では、京都・梅小路にある京都鉄道博物館に収蔵されていたD51・200号機が復元整備さ…

この1枚から 静かに去っていった251系「スーパービュー踊り子」

ダイヤ改正が行われるごとに、新しい列車が設定されたり、新しい車両が本格的に運用に入ったりします。それはそれで楽しみなことでもありますが、一方では役目を終えたり利用客の減少したりするなどして廃止される列車もあれば、老朽化などで引退していく車…

この1枚から 郷愁を感じさせる大井川のC10

いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 桜の花もほぼ満開になり、勤務先の門に植えてある桜の木も、淡いピンク色に染まっています。晴れた容器のいい日には、その桜を見て「花見でもしたい」という気分になりますが、世界中を震撼させ…

消えゆく国鉄形 産業を支え続けた石炭列車【3】

鉄道による貨物輸送で強いと言われたいわゆる「3セ」。石炭、石油、石灰石を指しますが、このうち石炭は鉄道開業以来、もっともポピュラーだった大量拠点間輸送の貨物でした。 戦前は国内にある炭鉱から産出された石炭を、貨物列車で運んで各地へと運んでい…

この1枚から 急行「かいもん」の思い出話 ~つづき~

一度書き始めると、どうしても「あれも書こう」「これも書こう」なんて欲張ってしまうので、ついつい話が長くなってしまいます。 今回の「かいもん」のお話も一回で終わらせるつもりが・・・気付いたら、2回跨がってしまいました。 いやはや、悪い癖なのかも知…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・派出勤務と一本立ち【1】

第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・派出勤務と一本立ち【1】 電気区に配属されてから1年ぐらいが経った夏のある日、私は区長に呼び出された。普段なら詰所の中で話を済ませるのだが、この時ばかりは会議室に来るように言われたので、いったい何事か…

消えゆく「国鉄形」 ~湘南・伊豆を走り続ける最後の国鉄特急形~ 185系電車【7】

(6)国鉄の終焉と民営化直後 1985年のダイヤ改正で東北・上越新幹線が上野開業を果たすと、それまで上野-大宮間の新幹線利用客輸送の専用列車である「新幹線リレー号」もその役割を終えて廃止された。新前橋の185系200番代は当初からの計画であったとはい…

続・悲運のハイパワー機 幻となった交直流6000kW機【7】

8.悲運の機関車が遺していったもの EF500はEF200と同様に大きな機体を背負って誕生し、貨物会社とメーカーの技術陣がなんとか実用化に漕ぎ着けようと懸命の努力をしたものの、結果的には「失敗作」の烙印を押されて開発は終わらされてしまいました。 しか…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【13】

民営化後、しばらくは大きな動きもなく、JR東日本のDE11形は高崎運転所に引き継がれた0番代が早々に廃車された以外は、品川や尾久などといった客車の配置がある運転区所で車両の入れ換え作業に使われました。 21世紀に入ると、さすがのDE11形も老朽化が進ん…

消えゆく「国鉄形」 常に目立つことなく隠れた力持ち【12】

1987年の分割民営化によって、DE11形にはさらに大きな衝撃が訪れました。 操車場の機能停止・廃止によって、仕事そのものが失われました。 操車場で重量の嵩んだ貨車を押したり牽いたりする、専ら重入換作業をするための性能をもって誕生したDE11にとって、…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・命を預かる役目・列車見張【3】

あまり知られてないことだが、鉄道のダイヤは基本的には大きく変わることがないが、実はほぼ毎日のように細かい変更がされている。 例えば、臨時の団体列車を走らせる時は、本来なら列車が走らない時間にこの列車がやってくる。そのことを知らずに現場に出て…

1月第5週~2月第1週のふりかえり

みなさまおはようございます。いつも拙筆のブログ「旅メモ」をお読みいただき、ありがとうございます。 1月もあっという間に終わってしまい、2月に入りました。今年の冬は、比較的気温の高め(といっても気温は1桁台の寒さですが)の日が多く、どちらかと…

走り抜ける「昭和の鉄道」 京の都から浪速へ川沿いを走る老兵・京阪2200系電車

子ども頃、鉄道を題材にした絵本に描かれていた電車の中で、なぜか印象深く記憶に残っているのが近鉄特急と京阪電車。全車は特急用の車両で、しかも「ビスタカー」という愛称とともに、2階建車両を挟んだ独特の流線型をしていたので、幼い少年の記憶に焼き付…

JR東日本が山手線の自動運転化を進める訳とは【3】

6.不足する乗務員をカバーするための自動運転技術 近い将来予想される運転士不足は、少子高齢化に伴う労働生産人口の減少と、国鉄時代からの運転士の大量退職という二つの現象に起因していることはお分かりいただけたと思います。 そもそも、JR東日本とし…