旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

鉄道

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・隅田川駅で見た「モノ」とは【後編】

まさかまさかの「客車」 驚いたといえば、もう一つ。 やはり、駅構内を歩いていた時のこと。駅の一角がやたらと騒々しい。それもそうだろう、何しろ赤色灯を煌々とつけたパトカーや警備会社の車、それに頑丈そうなつくりの車がいる。「おっ、今日は珍しいの…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【3】

旧来の電車とは様々な面で一線を画した、国鉄の新性能電車の第一弾として登場した101系電車。実際に就役して走り出してみると、いろいろな問題点も出てきました。 その問題点をクリアにしながら、可能な限りランニングコストを抑え、そして国鉄の標準通勤形…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・隅田川駅で見た「モノ」とは【前編】

連絡船でしか見られないはずの貨車 ある日、隅田川駅構内で信号機の見学をすることになった。信号機といっても、道路の信号機のように単純ではなく、鉄道では目的によって種類も多いから憶えるのがとにかく大変だった。 よく見かけるのは道路の信号機のよう…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【2】

「通勤形電車」とは ここで、少しだけ通勤形電車のルーツに触れておきましょう。 通勤形電車の元祖というと、戦時中に開発された63系電車に遡ることができます。戦前につくられた電車にも、同じような設備をもったものがありましたが、それらは通勤形という…

駅へ行こう! 東海道本線・摂津富田駅(大阪府)【後編】

今回は東海道本線・摂津富田(せっつとんだ)駅の後半です。 改札口を通りホームへ降りて行くと、特に変わったところがないように見えます。 ホームとホーム、そして改札口を結ぶ跨線橋(こせんきょう)もありますが、この形のものはかなり古いものです。古…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・再び研修勤務 隅田川駅で過ごした1か月の技術研修【後編】

◆再び研修勤務 隅田川駅で過ごした1か月の技術研修【後編】 ある日、講義の内容も進んでいよいよ鉄道独特の電気技術の話に入っていったのだが、私はと言えば毎日既に学んだ内容を聞かされ、いつものように上の空で聞いていた。ところが、鉄道の電気独特の内…

消えゆく「国鉄形」 痛勤ラッシュを支え続けて【1】

はじめに ついこの間まで「当たり前の景色」だったのが、気がついたらすっかり変わってしまっていた、なんてことは多いと思います。特に、日常生活に追われていると、周りのことなど気にする余裕もなくせばなおさらです。 私の身近にある電車もそうでした。 …

駅へ行こう! 東海道本線・摂津富田駅(大阪府)【前編】

みなさんは駅へ行ったことがありますか? そんなの当たり前じゃないか?行ったことないなんて人、いるわけないだろう!なんて言われそうですが、確かに、おっしゃる通り駅に行ったことがない人なんて、探す方が大変かも知れません。いえ、それは十分承知して…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・再び研修勤務 隅田川駅で過ごした1か月の技術研修【前編】

◆再び研修勤務 隅田川駅で過ごした1か月の技術研修【前編】 鉄道という仕事は、列車の運転に直接携わる仕事から、駅での改札や出札、それに操車や誘導、車両所や工場での車両の保守、線路や電気設備の保守管理といった施設関係の仕事までありとあらゆる職種…

東海道新幹線「のぞみ265号」殺傷事件 二度と同じことを起こさないための安全対策を考える

1.はじめに 2.新幹線の利便性 3.航空機と新幹線、保安体制の違い 4.新幹線の保安検査の可能性の検討 5.終わりに 1.はじめに 再び新幹線の車内で悲劇が繰り返されてしまいました。 2018年6月9日、新横浜-小田原間を走行中の東海道新幹線・のぞみ号の車…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・その3 伝統の華麗なる技

何日かして、施設の先輩が現場に連れて行ってくれた。さすがに何をするわけでもなく、ただ出勤して勤務が終わるのを待っている私たちを見て同情されたのかわ分からないが、とにかく現場へと出かけることになったのは嬉しかった。 東海道貨物支線のうち、鶴見…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・その2「点呼と整時・・・鉄道マンならではの朝の習慣」【後編】

◆点呼と整時・・・鉄道マンならではの朝の習慣【後編】 点呼では主任が職員の出勤状況を報告するために、所属する職員の職氏名を読み上げる手続きだ。学校で言うところの出欠確認だ。学校で散々やって来たことを、就職してまで同じことをするのには少し驚いたも…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 見えざる「安全輸送を支える」仕事・その2「点呼と整時・・・鉄道マンならではの朝の習慣」【前編】

◆点呼と整時・・・鉄道マンならではの朝の習慣【前編】 着任して数日、始業の定刻である8時30分前に出勤。といっても、8時30分ギリギリに出勤してはまずい。新人はとにかく先輩より早く出勤し、お茶を入れたり掃除をしたりしなければならない…と、気合いを入れ…

今週のお題「修学旅行の思い出」 電車のドアは狭いんです

今週のお題「修学旅行の思い出」 調子に乗ってまたまた書いてしまいました、今週のお題。 え、まだ書くの? なんて思われるかも知れませんね。スミマセン。 修学旅行の思い出というと、自分自身の思い出を書きますよね。私も、前回までは高校時代のお恥ずか…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【7】最終章

しかし、さすがに若い頃は高速で長距離を走ってきた無理もたたり、後年は短距離が中心になったとはいっても老朽化が進行してきたことや、北陸新幹線の金沢開業によって金沢-直江津間が第三セクターへ移行したこともあり、ついに2015年に413系電車と組んでい…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 電気区・保全区での仕事・その1「電気区に着任」【後編】

◆横浜羽沢電気区に着任【後編】 当時の横浜羽沢電気区は、関東支社にある技術系職場の中でも比較的広範囲を管轄していた。本区は横浜羽沢駅にあり、東海道貨物線は新鶴見機関区と新興駅、東高島駅、それに横浜羽沢駅。根岸線の根岸駅と横須賀線の逗子駅と田…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車 走る「便器」

タイトルを見て、あのトイレにある便器が走るのか?と思われた方も多いでしょう。 いえ、便器自体が走るのではありません(;´д`) そんな便器があったら是非とも見てみたいですが、落ち着いて用は足せないでしょう 便器はコンテナに乗って走っているのです(笑…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【6】

こんな華やかな時代を謳歌した急行列車も、1985年までに廃止が相次いだために、451・471系電車をはじめとする交直流両用の急行形電車も本来の仕事を失いました。仕事は失ったといっても、製造から古くても24年しか経っていないので、そのままお払い箱になっ…

もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第二章 電気区・保全区での仕事・その1「電気区に着任」【前編】

◆横浜羽沢電気区に着任【前編】 九州支社での研修勤務を終えた私は、関東支社に戻ると横浜羽沢電気区に電気係として配属された。 「鉄分」の濃い方でも、あまり耳にしない名称の職場だと思う。私も、電気区とはいったいどんな仕事をするところなのか、一応は…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(17)最終章

終わりに…「安全神話」などは存在しない ここまで長々と「のぞみ34号」台車折損事故について、筆者の経験などをもとに考察し、提言を書いてきました。 最後に新幹線の安全輸送を語る上で述べておきたいことは、「安全神話」などは存在しないということです。…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【5】

451・471系電車を始祖とする交直流両用の急行形電車は、1961年に登場以来、24年でその役目を失ったことになります。他方、特急用として登場した481系電車を始祖とする交直流両用の特急形電車は、時代が変わっても特急列車として走り続けるその役割は変わらず…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車③ あの「うまい!」を届けるコンテナ

暑い夏が近づいてきました。最近の夏の暑さは一昔、いえ二昔前にとは比べものにならないくらいの暑さで、日中の最高気温が30℃を超えるなんて日は当たり前、ともすると35℃を超えるなんてことも珍しくなくなりました。いったい、どこまで暑くなるんでしょうか…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(16)

(4)事故調査結果を将来の安全につなげる【後編】 しかしながら日本では、JTSBの調査資料を刑事訴追の証拠としたり、時には調査官を承認として法廷に呼び出した事例があります。 1997年に起きた日本航空MD-11型機駿河湾上空乱高下事故では、機長の過失責任…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【4】

1980年代に入ると東北の急行列車は次々に特急への格上げとともに廃止や削減が続いていきました。そして1982年に東北新幹線が大宮-盛岡間で開業をすると、特急列車のみならず急行列車を含めた長距離列車は大幅に減らされていきました。 前回までは blog.rail…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車② 旅する「野菜」

五月半ばに、歌手の西城秀樹さんが亡くなりました。まだ63歳という若さだったので、この訃報に接した時は本当にビックリしました。心からご冥福をお祈り申し上げます。 さて、西城秀樹さんといえば、やはりカレーのテレビCMでしょう。あの「秀紀、感激ッ!」…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(15)

(4)事故調査結果を将来の安全につなげる 今回の重大インシデントの発生を受けて、国の運輸安全委員会が事故調査に乗り出しているのは、既に報道などで多くの方がご存知のことだと思います。 運輸安全委員会(JTSB)は国土交通省の外局で、航空機や鉄道、船…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【3】

1968年のダイヤ改正、いわゆる「ヨン・サン・トオ」と呼ばれる白紙ダイヤ改正では、数多くあった急行列車の愛称が整理されるとともに、それまで走っていた準急列車が急行列車へ統合されていきます。急行列車自体は増発にも見えますが、一方で一部の急行列車…

いろいろな「物」を運ぶ貨物列車① 軽自動車はコンテナに乗ってやって来た!

駅のホームで列車を待っていると、電光案内板に「通過列車」とか表示されていること、たまにあると思います。寒い日や暑い日には、できれば早く快適な車内に入りたいと思っている時に、この「通過列車」なんかあると勘弁してくれと思うこともあるかもしれま…

「のぞみ34号」重大インシデントについて元鉄道マンの考察と提言(14)

(3)根幹を支える職員を自社の責任で育成する このように安全輸送を守るためには、現場に携わる職員の存在が必要不可欠であり、こうした職員には実践で培った経験と技術が重要であることは、これまでにも何度も述べてきました。 しかし、近年、多くの鉄道…

消えゆく「国鉄形」 数奇な運命を辿った急行形【2】

こうして、急行列車のサービス改善を果たした153系電車が活躍する一方、他の地方線区は旧来の客車列車のままでした。東京・名古屋・大阪といった大都市圏を結ぶ列車が最新鋭の車両で運転されているのを、地方が黙って見逃すわけがありません。当然、地方都市…